新型コロナウイルスによる影響は計り知れず、上場企業の早期・希望退職者募集が100社に達しようとしています…。
赤字リストラを実施する企業は急増しており、募集者数はリーマンショック後の2009年(191社)に次ぐ数字です。
なお2020年12月25日現在で早期・希望退職者をもっとも多く募ったのは日立金属株式会社(1,030人)で、次点でレオパレス21(1,000人)となりました。
その他にも大手・中小関係なく固定費圧縮や構造改革を迫られており、人員削減を余儀なくケースが多いんですよね…。
今回はコロナの影響で早期・希望退職者を募った上場企業を、業界別で紹介します。
【業界別】早期・希望退職者を募った上場企業【2020年12月最新版】
2020年でコロナの影響を受け、早期・希望退職者を募った主な業界は以下の通りです。
業界名 | 企業名 | 募集期間 | 募集人数 |
---|---|---|---|
メーカー・製造業界 | コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社 | ~2020/12月末日 | 900人 |
三菱自動車工業株式会社 | 2020/11/16~11/30 | 550人 | |
株式会社ミツバ | 2020/8/24~9/11 | 500人 | |
アツギ株式会社 | 2020/7/1~7/10 | 330人 | |
2020/12/14~12/24 | 130人 | ||
曙ブレーキ工業株式会社 | 2020/2/24~3/9 | 200人 | |
2020/12/21~2/12 | 180人 | ||
河西工業株式会社 | 2020/9/7~9/18 | 300人 | |
NOK株式会社 | 2020/11/1~12/31 | 300人 | |
芝浦機械株式会社 | 2020/3月中旬~ | 200~300人 | |
株式会社タチエス | 2020/7/20~8/7 | 250人 | |
株式会社ユニバンス | 2020/3月中旬~7月末 | 200人 | |
株式会社ワールド | 2020/9/14~9/30 | 200人 | |
サッポロホールディングス株式会社 | 2020/4/1~6/10 | 制限なし | |
東芝テック株式会社 | 2020/7/1~9/30 | – | |
小売業界 | 株式会社ファミリーマート | 2020/2/3~2/07 | 800人 |
青山商事株式会社 | 2020/12/14~2/19 | 400人 | |
ラオックス株式会社 | 2020/2/17~3/6 | 140人 | |
2020/7/1~7/31 | 250人 | ||
株式会社オンワードホールディングス | 2020/1/7~1/30 | 350人 | |
株式会社TSIホールディングス | 2020/11/16~11/27 | 300人 | |
株式会社レナウン | 2020/6/4~6/11 | 300人 | |
株式会社三越伊勢丹ホールディングス | 各社での期日 | 200人 | |
株式会社ユニバンス | 2020/3月中旬~7月末 | 200人 | |
株式会社ワールド | 2020/9/14~9/30 | 200人 | |
株式会社三陽商会 | 2020/12/21~2021/1/29 | 制限なし | |
サッポロホールディングス株式会社 | 2020/4/1~6/10 | 制限なし | |
東芝テック株式会社 | 2020/7/1~9/30 | – | |
不動産業界 | 株式会社レオパレス21 | 2020/6/22~7/31 | 1,000人 |
株式会社ノーリツ | 2020/1/17~1/31 | 600人 | |
エンタメ業界 | セガサミーホールディングス株式会社 | 2020/11/16~12/25 | 650人 |
エイベックス株式会社 | 2020/12/14~12/28 | 100人 | |
飲食業界 | 株式会社ペッパーフードサービス | 2020/7/6~7/31 | 200人 |
ロイヤルホールディングス株式会社 | 2020/12/01~12/18 | 200人 | |
化学業界 | 株式会社三菱ケミカルホールディングス | 2020/12/01~12/18 | 未定 |
鉄鋼業界 | 日立金属株式会社 | 非開示 | 1,030人 |
精密機器業界 | シチズン時計株式会社 | 2020/10/14~11/18 | 550人 |
食品業界 | 味の素株式会社 | 2020/1/6~3/13 | 100人 |
印刷業界 | 株式会社廣済堂 | 2020/6/15~7/3 | 240人 |
ブライダル業界 | ワタベウエディング株式会社 | 2020/10/26~11/15 | 120人 |
※2020年12月25日現在
メーカー・製造業界での募集が目立ち、特に機械系・工業系・アパレル・繊維系企業での募集が目立ってますね。
次点では小売業界、不動産業界での募集が多かったです。
なお早期・希望退職者を1,000人以上募った企業は2社あり、日立金属株式会社(1,030人)とレオパレス21(1,000人)が該当しました。
上記表のなかで、募集人数が多い上場企業の上位10社をまとめると以下の通りです。
順位 | 企業名 | 業界 | 募集人数 | 募集期間 |
---|---|---|---|---|
1位 | 日立金属株式会社 | 鉄鋼 | 1,030人 | 非開示 |
2位 | コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社 | メーカー・製造 | 900人 | ~2020/12月末 |
3位 | 株式会社ファミリーマート | 小売 | 800人 | 2020/2/3~2/07 |
4位 | セガサミーホールディングス株式会社 | エンタメ | 650人 | 2020/11/16~12/25 |
5位 | 株式会社ノーリツ | 不動産 | 600人 | 2020/1/17~1/31 |
6位 | 三菱自動車工業株式会社 | メーカー・製造 | 550人 | 2020/11/16~11/30 |
6位 | シチズン時計株式会社 | 精密機器 | 550人 | 2020/10/14~11/18 |
8位 | 株式会社ミツバ | メーカー・製造 | 500人 | 2020/8/24~9/11 |
9位 | アツギ株式会社 | メーカー・製造 | 460人 | 2020/7/1~7/1 2020/12/14~12/24 |
10位 | 青山商事株式会社 | 小売 | 400人 | 2020/12/14~2/19 |
※2020年12月25日現在
上位陣は「メーカー・製造業界」が多く、新型コロナウイルスはもちろん米中貿易摩擦の影響が大きいと考えられます…。
また、11~12月での募集が目立ちますね。
2021年に早期・希望退職者の募集が決まった企業も多数…
2020年12月25日時点で、すでに2021年に早期・希望退職者の募集が決まった企業は以下の通りです。
業界名 | 企業名 | 募集期間 | 募集人数 |
---|---|---|---|
メーカー・製造業界 | オリンパス株式会社 | 2021/2/1~2/19 | 950人 |
スタンレー電気株式会社 | 2021/1/7~1/13 | 300人 | |
新電元工業株式会社 | 2021/1/18~2/19 | 140人 | |
株式会社デサント | 2021/1/18~2/1 | 110人 | |
本田技研工業株式会社 | 2021/4月~5月 | 未定 | |
カシオ計算機株式会社 | 2021/1/18~2/1 | 制限なし | |
観光業界 | 藤田観光株式会社 | 2021/2/5~2/15 | 700人 |
KNT-CTホールディングス株式会社 | 2021/1/4~1/22 | 未定 | |
ブライダル業界 | 株式会社アターブル松屋ホールディングス | 2021/2/10~2/26 | 30人 |
印刷業界 | ローランド ディー. ジー.株式会社 | 2021/2/1~2/26 | 150人 |
飲食業界 | キーコーヒー株式会社 | 2021/1/25~2/12 | 100人 |
不動産業界 | 株式会社LIXIL | 2021/1/12~1/22 | 1,200人 |
鉄鋼業界 | 三菱製鋼株式会社 | 2021/1/5~1/22 | 100人 |
※2020年12月25日現在
2021年になってからもメーカー・製造業界の募集が多く、カシオやオリンパス、ホンダなど誰しもが一度は聞いたことのある企業名も並んでいます…。
全体的に1月半ばから2月半ばにかけての募集となっていますね。
早期・希望退職に応募するメリット・デメリット
さて、ここまで見ると早期・希望退職が悪いものと見えますが、それらをメリットと捉えることもできます。
早期・希望退職に応募するメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
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希望退職の制度を使うと、割増退職金を提示されるケースがほとんどです。まとまったお金を受け取れるため、その金でやりたいことを実現できるかもしれません。
また会社都合での退職となるため、自己都合退職と比べれば早く失業保険を受け取れます。
ですが転職先が決定する前に退職を余儀なくされるため、余裕をもった転職は難しくなってしまいます。
希望退職をするならば、こうしたメリット・デメリットと向き合うのも必要ですね。
まとめ
「これから伸びる」と言われた業界も逼迫しており、未だどこも余裕がない状況です。
そんななか早期退職者を募ったり、新卒採用を見送ったり、事業を縮小したりと、倒産前に固定費を削減しようと試みる企業が急増しています。
やむを得ない事情とはいえ、企業に残るのも地獄で去るのも地獄なのが難しいところですね…。