2020年1月頃から、中国を起点に流行し始めた新型コロナウイルス。
感染力の強さから、ウイルスはアジアだけでなく世界中に蔓延し、世界保健機関のWHOは「パンデミック状態にある」と発表しました。

コロナが心配です・・・。
日本にもコロナ禍の影響が及び、同年4月に政府は「緊急事態宣言」を発令。
飲食店・商業施設等のお店に対する営業自粛をはじめ、国民にも外出自粛を呼びかけました。
各民間企業では、在宅勤務を求めるなどの対応に迫られる事態に。
子供を預かることを事業内容とした保育園で働く派遣保育士に、どのような影響が出たのでしょうか?
業務量の負担増加や、給料の問題が見られました。
具体的に見ていきましょう!
コロナが派遣保育士に与えた影響
まずは、コロナ禍が派遣保育士に与えた影響から。
飲食店は営業自粛・時短を求められ、閉店や赤字に陥るお店が出てきました。
バイトで雇われている店員は、シフトを減らされ収入が減少。
店長も、お店を存続させるかどうかの決断に迫られています。
保育業界も、コロナ禍の影響がみられました。
業務負担の増加が主ですが、中には意思疎通の問題も。
福祉の人材サービス会社・株式会社ニッソーネットが派遣保育士を対象におこなったデータをもとに、実態を紹介します。
コロナで保育スタッフが微減
保育業界は、コロナ禍前から人手不足が叫ばれている業界。
同社がおこなった調査では、約8割がコロナ前と比べスタッフ数は「変わらない」と回答。
増加は0%に終わっています。
対して、微減が2割弱。

コロナがきっかけで辞めてしまう人も・・・。
コロナの感染拡大に伴い、詳述する業務負担の増加が、離職につながった可能性があると同社はみています。
どの業界も厳しい問題に直面し、人員削減をする会社もある現在。
スタッフ数に変化が見られないことは、コロナ禍でも保育業界はリストラ等をおこなっていないと言えますね!
レクリエーション・イベントが延期・中止になった
コロナ前と比べ、一番変化が起きたのは対面によるイベントが延期・中止になったことですよね。
保育園でも、例年であれば遠足や野外活動等のレクリエーション・イベントをおこなっていました。
コロナに伴い、いずれも延期・中止の事態に。
「密接・密着・過密」のいわゆる「3密」状態だと、感染リスクが高まることは政府・国が口ずっぱく注意喚起していることからもわかります。
消毒やマスク着用等の対策を取っていても、感染してしまう人も。
人が混雑する場所に行くことを避けるため、屋外活動を控える保育園が増えていることが判明していますね。
除菌・消毒作業等の感染対策のための業務が増えた
感染拡大で、除菌・消毒は習慣になりました。
コンビニ・飲食店など普段私たちが利用するお店で、入店前に「手の消毒をお願いします」と店員から求められますよね?
保育園でも同様に、入園や屋外から戻った時などに消毒するルーティーンが生まれました。
感染リスクを減らすことにつながっていますが、問題はスタッフ側の負担。
園内にアルコール液剤をどの程度置いているのか、残量はどれくらいなのか。
不足すれば補充する必要があり、発注作業も生じます。
コロナ前から忙しい保育士の仕事量に、コロナ禍で新たな仕事が生まれたことで負担が増した現実がありますね。
マスク着用で、子供とのコミュニケーションが取りづらくなった
マスク着用も、感染対策の基本。
口から出る飛沫を他人にかけることの防止や、他人からの飛沫を防ぐ効果が期待できます。
感染リスクを減らせる一番期待ができる対策ですが、問題も。
口元・鼻を隠すことになるので、顔が見えづらくなることです。
顔が見えないと、誰なのか認識することが難しくなりますし、マスクで口元が覆われているのでコミュニケーションもしづらいですよね。
小さい子供にマスクを着けさせると、呼吸困難等のリスクが生じる懸念から着用を控えますが、大人は着けることに。
子供が職員を認識できない問題がありますね。
他スタッフの勤務時間の減少で負担が増えた
シフト体制を取っている保育園の場合、普段よりスタッフの数を絞って業務をおこなう園もあります。
通常より少ないスタッフ数で業務を回すため、出勤中の保育士に負担がのしかかる形に。

仕事が増えて大変・・・。
保護者が在宅勤務となれば、子供を預ける必要がなくなるため一日の園児数が少なくなるメリットはあります。
保育士からすると、見守る子供の数が減るので負担は減ります。
従来の仕事は多少少なくなっても、コロナ前からあった掃除・コロナ禍で生まれた消毒液の補充等の新しい仕事や、保護者と連絡のやり取りが生じ、出勤スタッフにしわ寄せされる状態に。
休業手当が出ず、生活が苦しくなった
上記で説明したように、コロナの影響で出勤スタッフを絞った事情などから仕事を休まざるを得なくなった保育士がいます。
例えば、緊急事態宣言の発令に伴い、出勤日を減らされた保育士。
減った分の休業手当について、保育所と派遣会社に説明を求めると、「全額は払えない」と言われ、収入が減りました。

生活が苦しくなりました・・・。
国は休業手当を全額出すよう、認可保育園に対して求めていますが、園側が対応せず保育士の生活が圧迫する事態が起きています。
保育士でコロナ症状が出た場合の対応
上記で、保育業界にコロナが与えた影響について説明しました。
消毒剤の対応をはじめ、コロナ禍で生まれた新たな仕事など、業務量の増加が問題視されています。
保育士がマスク着用や消毒といった感染対策を施しても、感染するケースも。
感染した場合、保育士と保育園はどういった対応を求められるのでしょうか。
東京・青梅市内にある認可保育園・駒木野保育園が発表している対応策を例に挙げます。
出勤をしない
コロナと思われる症状が保育士にある場合、出勤をしないことを求めます。
「37度程度の熱がある」
「身体が重い」
「喉や味覚に違和感がある」
コロナ感染の兆候は人それぞれですが、上記のようなものがありますよね。
症状があった保育士が出勤し仕事中であれば、帰宅措置を。
事前に受診希望の連絡をした上で、医療機関への受診を求めます。
どの病院も、感染拡大を防ぐためコロナと疑われる症状がみられた場合は、受診希望者に事前連絡をするよう促しています。

無理なく休みましょう!
実際に病院に行ってから、受付で「コロナっぽい」といえば病院側も適切な対応をしてくれるので安心ですよね。
検査対象者になればPCR検査
病院で医師の診断結果のもと、「コロナの可能性が高い」と判断されれば、PCR検査を受けることになります。
PCR検査は、検査したいウイルスの遺伝子を、薬液を使って検出させる検査方法。
コロナが流行りだしてから、ニュースで毎日のように耳にする言葉ですよね。
具体的な検出方法は、口内の唾液や、綿棒を使い鼻からぬぐい液を取る手法です。
検査をしてから数日以内に結果が出ます。
結果が出るまでは、自宅待機をし外出は控えるよう求められます。
陽性判明なら濃厚接触者の調査
PCR検査の結果、「陽性」と判断されると、コロナに感染していたことになります。
自宅待機やホテルでの隔離生活をし、仕事も休むことに。
本人以外にも、感染後の対応を迫られる人がいます。
「濃厚接触者」です。
コロナ感染者が感染と判明する前、ともに行動していた人たちを指します。
具体的には、車内・航空機などで長時間の接触があったり、体液などに触れていた可能性がある人、マスクなしで15分以上の接触があった人。
感染者の行動履歴を振り返り、濃厚接触者に該当する人がいなかったかの調査に移ります。
調査の結果、いた場合は濃厚接触者に該当する連絡が届くことになりますね。
休園措置
保育園で働く保育士に感染が判明すると、休園措置を取ります。
駒木野保育園の場合、7日間休園することに。
濃厚接触者と認められなかった、ほかのスタッフも仕事を休まざるを得なくなります。
園側も、子供の受け入れを一時停止する対応に迫られますね。
自宅待機や経過観察を経たのち、7日間の休園を経て開園します。
濃厚接触者がいない場合は休園しません。
感染者確認から14日間は、在園児・ほか職員の健康状態の把握も必要になりますね。
在園児の保護者に連絡
PCR検査の結果、職員の間で感染者が判明すると、在園児の保護者に連絡することも迫られます。
職員の行動履歴や、濃厚接触者の有無、休園・開園時期など過去から現在、今後の流れについて説明をすることに。
保護者の不安を取り除くための相談にも乗りますよね。
保護者によっては、クレームや怒りの声をぶつけられることも。
真摯な対応と姿勢で、保護者への理解促進とサポートが必要になります。
施設消毒
感染者が見つかると、施設内の消毒作業もおこないます。
ドアの解錠部分やドアノブ、机・椅子、蛇口・・・。
人が手で触る個所を徹底的に消毒することになります。
消毒剤も、手で押すスプレー型であればプッシュ部分を消毒しますし、少なくなれば補充・発注もすることに、
除菌シートを使い、細かいところを拭くといった作業もあります。
施設全体の消毒をする園だと、消毒だけで一日が終わる可能性が。
施設消毒は大変骨が折れる作業ですね。
感染者と保護者のプライバシーに配慮した情報提供
感染が判明しても、すべての情報を公開しません。
感染者・保護者のプライバシーに配慮した情報提供の体制を取ります。
ネット社会の現代。
マスコミが報道することで、ネットユーザーたちによるコロナ感染者の身元のあぶり出しや、差別・中傷といった問題が起こりやすくなります。
本人だけでなく保育園のほか職員・保護者・児童への二次被害も防ぐ観点から、該当機関へ適切ながらプライバシーに配慮した情報のみを提供することが求められますね。
派遣会社が派遣保育士に求めている注意喚起
派遣保育士は、登録した派遣会社から働く保育園を指定され仕事に向かいます。
派遣会社も、自社に登録した保健師に対し求めていることがあります。
会社により細かい対応が異なる場合がありますが、派遣保育士の方なら共通する部分も多いのでポイントをおさえておきましょう!
予防対策の周知徹底
コロナに感染しないため、予防対策は必須となります。
普段からマスクを着けることや、人が行きかう場所での消毒・除菌を習慣的におこなうよう求めます。
派遣会社に限らず、プライベートにおいても遊びや宴会・飲み会への参加を控えるよう促す会社もありますね。
子供や保護者と接することが当たり前の保育士は、徹底した感染対策が必要。
派遣会社から届いたメールのうち、感染対策について記述しているものがあれば目を通すようにしましょう!
勤務前の体温検査の推奨
勤務が始まる前の体温を測るよう推奨している派遣会社もあります。
コロナ感染症状は人により異なりますが、平熱より高い熱がサインとなる傾向もみられます。
派遣会社だけでなく、他業界の民間企業の間でも取り入れている手法です。
具体的には、37.5度以上の熱。
身体が重く感じると、なんとなく「熱っぽい」と感じますよね。
出勤前など、自宅にいる間に熱を測ってから出勤をしましょう。
熱が出ている状態で出勤・仕事してもつらいですからね!
37.5度以上の熱がある場合は自宅療法
熱を測った結果、37.5度以上の熱が確認された場合は自宅で休みましょう。
まずは派遣会社・勤務先の保育園両方に連絡を。
熱が下がるまで、数日間の自宅待機を命じられることもあります。
一人暮らしの方で食材の買い出しなどが必要でやむなく外出する場合、マスク着用や必要最小限度の買い物にとどめるなど無理をしないことが大事です。
Uber EATSやAmazonなど、自宅にモノを届けてもらうことも一つの手。
体調回復を第一に、自宅で休みましょう!
4日以上の熱が続くなら相談センターに問い合わせ
37.5度以上の熱が4日以上続いた場合、コロナに関する各相談センターに連絡してみましょう。
相談センターは、各役所が提供している相談センターがあります。
自分の住む地域の役所HPに記載されている該当機関の連絡先から、連絡を試みましょう。
時間帯によっては、つながらない場合もあるので、時間を置いて再度電話することが必要です。
病院に直接行っても、事前連絡がないと受診を断られる可能性が。
病院にすぐ駆けつけようとせず、まずは相談センターで相談してから今後の流れを確認しましょう!
体調不良があれば会社に報告
熱があった場合の流れについてお伝えしましたが、少しでも体調不良を感じた段階で派遣会社に報告をしましょう。
「コロナかもしれない」と思うと、不安になりますよね。
電話でも、誰かと話すことで多少気持ちが和らぎますし、今後の流れについて教えてくれるので落ち着きを取り戻せます。
保育園への連絡も、派遣会社が代行してくれる場合も。
「身体がなんとなく重い」
「熱っぽい」
「喉が痛い」
少しでも体調不良や違和感を感じたら、派遣会社に連絡しましょう!
まとめ
本記事では、派遣保育士がコロナに感染した場合やコロナ禍の影響について解説しました。
消毒・除菌剤の補充・発注など新たな仕事が増えたのは、負担が大きくなりましたね。
コロナに感染してからの対応は、派遣会社・保育園により異なります。
登録先の派遣会社や勤務先の保育園に確認する必要があります。
なにより、感染対策を取ることがマスト。

感染対策がマストです!
日々、マスク着用や消毒を心掛けた上で、仕事に取り組みましょう!