皆様はネットワークエンジニアという仕事に対して、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「未経験だと厳しそう」「高年収」「休みがとりにくそう」「夜勤が多そう」など、さまざまあると思います。
本記事では、現役のネットワークエンジニアである私が、仕事内容について解説していきます。
また、未経験からネットワークエンジニアになる方法もあわせてご紹介します。
是非、最後までご覧ください。
ネットワークエンジニアとは?
ネットワークエンジニアとは、「ネットワークの運用保守・構築・設計などをおこなうエンジニア」のことです。
ネットワークエンジニアの仕事は幅広いです。
ネットワークの設計、構築、運用保守の他、ネットワーク導入後のサポートやお客様対応をおこなうケースもあります。
例えば次の業務をおこないます。
- 利用者の要望を聞き取り、ネットワークの仕様書に反映させる
- 現場に赴き、ケーブルを敷設する
- ネットワークが想定通り動作するかを確認する検証業務をおこなう
- 問題なくネットワークが稼働しているかチェックする
- 現在稼働しているネットワークに設定を追加する
- 新規のネットワークを利用者に提案する
といった具合です。次章でそれぞれのフェーズごとの仕事の詳細をご紹介します。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事は主に、【運用監視・構築・設計】の3つのフェーズがあります。
また、近年ではクラウドエンジニアやセキュリティエンジニアといった新たなポジションも登場しています。
1つずつ解説していきます。
①監視・運用
ネットワークが問題なく稼働しているかを監視します。
24時間365日シフト制(通称:「24/365(にーよんさんろくご)」)での勤務になっているところが多いです。
ネットワーク監視では、ツールを使用することが多いです。
職場にもよりますが、5~10個のツールを使用します。
仕様ツールは、Zabbix(ザビックス)やNagios(ナギオス)などが使われます。
(画像の引用元:Wikipedia-Nagios)
また、ネットワーク状態確認は、サーバでコマンドを打っておこなうケースもあります。
そのため、サーバの基礎知識(シェルの概念やコマンドの理解など)があれば素早く業務に順応できることでしょう。
最初は、ネットワークの監視からキャリアをスタートさせる場合が多いです。
未経験の場合は、次の手順で業務習得をおこなうことが多いです。
- 入社研修(1~2週間)ネットワークの基礎知識を学ぶ
- OJT(1か月程度)定常作業を学ぶ
- 業務経験を積みながら独り立ち(5か月程度)
約半年で、独り立ちすることが一般的です。
ネットワーク監視の難しいところは、トラブル対応です。
イレギュラーな対応が多いので、キャパシティオーバーになってしまうことも多々あります。
そのため、臨機応変に対応できる柔軟性がある人には向いている業種といえます。
②構築
指示書や要件定義書に沿ってネットワーク回線を構築していく業務です。
具体的には、コンフィグ(機器の設定)の投入や機器の取り付けをおこないます。
また、構築作業の前後では、理論通りネットワークが動作するか検証業務をおこなう場合もあります。
未経験から「構築」フェーズに入ることは滅多にありません。
監視・運用で2~3年程度経験を積んでから構築フェーズに移行することが多いです。
もしくは、検証(実際に機器が想定通り動くか確認する)フェーズで経験を積んでから「構築フェーズ」にステップアップする場合もあります。
ネットワークの構築は納品期限がある場合がほとんどです。
そのため、納期前の部署内は緊張感があります。
他にも、「ネットワーク設計書」に沿って構築する場合、想定通り動かないケースがあります。
「切り分け」という、どこに問題があるのか原因を探求する作業がうまくいかない状態が起こるなど、納品まで気の抜けない業務です。
③設計・要件定義
ネットワークエンジニアとしての上流工程となります。
ネットワークやサーバ、周辺機器に対しての深い知識が求められます。
あわせて、近年ではセキュリティへのニーズも高まってきています。
作業工程として、まずはお客様の要望を聞き取り、要件定義書に落とし込みます。
それをもとに、ルータやスイッチをどれにするかなど機器の選定をします。
更に、ネットワークの構築担当者に引き継ぐための「ネットワーク設計書」に、条件を落とし込んでいきます。
詳細に要望を聞き取り、要件定義書に落とし込む作業においても、曖昧な決め方をしてしまうと、後々トラブルにつながってしまうこともあります。
利用者やベンダー(IT関連製品の販売業者)とのやりとりもあるので、ネットワークの知識だけでなく、コミュニケーション能力も必要になります。
④クラウド
近年では「クラウド」という新たな分野も出てきました。
クラウドとは、ネットワーク先のソフトウェアやサーバを利用するサービスです。
Amazon Web Services(アマゾンウェブサービス:通称AWS)やMicrosoft Azure(マイクロソフト・アジュール)などが代表的なクラウドサービスになります。
クラウドエンジニアはネットワークの構築と保守管理に加えて、コードを書く場面もあります。
そのため、未経験からクラウドエンジニアになるには、ネットワークエンジニアとして経験を積む必要があります。
参考:クラウドのイメージ
⑤セキュリティ
近年需要が急速に伸びている分野です。「ホワイトハッカー」と呼ばれたりもします。
不正アクセス、セキュリティインシデント、コンピュータウイルスなどの機器の脆弱性からデータ資産を守るための対策をするエンジニアです。
セキュリティについては、企業の関心とともにエンジニアの需要は高まっており、専門のスクールも開校しています。
これからセキュリティエンジニアを目指す方は、英語を学んでおいたほうがよいでしょう。
なぜならば、脆弱性情報の確認や最新のウイルス情報は、英語で発表される場合が多いからです。
参考画像↓のように、セキュリティエンジニアは英文の脆弱性情報を日々確認する作業があります。
参考:Ciscoの脆弱性情報
派遣社員としてネットワークエンジニアになるメリット・デメリット
派遣社員のネットワークエンジニアには、メリットとデメリットがあります。
個人的見解ですが、まとめてみましたのでご覧ください。
派遣社員ネットワークエンジニアのメリット3つ
①自学自習の時間が確保できる
派遣社員は、時間で給料が支払われるため、正社員に比べると残業が少ないのが特徴です。また、会社行事への参加を強制されることもありません。
そのため、担当業務に集中することができ、オフの時間を勉強に充てられます。
ネットワークエンジニアはCCNAやCCNP、ネットワークスペシャリストなど取得すべき資格が多いです。
空いた時間に資格の勉強をすることで、スキルアップを目指すことができます。
②ステップアップのための転職がしやすい
「運用フェーズで2年経験したから構築フェーズへステップアップする」といった具合に、派遣社員はスキルアップのための転職が容易です。
また、1~2年程度経験したのちに派遣先を変更すると、200〜400円程度時給がアップします。
③ネットワークエンジニアへのハードルが低い
派遣社員はネットワークエンジニアへチャレンジしやすいことが、最大のメリットだと思います。
正社員の中途入社で、未経験からネットワークエンジニアになるには、実務経験がないと難しいです。
しかし、派遣社員であれば、未経験でもネットワークエンジニアに挑戦することができます。
派遣社員として2〜3年経験を積んでからスキルアップ転職をするのがオススメです。
派遣社員ネットワークエンジニアのデメリット3つ
①意欲がなければ成長できない
私はエンジニアとして、成長のためには自学自習は必要なことだと思っています。
正社員であれば、目標設定や資格取得の推奨などを会社から言われることもあるでしょう。
ところが派遣社員の場合、業務をこなしさえすれば特に何かを言われることはありません。
それに甘んじてしまうと、スキルアップ転職も望めず、契約更新の時期になって慌てるということにもなりかねません。
②現場によっては単純作業になることもありうる
派遣社員は正社員のサポートをすることも多く、指示を受けて動くことも多々あります。
このような状況に慣れてしまうと、自分で考えることがなくなってしまいます。
その方が気楽だ、と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、指示待ちの状態のままでは、独立したエンジニアとして成長することはできないでしょう。
③同じ職場に居続けても給料アップを見込めない
正直、派遣社員として同じ職場で働き続けても、時給アップを期待することは難しいです。
ネットワークエンジニアの場合、特に監視・運用フェーズにおいてこの傾向があります。
ほとんどの場合、派遣社員に割ける人件費予算が決まっていることが挙げられます。
正社員は会社から資格取得に関する補助金や奨励金、給料アップが望めますが、派遣社員はそのような恩恵を受けることはできません。
未経験なら派遣社員がおすすめ【優良派遣会社3社を厳選】
未経験からネットワークエンジニアになるためには、派遣会社選びは本当に重要です。
この章では、「大手企業へ就業できる派遣会社」や「未経験からでも高時給で働ける派遣会社」を厳選してご紹介します。
①時給で選ぶ『マンパワー』
運営会社 | マンパワーグループ株式会社 |
---|---|
求人数 | 約19,000件 |
募集職種 | 事務職、コールセンター、営業、販売、サービス、IT、Web、クリエイティブ、映像、医療、介護、福祉、製造、物流、軽作業など |
求人掲載エリア | 全国47都道府県 |
『マンパワー』で就業するメリットは「時給が良い」ところです。
派遣会社のマージン率が他社に比べて低く、その分登録者の手取りが高くなっています。
また、応募してから採用までの期間が短く、私自身も約1週間で採用が決定しました。
②とにかくネットワークエンジニアになりたい人向け!『リクルートスタッフィング』
運営会社 | 株式会社リクルートスタッフィング |
---|---|
求人数 | 約8,300件 |
募集職種 | オフィスワーク・事務、金融、営業・販売、テレマーケティング、メディカル・バイオ、クリエイティブ、IT・技術など |
求人掲載エリア | 全国47都道府県(北陸以外) |
『リクルートスタッフィング』は業界最大手ということもあり、案件数が豊富です。
最初からエンジニアに挑戦するのは不安、という方でもヘルプデスクなどエンジニアに近い業種の事務から始めるといったことも可能です。
③キャリアにこだわりたい人向け!『パーソルテクノロジースタッフ』
運営会社 | パーソルテクノロジースタッフ株式会社 |
---|---|
求人数 | 約3,900件 |
募集職種 | ITシステム開発エンジニア、PMO・SEアシスタント、セキュリティエンジニア、WEBデザイナー・コーダー、WEBマーケティング・SEO・SEM、機械系エンジニア、電気・電子系エンジニア、化学・材料系エンジニア、設計・CADオペレーションなど |
求人掲載エリア | 全国47都道府県 |
『パーソルテクノロジースタッフ』はエンジニア専門の派遣会社で、大きな特徴として資格取得支援制度があります。
営業担当者からのアドバイスやサポートも充実しており、キャリアアップに手厚いサービスのある派遣会社です。
未経験からネットワークエンジニアになるための3つの注意点
未経験から派遣社員として就業するためには、就業先の面談を通過しなければなりません。そのためのポイントを3つご紹介します。
①コミュニケーション能力をアピールする
採用人事担当者が最初に判断するのが、コミュニケーション能力です。
具体的には、質問に対しての受け答えが十分か、順序立てて話をすることができるか、などといった、一緒に仕事を進める上で最低限身につけていてほしい能力を指します。
その場しのぎで対応できるものではないので、事前にシミュレーションしておくとよいです。
面談で緊張してしまうのはよくあることですが、落ち着いて臨むようにしましょう。
②目的意識をはっきり持つ
ネットワークエンジニアになりたい理由を、自分の中で明確にしておいた方がよいです
「お金を稼ぎたい」という理由でも私はよいと思います。
ネットワークエンジニアは大変な部分もありますが、やりがいも高い給与も十分に期待できる職種です。
明確な目的意識がないと、面談時の自己アピールも相手に伝わりにくいでしょう。
また、無事採用となっても何のために仕事をしているのかわからなくなってしまいます。
③ITスキルをアピールする
余裕がある人は、資格取得しておくことをオススメします。
ネットワークエンジニアとしては、CCNAを取得できていればベストです。
未経験者の人は、MOSやITパスポートがオススメです。
ネットワークエンジニアの現場ではOfficeの中でもExcelを使用する場面が多いので、最低限Excelは使えるようにしておくと後々楽だと思います。
まとめ~派遣なら未経験からネットッワークエンジニアを目指せる!~
「未経験でチャレンジ可能!ネットワークエンジニアという仕事」をご紹介しました。
ネットワークエンジニアの仕事内容がどういったものなのか、どうしたら仕事に就くことができるのかについてお伝えしましたが、未経験でもやる気次第で十分にチャレンジすることができるのが、ネットワークエンジニアです。
また、派遣社員だからこそ、自分のペースでキャリアアップも目指すことも可能です。
現役のネットワークエンジニアの私も、日々スキルを高めながら自分らしく働くことができています。
今回の記事を読んで、ネットワークエンジニアという職種に興味を持っていただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。