年越し派遣村ってどんなところなの?そういう村があるの?
簡単に言うと、2008年のリーマンショックを契機に派遣切りがあって、その人たちを受け入れるところですよ。
年越し派遣村はかつて非正規雇用者たちを受け入れる場所として、約10年前にできました。
現在は無くなっていますが、今後実施する可能性もあります。
ましてや派遣切りや雇い止めが進み、ネットカフェも休業している今、「派遣村が復活するのでは?」との声もあります。
今回は年越し派遣村がどんなところだったのか、コロナが蔓延するなか2020年は派遣村を実施するのか、詳しく解説していきます。
年越し派遣村とは?
2008年9月に起きたリーマンショックをきっかけに派遣切りが横行し、多くの派遣社員が突如仕事を失ってしまいました。
そこで各労働組合やNPOらによって結成された実行委員会が、東京都千代田区の日比谷公園に開いた村を「年越し派遣村」といいます。
派遣社員やその他失業者を支援するために、食事は寝泊まりするスペースを用意したものです。
開村期間は2008年の12月31日〜2009年1月5日までで、1週間程度開かれました。
日比谷公園の場所↓
年越し派遣村にきたのはどんな人?
年越し派遣村に入村した人は、主に製造業の派遣・請負労働者でした。地元を離れて工場での仕事に就き、会社で寮に入居する人も多かったです。
そんな彼らが派遣切りによって寮から追い出され、住まいを失うかたちになりました。
まるで使い捨てように切り捨てられてしまったんです。
わざわざ地方から上京した方も多いのに、ある日突然今まで当たり前のように住んでいた家がなくなるなんて、これほど悲しいことなんてありませんよね…。
年越し派遣村の村長っているの?
年越し派遣村には村長がいます。名前は「湯浅 誠(ゆあさ まこと)」さんという方です。
当時は特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長を務めていました。
現在は東京大学の特任教授として活躍されています。
非正規雇用者の住居問題は今もなお続いている
年越し派遣村によるセーフティネットの構築ありましたが、今でもなお非正規雇用者の住居問題はついています。
なかでも最近よく取り沙汰されるのがネットカフェ難民によるもので、その名の通りインターネットカフェに寝泊まりしている人たちを指します。
そのなかには派遣労働者が派遣切りに遭って利用する方も多く、ネットカフェの不衛生な環境で今も住み続けているんです。
2020年は新型コロナウイルスのせいで派遣村は開けなくなる!?
東京都を中心に今もなお蔓延し続けている新型コロナウイルス。緊急事態宣言も相まって、今は派遣社員にとってかなり危機的状況です。
3密やソーシャルディスタンスのことも考えると、「2020年中になかなか派遣村は開けなくなるのでは?」との声が上がっています。
そのため今は派遣社員を含めた非正規雇用労働者らと、どのようにして繋がっていくべきか課題となっているんです。
※3密:新型コロナウイルスの感染拡大に際して、避けるべき空間を指し示す言葉。具体的には「密集」「密接」「密閉」の3つで、感染拡大の防止に向けて全国民に協力を仰いでいます。
※ソーシャルディスタンス:新型コロナウイルスの感染拡大に際して、他者との取るべき距離を指します。具体的には2m以上の距離を取るようにとされています。
「ゴールデンウィーク中に年越し派遣村のような対策」をすべきとの声も
コロナの影響で日本では給付金10万円やら、ネカフェ難民向けの施設を用意するなど、遅いペースではありますが対策が進んでいます。
なかには「ゴールデンウィーク中に年越し派遣村みたいな緊急対策が必要ではないか」との声も上がっています。
給付金10万円を受け取るのに時間はかかりますし、東京都内ではカップ麺を盗んでしまうくらい、生活に追い込まれている人だっているんです。
非正規雇用者に対する措置がまだ少ないため、迅速な対応が求められています。
開くにしても配布方法に工夫が必要
未だにコロナの勢いはとどまることを知りません。
派遣村を開いて非正規雇用の方たちを支援すべきではありますが、上述の通り感染拡大を懸念して実施にはなかなか至りません。
炊き出しや物品を配布するにしても、濃厚接触を引き起こさないように、何かしらの工夫がないと厳しいですね…。
まとめ~年越し派遣村について考える~
今回は年越し派遣村について詳しく掘り下げてきました。
昨今は新型コロナウイルスの関係もあって、なかなか物事が思うようにいかない状況です。
派遣切りや雇い止めは横行し、働けても派遣社員のテレワークはできず、頼りのネットカフェが休業、そして年越し派遣村が開かれないかもしれないワケで、派遣労働者にとって今はかなり負の時期です。
「年越し派遣村を開くべきだ」との声も上がっていますが、3密を避けるには開催はかなり難しいです。
常に「自分自身が感染しているかもしれない」「誰かにうつさないように外出は自粛しよう」との考えを持って、今できることをしていきましょう!