「20代で派遣社員を選ぶと、後悔するかもしれない」と考えた時に、やっぱり正社員として働くべきかと悩む人もいるでしょう。
世間的なイメージが気がかりですし、派遣社員から正社員に戻れるかという点も不安ですよね。
本記事では実際の声を参考にしたうえで、20代で派遣社員を選ぶと後悔するかについて、解説します。
また正社員に戻れるかについても、あわせてご紹介いたします。
悩みを抱えている人にとって、解決の糸口になれば幸いです。
20代からの派遣は後悔する人も多い…
最初にハッキリと申し上げますが、20代から派遣社員として働く道を選んだ結果、後悔する人が多いことも事実です。
まずはこの件に限らず、人が後悔をする背景を知っておくと良いでしょう。
主な要因は、下記の通りです。
- 現状がうまくいっていないと考えるので、過去の選択を間違えたと感じる
- 自分が選択した行動が、期待したものと違っていた
①現状がうまくいっていないと考えるので、過去の選択を間違えたと感じる
人は現状がうまくいっていないと考える時に、過去の選択を間違えたと感じ、後悔をすることがあります。
逆に「今が最高に幸せだ」と感じていれば、後悔をすることはないでしょう。
派遣社員には、メリットがある反面、正社員より厳しい側面もあります。
「なんとなく派遣社員を選ぶ」とか「やりたくないけれど派遣社員の道しかなかった」というような【マイナスの選択】からのスタートだと、厳しい側面を理解しないままで派遣社員として働くと言えます。
そうすると、派遣社員としてのデメリットが見えた際に、うまくいっていないと考えることが多くなるので、高い確率で後悔をすると言えます。
このことを逆手に考えると、派遣社員の道を選ぶと後悔するポイントについて、最初にしっかりと認識したうえで働けば、後悔が減ると言えるでしょう。
②自分が選択した行動が、期待したものと違っていた
ある物事に対して、理想が先行した結果、メリットだけに着目しがちになることがあります。
このような状況下で、実際に物事をスタートした際に、期待したものと違う面が見えると「こんなハズではなかった」と後悔することがあります。
これを踏まえて、派遣社員の道を選んだことを考えてみましょう。
最初は派遣社員のメリットにばかり目がいき、理想的な働き方だと考えていたのに、いざ働くとさまざまなデメリットが見え、期待とは違っていたと後悔をします。
これを防ぐためには、派遣社員のデメリットも認識しつつ、過剰な期待は避けると良いでしょう。
20代からの派遣はどんな点で後悔する?
20代で派遣社員の道を選ぶと、主に下記の2点で後悔する人が多いです。
- 世間体・周囲の目線が気になる
- 収入が上がりにくい
順を追って、解説します。
①世間体・周囲の目線が気になる…
派遣社員は将来性が低いというイメージがある人や、正社員よりも契約を簡単に切られると思っている人からは、白い目で見られることもあるでしょう。
特に親以上の世代においては「派遣社員だけは、絶対にやらない方が良い」という固定観念を持つ人も多く、なおさら若い20代が派遣社員の道に進むことに対しては、強く反対する人もいます。
このように派遣社員を選ぶと、世間体・周囲の目線は少なからずついてくるので、後悔する人も多いです。
しかし同じ20代であれば、正社員・派遣社員・フリーランスなどの多種多様な働き方に理解がある人も多いので、このような人たちからのイメージは、そこまで悪くないでしょう。
世間体や周囲の目線が気になる心情も分かりますが、他人の評価を重視すると、本来の自分が出せないことも多々あります。
自分らしく生きるためには「本当にやりたいこと」や「人生において譲れないポイント」に重きを置く方が、大事だとも言えます。
派遣歴ほぼ10年の者です。義母がエリート好きです。年寄りなので、会うたびに仕事を聞かれるのですが、毎回気の毒がられます。ホントに心外です。
(引用元ページ:Yahoo!知恵袋)
正直な話、フリーターとか派遣社員でいいんだけどさ。世間の目とかそうゆうの気にする人間だから会社には勤めたいし
— 馬井 飯 (@togan_huki) February 2, 2012
②収入が上がりにくい…
正社員には昇給があるので、それに伴い、給与やボーナス支給額が上がります。
また年功序列制の導入や、評価制度を設けている会社であれば、勤続年数や評価が高くなるに伴い、給与も上がります。
つまり、正社員は収入が上がりやすいと言えます。
一方で派遣社員の場合には、基本的に昇給や評価制度はありませんし、年功序列制も関係がありません。
時給が上がることもありますが、正社員に比べると、非常に緩やかです。
40代・50代であれば、正社員であっても収入が上がりにくくなるので、あきらめがつくかもしれません。
20代の場合には、周囲の正社員はどんどん収入が上がる傾向にあり、派遣社員を選んだことについて、後悔をすることがあります。
まぁ私は派遣社員なので、ボーナスもないし、よっぽど景気がよくならないと給料もあがらないので、実感するのは相当先だな^^;
— Pちゃん (@humuhumu_lei) April 17, 2013
@hatebu @teesticulus 大学卒業しても正社員になれない若者が、多い
派遣社員じゃ収入も上がらないし安定しない
会社の利益を株主だけに吸収される今の経済が日本を壊す
非正規雇用社員を長期に雇用する会社は、株主への配当を禁止した方が良い— 日本が良い国になりますように (@Hitundweg) July 5, 2014
20代で派遣社員に向くのはどんな人?
前項では、派遣社員を選んだ際に「後悔するポイント」を解説しましたが、ここではそれを踏まえたうえで「20代で派遣社員に向く人」についてご紹介します。
- なんらかの家庭事情を抱えている人
- 責任の大きい仕事をしたくない人
- プライベートを重視する人
この3点について、順番に解説します。
①なんらかの家庭事情を抱えている人
20代で派遣社員に向く人について、1つ目は、なんらかの家庭事情を抱えている人です。
家庭事情が関わってくる人は、家族の都合も考えつつ、家庭のために時間を作る必要があるので、融通が利く仕事を選ぶ必要があります。
こういった人には、派遣社員という働き方が向いています。
なぜかというと、派遣社員は時間などに融通が利くことが多く、家庭のために時間が必要な人にとって、働きやすい特性を持つからです。
以下に、家庭事情を抱えている人の例を挙げます。
小さい子どもがいる
保育園や幼稚園に通うような小さい子どもがいる場合には、迎えに行かなくてはなりません。
また家に帰ってからは、ご飯の支度や寝かしつけがありますし、子供と過ごす時間の確保も必要になります。
正社員として働くと、急な残業が発生することがありますし、家庭との両立が難しいことも多いです。
派遣社員の場合には、残業がゼロの仕事を選べますし、時短勤務や子供の突発的な事情に理解がある現場で働くことも可能です。
親の介護の必要がある
自分の親の介護が必要な人もいるでしょう。
また結婚をしている場合には、配偶者の親の介護が必要なケースもあります。
平日の日中は施設などに依頼することも可能ですが、夜や休日は、基本的に自分で面倒を見ることになるので、融通がきく仕事を選ぶ必要があります。
派遣社員は時間などの融通が利きやすいことから、親の介護の必要がある人とも、相性が良いです。
両立しなければいけない家業がある
自営業を行っている人や、先祖代々に渡る商売をしており、後世に伝えていく必要があるなどの事情を抱えている人もいるでしょう。
これらの家業だけを行っても生活が成り立たない場合には、他の仕事も行い、生活費を稼ぐ必要があります。
家業と合わせて2つの仕事を行うことになるので、フルタイム勤務や残業・休日出勤があるような仕事だと、厳しいと言えます。
派遣社員は時短勤務が可能な案件も多く、残業・休日出勤が基本的にはないので、家業も両立しやすいと言えます。
②責任の大きい仕事をしたくない人
20代で派遣社員に向く人について、2つ目は、責任の大きい仕事をしたくない人です。
どんな仕事でも、責任が全くないものはありませんが、責任が小さい仕事は存在します。
責任が小さい仕事には、下記のような特徴があります。
- マニュアル通りに行えば、誰でもできる
- 業務の範囲が狭いので、限定的な作業が可能である
- 決められたノルマがない(もしくは少ない)
- 外部の人と接する機会が少ない
- 売上に直接的に関与しない
派遣社員の仕事は、上記を満たす内容のものが多いです。
以下に、責任の大きい仕事をしたくない人について、代表的な動機をご紹介します。
残業や休日出勤をしたくない
責任の大きい仕事をするにつれ、残業や休日出勤を行う頻度が高くなります。
携わる仕事の範囲が広くなりますし、関わる人や事柄も多くなるからです。
オンオフの線引きをしっかりとつけたいと考え、残業・休日出勤を避けたい人は、責任の大きい仕事をしたくないと思う傾向にあります。
面倒な人間関係から解放されたい
どのような仕事を選ぶ場合でも、人間関係はついてきますが、責任の大きな仕事をするほどに、面倒な人間関係にかかわることが多くなります。
また飲み会やサークルなどの「定時外での人間関係」が発生する機会も増えるので、これらについても、面倒だと感じる人もいるでしょう。
こういった面倒な人間関係から解放されたい人は、責任の大きくない仕事を選びたいと考えます。
大きな責任を負うことは避けたい
仕事で失敗をした際に、責任の大きい仕事を行っている人ほど、ふりかかる責任も大きくなると言えます。
当然ですが、精神的な疲労も増えます。
このことからストレスを出来るだけ減らしたい人や、面倒なことに巻き込まれたくないと考える人は、責任の大きくない仕事を選ぶ傾向にあります。
決められた範囲内で仕事をしたい
責任の大きな仕事をすると、業務範囲の線引きが不明瞭になり、範囲外の仕事を行う機会が増えます。
会社からの指示で、職種に関係のない仕事を行うこともありますし、時には部下や関連部署の仕事を代行することもあるでしょう。
決められた範囲内で仕事をしたい人は、責任の大きくない仕事を選ぶことにより、限定的に仕事ができます。
③プライベートを重視する人
20代で派遣社員に向く人について、3つ目は、プライベートを重視する人です。
下記のような人は、プライベートを重視したいと言えます。
周囲の人と過ごす時間を大事にしたい
家族・友人・交際相手などと過ごす時間が、とても大切だと考える人は、プライベートを重視したいと考えます。
周囲の人と過ごす時間は貴重なものですし、後から「もっと一緒に過ごせばよかった」と後悔しても、時間は戻ってきません。
正社員として働くと、残業や休日出勤の必要にせまられることがあり、周囲の人と過ごす時間が減る可能性があります。
派遣社員の場合には、残業や休日出勤がゼロという働き方が可能なので、周囲の人と過ごす時間を大事にできます。
かなえたい夢がある
20代であれば、俳優やミュージシャンになりたいですとか、サイドビジネスで成功したいなどの「かなえたい夢」がある人もいるでしょう。
これらの夢がかない、すぐにその道で生計をたてられれば良いですが、一般的には準備期間や地道な努力が必要です。
また夢を追いながらも、生活費を稼ぐ必要はありますが、夢の支障になるような仕事は避けたいと考えるものです。
派遣社員という働き方は、残業や休日出勤を避けることができ、プライベートの時間をしっかりと確保できるので、かなえたい夢がある人に向きます。
仕事だけで人生が終わりたくない
「仕事に追われる毎日で、気づいたらさまざまなことが犠牲になっていた」というような、仕事だけで人生が終わることを避けたい人にとって、派遣社員は向いています。
生きていくためには働く必要がありますが、人生において大事なことは、他にもいろいろとあるものです。
大事なことが明確に見えていることもありますが、20代の場合には、これから大事なことを見つけたいという人もいるでしょう。
どちらにしても、ある程度の時間的な余裕が必要になります。
派遣社員は仕事に追われることを避けつつ、収入を得ることが可能なので、時間的にも余裕を持てることから、仕事だけで人生が終わりたくない人に向いています。
20代だと派遣社員から正社員に戻りにくいのは本当?
「20代だと派遣社員から正社員に戻りにくい」という話を、耳にしたことがある人もいるでしょう。
特に年上の世代からは「派遣社員から正社員への道は厳しいから、最初から正社員として働いた方が良い」とか「20代で派遣社員を選ぶと、なかなか正社員になれないよ」などのアドバイスがあるかもしれません。
果たしてこれらの話は、本当なのでしょうか?
@koyounoyooko 派遣で正社員に絶対なれない。派遣社員という道を選んでしまった自分が怖い。後悔。明日も職場見学という名の事前面接。
— taka07029010 (@taka07029010) June 11, 2015
派遣社員での経験は転職に不利になりますか? 事務職希望で5社正社員募集に応募し、1社面接まで行きましたが不採用でした。 事務経験は高卒で入った営業事務4ヶ月、パソコンは学生時代専攻していましたがエクセルの関数はすっかり忘れて、基本操作ができる程度です。 このまま何社も何社も受ける!!と意気込んでいたものの、すっかり自信喪失です。 そこで派遣で働こうかと考えたのですが、派遣での経験はその後の転職で有利になるのでしょうか?
(引用元ページ:Yahoo!知恵袋)
結論:20代でも派遣から正社員には戻れます
結論として申し上げますが、20代でも派遣から正社員には戻れます。
戻る方法は、主に3つあります。
①正社員の求人を探して応募をする
ハローワークや転職エージェントなどを利用し、正社員の求人に応募をします。
また企業の正社員の求人に対して、求人サイトや各企業のホームページ上から、直接応募をする方法もあります。
②派遣先での「紹介予定派遣制度」を利用して、正社員になる
紹介予定派遣制度とは、派遣先で数カ月ほど働いたのちに、働く人と派遣先の双方の合意があった場合には、その派遣先で「正社員」や「契約社員」として雇用してもらえる制度です。
すべての派遣先が、紹介予定派遣制度を導入しているわけではないので、その点には注意が必要です。
③同じ派遣先で3年間働き、その現場で正社員として雇用してもらう
派遣社員は、同じ現場で3年以上働けないという「3年ルール」が存在します。
3年以上働くためには、派遣先から自社の社員(正社員や契約社員)として、雇用してもらう必要があります。
新卒で初受注した会社の担当者さんからお誕生日祝いメールくるの嬉しいな。
紹介予定派遣だったから紹介後に正社員になって、紹介者の結婚出産の連絡までいただく。人との大事な繋がりは一生大切にしよ。
— 工藤まおり (@maori212) February 15, 2020
5月1日付けで正社員になってくれと言われて、正社員になりました。 恵まれているのか、今回派遣で働くのは2社目なんですが、2社とも社員の交渉がありました。 1社目は仕事の合間を見て他の人がやらない?見て見ぬふりする社員に変わって雑用とかもこなしていたら、話が来ましたが、社員教育?その会社の社員のモラルの低さに情けない会社と自分の中で思っていたのでお断りしました。
(引用元ページ:Yahoo!知恵袋)
また上記の全ての方法において、正社員に戻る際には、ハードルがあることは事実です。
そのため、20代で派遣社員から正社員を目指す際には、下記のポイントを意識しましょう。
研修制度が充実した派遣会社を選ぶ
派遣会社は数多く存在しますが、その中でも「スキルアップ講座」や「マナー講習」などの研修制度について、充実した派遣会社を選ぶと良いでしょう。
派遣先で派遣社員を教育することは、基本的にはありませんので、研修制度がない派遣会社を選ぶと、何も分からない状態のままでスタートします。
日々の業務に翻弄されるほど忙しい現場で働いた際には、スキルや経験を上手に身につけられない可能性があり、いざ正社員への道を目指す際に「アピールする内容がない」という状況になりかねません。
このような状況を避けるためにも、目指す業界のスキルを身に着けられるところや、社会人に必要なマナーをレクチャーしてくれるような「研修制度が充実した派遣会社」を選ぶことをおすすめします。
チャンスがあれば、大手企業で働く
最初から大手企業で勤務することは難しいかもしれませんが、派遣社員としての経験を積み重ねたら、大手企業で働くチャンスを狙いましょう。
なぜかというと、下記理由で、正社員に戻りやすいと言えるからです。
- 派遣社員として大手企業で働いた実績をアピールできる
- 大手企業は、紹介予定派遣制度を導入していることが多く、正社員になれる可能性がある
さらに可能であれば、正社員として働きたい業界に近い「大手企業」を、狙うと良いでしょう。
周囲には負けないスキルを身に着ける
企業の採用担当者の本音としては、派遣社員経験のみの人と、正社員経験がある人を比較した際に、条件が同じであれば後者を採用したいと考えています。
このような状況下で、正社員経験がある人と差をつけるためには、誰にも負けないというスキルを身に着け、上手にアピールする必要があります。
誰しも「これは得意だ」とか「他の人よりもうまく出来る」というものがあるので、こういった分野に対して、スキルを身に着けることを意識し、日々を過ごすと良いでしょう。
例えば「データ入力の速度と正確さは負けない」ですとか、「パワーポイントに詳しく、資料作成が速い」などが挙げられます。
コミュニケーション能力を磨く
派遣社員は正社員のように、同じ現場に居続けることが少ないので、正社員よりも人間関係が発生する機会が少ないと言えるでしょう。
言い換えれば、コミュニケーションを取る機会が、正社員よりも少ないのです。
このことから派遣社員に対しては、正社員採用時の面接において「この人は周囲とコミュニケーションを取りながら、うまくやっていける人だろうか?」という点を、より重視する傾向にあります。
またコミュニケーション能力は、1日で見につくものではないので、正社員への道も考えている人は、派遣先でコミュニケーション能力を磨くことを心がけましょう。
「どうすれば、自分の考えがうまく伝わるか?」や「効率よく仕事を進めるためには、誰に何を依頼すればよいか?」などを考えることもおすすめです。
失敗をすることもあるでしょうが、その経験が、より良い未来をつくる糧になることは間違いありません。
まとめ~後悔したくないなら働き方選びは慎重に~
20代で派遣社員を選ぶことについて、後悔をしたくない人は、働き方選びを慎重に行いましょう。
「どのように働きたいか」や「人生において、何を基準にして過ごしたいか」を考えると、自分に合った働き方が見えてくるものです。
派遣社員の道に進む場合には、本記事で紹介した「後悔するポイント」や「派遣社員に向く人」などの項目を参考にして判断をすると、後悔が少なくなることでしょう。
人生は一度きりですので、自分自身が納得をして、満足できることが何より大切です。
未来のある20代の人にとって、後悔のない働き方が実現できることを願っています。