バイト・派遣で働く方なら誰でも、下記のような環境で働けたらと思いますよね。
「時給は高い方がいいな」
「もっとお金がほしい」
「時給は高いけど、無理なく働ける職場がいい」
派遣で働ける職種は様々ありますが、なかでも派遣保育士は時給が高いことが特徴です。
実際、SNSでは下記のように派遣保育士の高額時給に魅力を抱く人が。
現在派遣の保育士なのですが、
求人を見ると結構高時給なものが増えてきていて、時給1500円~1600円とか、高いと時給1700-1800円とか出てくる時もあります。
今まで私が見た最高時給は2000円でした。
ボーナス無し、雇用が安定しないというデメリットはありますが、
— ぴ(*・8・*)よ (@piyo___hiyoko) March 15, 2021
派遣保育士の時給はなぜ高いのか。
正規職員との違いはどれくらいあるのか。
派遣保育士ってなんで時給が高いの?
本記事で、派遣保育士の時給や、派遣のメリット・デメリットを解説します!
派遣保育士で働こうと考えている方は参考にしてください!
保育士の時給の現状
派遣保育士・パートの場合、時給制で給料をもらいます。
正職員・常勤なら、月給制です。
時給換算で考えた場合、正職員と派遣にどのくらいの差があるのでしょうか。
雇用形態ごとに見ていきます!
正職員・常勤
まずは正職員・常勤です。
内閣府が発表している、「2019年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査について」の資料に、保育園で正職員として働く方の平均月収が記載されています。
資料によると、私立保育園勤務の場合、平均月給は30万1,823円です。
1日8時間勤務・月に22日間勤務・残業時間10時間で時給換算すると1622円。
シフト制で職員の勤怠管理をおこなう保育園があるため、休日数・曜日は平日と土日を混ぜた組み方が取られています。
非常勤
非常勤は、契約社員や正職員以外の嘱託職員を指します。
上記の正職員で見た同じ資料にも、非常勤の平均月給が記載されており、18万7816円です。
非常勤だと、正職員に比べ労働時間が短くなることが一般的。
正職員が8時間労働なら、非常勤は6時間程度となります。
1日6時間・月20日勤務と考えると、時給は1,565円に。
正職員に近い待遇や条件となる一方で、正職員ほど仕事に関する責任を負わないのが非常勤の特徴ですね!
パート
パート保育士は、アルバイトに近い雇用形態です。
パートだと、園によって時給額に幅が生じます。
実際に募集されている求人を例に挙げます。
例えば、外苑前にある「港区放課GO→クラブあおやま」が募集しているパート講師は、時給1050円。
対して、六本木一丁目にある「グローバルキッズ アークヒルズ園」が募集しているパート保育士は、時給1200円スタートです。
18時から閉園までの時間帯になると、1,500円にまでアップします。
保育園や勤務時間によって、時給額が変動しますね。
お金や勤務地など、自分の希望条件に合った保育園を探しましょう!
派遣
派遣保育士の場合、雇用主・給与の支払先は登録している派遣会社です。
パート同様、時給は派遣会社により異なります。
例えば、株式会社シグマスタッフが募集している文京区内の求人。
1日6時間・週29時間以内での勤務となりますが、時給は1800円です。
上記の正職員の時給換算額1,622円より178円高く、非常勤の同額1,565円より235円高い金額です。
ボーナスはないですが時給換算で考えると、正職員・非常勤より高待遇で働けます。
派遣保育士の良さですね!
時給が高いのは派遣ならでは!
上記で目にした、正職員・非正規・パート・派遣の時給例を表でまとめると、以下のようになります。
雇用形態 | 時給額 |
---|---|
正職員・常勤 | 1622円 |
非常勤 | 1565円 |
パート | 1050円~1500円 |
派遣 | 1800円 |
派遣保育士が高い時給な理由2つ
上記求人を例に見たように、派遣保育士は高時給で求人の募集がかかっています。
なぜ、派遣保育士の時給は高いのでしょうか。
保険の有無や、保育業界の抱える問題が関係しています。
一つずつ見ていきましょう!
社会保険費用が不要だから
派遣の場合、社会保険はかかりません。
社会保険は、正社員なら誰しもが加入する保険制度。
具体的には、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」です。
社会保険は、会社が15%程度負担し、残りを社員が給与から天引きの形で支払う形をとっています。
派遣の場合、正社員ではないので会社が派遣職員分の社会保険費を負担する必要がありません。
社会保険分がない分、保育園の運営元は時給を引き上げて、派遣で人材確保に努めようとしていますね!
正職員が不足しているから
保育園が、時給を上げてでも派遣保育士の確保に躍起となる要因として、人材不足があります。
厚生労働省が2020年8月に公表した、「保育士の現状と主な取組」に人材不足の実態が浮き彫りになっています。
「有効求人倍率」をご存知でしょうか?
仕事を探している人1人に対し、どのくらいの仕事数があるのかを示した数値です。
2020年5月時点で、全職種の同倍率は1.10。
求職者1人につき、仕事が1つある状況を指します。
保育士に絞った同倍率は、2.18です。
求職者1人に対し、仕事が2つ以上ある状態ですね。
「1人を雇っても、もう1人採用する余地がある」
「仕事を募集しても、応募者が来ない」
「職員が慢性的に足りていない」
上記の状況に、各保育園が陥っています。
ピークは2020年1月の3.86でした。
当時と比較すると、多少なりとも人材不足は解消されていますが、依然として問題解決には至っていません。
派遣保育士のメリット
スタッフ数の少なさにあえぐ保育業界ですが、派遣保育士にはどのような利点が存在するのでしょうか。
上記でお伝えした、時給が高いことも一つですね。
他にも、仕事面で正職員と比べた時の違いやメリットがあります。
具体的に解説します!
業務責任が少ない
派遣保育士は、正職員と比べ、業務に関する責任が軽いです。
正職員だと、クラスを受け持って数十人の子供を見守ったり、保護者との日常的な連絡など多岐にわたる仕事があります。
事務作業もあり、現場以外での仕事も抱える正職員。
対して、派遣保育士はクラス担任を務めません。
仕事量が少ないのはいいかも!
クラスを担当する正職員の補助的役割として、仕事をサポートするのが役割となります。
負担が重いクラス担任の仕事を外れつつ、高い時給で働けるのは派遣保育士の魅力ですね!
希望条件に合致したところを見つけやすい
希望条件に合致した求人があることも、惹かれるポイントの一つです。
上記で見たように、派遣保育士の時給は高い求人だと2000円近く。
正職員より高くなる場合もザラです。
希望条件に沿った求人が見つかります!
時給以外にも、立地・勤務時間・週の労働日数や駅からの距離など、幅広い働き方ができる勤務地を選びやすくなります。
常に人材不足に悩む業界とあって、求職者は美味しい条件で仕事を探せますね!
あなたの理想の職場を考えて探してください!
条件に合わなければすぐに転職できる
いざ希望条件通りの職場が見つかって働き始めても、転職しやすい環境もメリットの一つです。
時給がよくても、実際には時給だけで働きやすさは決まりません。
職場の同僚・園長先生達との人間関係、事前に言われていた労働時間と違った・・・。
働いてみないとわからない問題が浮上します。
嫌なことがあると、「やめたい」と思いますよね。
上記の有効求人倍率で目にしたように、保育士業界はどの保育園も職員の数が足りていません。
今の職場をやめても、引く手あまたの市場なので次の職場が見つかる可能性は高まります!
転職のしやすさもメリットですね!
派遣保育士のデメリット
業務量の少なさ・希望条件との合致確率の高さ・転職のしやすさが派遣保育士のメリット。
対して、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
時給換算では正職員よりよくても、年収面で見ると大きな差があることなどが挙げられます。
具体的にみています。
スキルアップが見込みづらい
派遣保育士だと、スキルアップが望めないことが一つです。
上記で見たような、クラス受け持ちがないなど保育士としてのスキルが身につかない問題があります。
正職員になろうと中途採用試験を受けても、経験・スキル不足から不採用と判断されるおそれが。
派遣先が多くなり、履歴書への記入が増えるのも厄介です。
「非正規で働いてきたのか」
「今までやめすぎでは・・・」
「長続きしない人なのかな」
応募段階で、企業・運営元から低評価を受け、選考通過の確率が狭まる可能性があります。
派遣同士なら転職しやすくても、キャリアアップを見込んだ転職が難しくなる問題を抱えることを覚えておきましょう。
派遣会社によっては希望条件に合わないことがある
派遣会社次第では、希望条件とそぐわない求人を掲示されるおそれもあります。
上記で見た、高時給の求人はあくまで一例。
実際はすでに求人募集を締め切っていても、不人気の求人を紹介するため、「釣る」効果を期待して求人を掲載したままにしている可能性が。
掲載求人を派遣会社に問い合わせても、時給が低い・通勤時間が長いといった希望に合わない条件で募集している求人をオススメされるおそれがあります。
派遣会社の口コミや実績など、慎重に判断した上で選ぶことが大事ですね!
安定した収入がもらえない
安定した収入が見込めないこともデメリットです。
派遣だと、社会保険がない代わりに時給が高くなる傾向はありますが、ボーナスはもらえません。
月単位で働き続けた結果、正職員の月給より高くなっても、ボーナスで差をつけられます。
ボーナスがないのはつらい・・・。
保育園や勤続年数により異なりますが、1か月分~数か月分の給与がもらえるボーナス。
生活費や貯金に回し、年間での収入を増やすことにつながります。
派遣は、正職員がボーナスをもらっているのを眺めるだけ。
ボーナスが欲しければ、正職員になるしかありません。
職場で時給に差が生じる?
派遣保育士のデメリットをお伝えしました。
年収面ではどうしても正職員に敵わないこと、キャリアアップへの不安、条件面で合わないリスクの発生がありましたね。
派遣保育士は時給が高いですが、職場により違いはあるのでしょうか。
公立・私立・院内・企業内の4項目に分けてご紹介します!
公立保育園
公立保育園の運営元は、各行政です。
働いている正職員は、公務員となります。
練馬区が公表している「練馬区人事行政の運営等の状況の公表」に、練馬区で働く保育士の平均年収が記載されています。
同資料によると、保育士の平均年収は692万1269円。
1日8時間・22日勤務・10時間残業で時給換算すると、時給は3,100円。
公立の保育園は高待遇ですね!
公立保育園の保育士は私立と比べ待遇の良さが特徴です。
人気な分、採用試験の倍率も高く、民営化も進んでいることから今後採用がますます難しくなります。
派遣でも高い時給が期待できますね!
私立保育園
一般的に世の中に多く存在している私立保育園。
求人サイトで募集されている保育園も、私立であることが大半です。
楽天リサーチがまとめた「保育士に関する調査」に、私立保育園の保育士の給与事情が明らかになっています。
同調査結果によると、私立保育園で働く保育士の平均年収は296万円。
月額24万円程度になります。
上記と同じ「1日8時間・22日勤務・10時間残業」で時給を計算すると、時給は1,326円。
先ほどの公務員と比べると、半分近い時給に下がりましたね。
私立より公立の方が高いことがうかがえます。
院内保育園
院内保育園は、病院内で運営している保育園を指します。
例えば、株式会社ピノ―コーポレーションが募集している練馬区の病院内保育の求人(正職員)の場合、月給は24万円~31万円。
先ほどの条件で時給を計算すると、時給は1,290円~1,666円。
私立よりは高くなりますが、公立にはおよびませんね。
派遣でも、同じ時給がうかがえます。
企業内保育園
企業内保育園は、各民間企業が子供を社内で預けて働いてもらうことを目的に運営されている保育園です。
例えば、株式会社アイグランが募集している正職員の場合、給与は20万3000円からスタートとなっています。
時給換算すると、1091円。
公立・私立・院内より安めですが、企業により金額は異なります。
企業によっては高待遇の求人もあります!
景気次第では、保育園自体を縮小・閉園する場合も。
時給が減ったり、仕事がなくなるおそれも考慮しておきましょう。
公立・私立・院内・企業内といずれも正職員の求人をもとに時給計算しましたが、軒並み派遣でも似た時給の傾向である可能性があります。
以下は上記の時給額を整理した表となります。
保育園の種類 | 時給額 |
---|---|
公立保育園 | 3100円 |
私立保育園 | 1326円 |
院内保育園 | 1290~1666円 |
企業内保育園 | 1091円 |
まとめ~派遣保育士の時給解説~
本記事では、派遣保育士の時給について紹介しました。
実際に掲載されている求人をもとにした派遣の時給や、高くなる理由、職場ごとの時給を見ていきましたね。
自分の希望条件に合った求人を紹介しているかどうか、派遣会社を見極めた上で派遣保育士での仕事を頑張りましょう!