派遣会社って個人情報をどんな感じで扱ってるの?
「個人情報取り扱いに関する方針」を設けて徹底管理しています!
派遣社員として派遣会社に登録するときや、派遣社員として働くときには、派遣会社や派遣先企業に個人情報を登録する必要があります。
しかし、近年急速に発達しているインターネットも相まって、個人情報の流出や漏洩が度々問題になっており、企業に大切な個人情報を渡すことに不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、派遣会社の個人情報取り扱いに関する方針から、個人情報流出事件の事例、個人情報の管理体制が行き届いている派遣会社の見分け方まで、詳しくご紹介します。
大切な個人情報を渡せる管理体制が整った派遣会社であること、そして安心して働ける職場を見つけるためにも、個人情報の取り扱いについてしっかりと見極めたうえで、派遣社員登録をおこないましょう。
派遣会社の「個人情報取り扱いに関する方針」
派遣会社に登録するときは、氏名や生年月日、職歴などを登録するのが一般的です。
ですが登録した個人情報が、派遣会社でどのように取り扱われているのか気になりますよね。
派遣会社の公式サイトには、個人情報に関する取り扱いについて細かく記載されていますが、なかなか細部まで読んでいるという人はいないのではないでしょうか。
派遣会社の個人情報の取り扱いに対する方針を簡単にまとめたので、順番に確認していきましょう。
個人情報の利用目的
派遣会社が個人情報を取得する目的は、派遣サービスの利用や緊急時の連絡、労働管理など業務上の利用が主な目的となります。
また、登録した個人情報の削除は受け付けているものの、個人情報取得のために利用した履歴書などは、返却の義務を負わないとされています。
個人情報の取り扱いについて
派遣会社が取得した個人情報は、本人の同意なしに第三者に開示されることはありません。
ただし法令に基づく場合や、会社の合併などにより事業が承継される場合など、例外的に本人の同意なしに個人情報が開示されることがあります。
上記のような例外を除き、基本的に無断で第三者に開示されることはなく、開示が必要な場合は本人への許諾を取る必要があるので、故意に個人情報が公開される心配はありません。
免責
次のような場合は、第三者に個人情報を取得されたとしても、派遣会社では責任を負えないとされています。
- 利用者本人が人材派遣サービスを通じて、企業に個人情報を開示した場合
- 利用者がサービスのサイトに入力した情報により期せずして本人が特定できた場合
- 利用者本人以外が利用者個人を特定できるIDやパスワードを入手した場合
派遣会社もセキュリティ対策には十分に注意を払っているものの、免責事項も設けられており、自分自身でも個人情報が流出しないように、情報の取り扱いには十分注意する必要があります。
個人情報の外部委託
派遣会社では、個人情報の一部または全ての取り扱いを、外部委託することがあります。
派遣会社によって責任の持ち方は異なるものの、外部委託するからといって委託会社に責任を丸投げするわけではありません。
機密保持契約を結んだ上で契約を行い、委託先に対して必要な監督を行うと記載している会社もあれば、委託先における情報の取り扱いについても、派遣会社で全ての責任をもつと明記している会社もあります。
派遣会社と個人情報の取り扱いを委託する外部委託先との契約は、それぞれの会社によって異なりますが、同様に第三者に無断で個人情報が公開されることはないので、ご安心ください。
個人情報の安全対策
個人情報への不正アクセスや情報漏洩、データ改ざん、紛失、破壊などが起きることがないよう、企業では情報の取り扱いについて安全対策がなされています。
また、個人情報保護マネジメントシステムが有効に働くよう、定期的に確認し、改善がおこなわれています。
派遣会社による個人情報流出事例を紹介
個人情報保護への危機管理意識が高まり、各企業でセキュリティ対策に力を入れていますが、残念ながら、個人情報の流出事件が起きていないわけではありません。
過去に起こってしまった派遣会社の個人情報流出・漏えい事件の事例をいくつかご紹介します。
従業員による個人情報流出
2017年、派遣事業を営む株式会社スタッフサービスの従業員が、個人情報を流出させる事件が起こりました。
流出したのは、登録者の氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどで、15,368人分もの個人情報が流出してしまいました。
また、それ以外にも企業名などの営業情報の流出も確認されました。
情報流出が発覚した経緯は、登録者からの連絡で、連絡を基に会社で調査をおこなったところ情報の流出が発覚したのです。
情報を持ち出した従業員は、自分で立ち上げた人材派遣会社の営業で使用する目的だったと供述しており、悪用目的ではなかったものの、情報流出事件へとつながったのです。
事件発覚後、従業員が会社から盗んだ個人情報を入れていたパソコンは、株式会社スタッフサービスが預かり、流出した情報の特定を行うとともに、データは全て消去されました。
従業員が情報を流出させ始めたのが2015年2月以降で、事件が発覚したのが2019年4月と、発覚までに約2年の時間がかかりました。
事件を受けて株式会社スタッフサービスでは、被害者にお詫びをするとともに、相談窓口を設置して対応をおこないました。
また、情報保護が不十分だったことを認め、セキュリティ強化や監視体制の強化、従業員教育の徹底を行い、現在も再発防止に努めるとしています。
不正アクセス事件
2019年には、株式会社ディンプルのホームページが、不正アクセスされるという事件が発生しました。
12万人分の個人情報の流出が疑われましたが、データが暗号されていたこともあり、第三者の専門調査機関による調査の結果、情報の流出は確認されませんでした。
最悪の事態には陥らなかったものの、株式会社ディンプルは不正アクセスを受けた事態を受け止めて、よりセキュリティの高いサーバーへ移行する措置をとりました。
また、モニタリングの強化やセキュリティ強化に加え、社内のセキュリティレベルの向上やルールの見直しなど、社内体制の強化にも努め、再発防止の対策を行っていくとしています。
個人情報は非常に価値のあるもので、紹介したように様々な形で個人情報を盗もうと企んでいる人がいます。
従業員など内部の人間によって情報が持ち出されてしまうこともあれば、不正アクセスのように外部から攻撃を受けることもあります。
大切な個人情報が流出されることがないように、派遣会社を選ぶときは、個人情報の管理体制が整っている会社を選べるよう、十分に検討しましょう。
個人情報の管理体制が整っている派遣会社の特徴
派遣会社を選ぶときは、個人情報の管理体制を必ず確認しなければいけません。
個人情報の扱いが雑な派遣会社に登録してしまうと、情報流出のリスクが高くなってしまいます。
個人情報の管理体制が整っている会社の特徴を紹介するので、派遣会社を選ぶときの参考にしてください。
①プライバシーマークを取得している
プライバシーマークとは、個人情報が適正に扱われていると認められた企業だけが使用できるマークのことです。
日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステムー要求事項」の認定基準を基に、第三者機関によって審査が行われます。
プライバシーマークを取得している場合は、会社のホームページに記載があるので、登録会へ行く前に一度チェックしてみましょう。
プライバシーマークは、一度取得すれば永遠に使用が認められるわけではなく、取得から2年ごとに更新が必要となります。
さらに、一度取得しても情報漏洩などの問題が起きたり、個人情報が適切に管理されていないと判断されれば、プライバシーマークは剥奪となります。
プライバシーマークの剥奪を受けてから1年が経過すると、再取得することは可能となっています。
ただし、プライバシマークの取り消しや一時停止となった場合は、一定期間、一般財団法人日本情報経済社会推進協会 (JIPDEC)のホームページに掲載されることになるので、そこで過去に問題が起きたかどうか確認することができます。
②SSL送信をおこなっている
個人情報の入力やメールでのやり取りなど、大切なデータの管理をインターネット上で行うことは珍しくはありません。
通常、インターネットでのやり取りは暗号化されずに行われるため、対策を行わないと内容を盗み見られたり、データを改ざんされる恐れが高まります。
SSLとは暗号化通信のことで、SSL送信を行うことでインターネット上でやり取りするデータを暗号化することができ、データを悪用されるリスクを低減できます。
③個人情報取扱同意書がある
個人情報保護法により、個人情報は本人の同意なしに利用できないと規定されています。
口約束での同意も問題なわけではありませんが、証拠が残らず、万が一のときにトラブルに発展してしまう可能性があります。
確実に同意を得たという証拠を残すためにも、書面でのやり取りをおこなうのが登録者に親切なやり方です。
登録を行う際に、個人情報取扱同意書が書面で用意されているのかどうかを必ず確認しましょう。
同意書がない場合は、担当者に個人情報の取り扱いについて確認してみてください。
④スタッフの情報管理体制がしっかりしている
社内のスタッフが情報を漏洩させたという事例もあるように、セキュリティ対策を万全にしていても、情報管理の認識が甘いスタッフがいると、情報漏洩の可能性は高まってしまいます。
例えば、登録を行う際の書類の取り扱い方など、気になる点がないかスタッフの対応もしっかりと確認しましょう。
個人情報が記載された書類を机の上に置いたまま席を外したり、第三者が容易に書類の内容を見ることができるような場所に書類を放置するようなスタッフがいると、警戒した方が良さそうです。
個人情報の取り扱いが安心なおすすめの派遣会社
最後に、個人情報の管理が信用できるおすすめの派遣会社をご紹介します。
テンプスタッフ
2002年にプライバシーマークを取得しているテンプスタッフは、積極的な個人情報の保護に努めている大手派遣会社です。
取り扱う業種が幅広く、募集案件もたくさん扱っていることから、派遣登録を希望する人も多いのが特徴で、その分膨大な個人情報を取り扱っていることになります。
公式ページにも、個人情報の取り扱いや方針について詳細に明示されているため、気になることがあればすぐに窓口に問い合わせすることも可能です。
テンプスタッフの個人情報の取り扱いについての記載はこちらから確認できます。
派遣会社の個人情報の取り扱い方も考慮しよう
今回は、派遣会社の個人情報の取り扱い方法について、ご紹介してきました。
過去に、個人情報の流出事件があったのも事実ですが、最近は企業の信用度に関わる問題なので、多くの企業で個人情報の保護に対する管理体制を強化しています。
派遣会社任せにするのではなく、自分自身でも個人情報についてはしっかり管理する気持ちを忘れないようにしましょう。
派遣登録時に、書類での個人情報取扱同意書を提示しない派遣会社や、スタッフの情報の取り扱い方が雑だと感じた場合は、その派遣会社を利用するのか慎重に判断した方が良いでしょう。