派遣社員が契約満了になったとき、これからも働けるのか、もう働けないのか気になりますよね。
「会社都合」になるのか「自己都合」になるのか、正直のところ分かりにくいんです…。
今回はその違いがなぜ大切なのか、また契約満了はどちらにあたるのか、失業保険が出るのかを中心に徹底解説してきます。
派遣の契約満了って会社都合?自己都合?
派遣社員が契約満了で退職する際、それが「会社都合」の扱いなのか「自己都合」の扱いになるのか。
判断が難しいところもありますよね…。しかも一見するとその違いはそこまで大切でないように見えます。
しかしこの違いは非常に大切で、しかも大きなものなんです。
なぜ「会社都合」か「自己都合」かが大切なのか?
そもそも派遣社員の契約満了が会社都合になるのでしょうか。それとも自己都合になるのかが大切なのでしょうか?
結論から言うと、それは失業保険の適用に関係しているからです。
とはいえ失業保険といわれても、なかなかピンときませんよね。
では次にそもそも失業保険とはどんな保険で、どんなことが可能なのかご紹介していきます。
失業保険とは?
失業保険とは、正式には雇用保険というもので、労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために作られました。
厚生労働省では以下の通りに述べています。
失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、失業等給付を支給する制度のことです。
また、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進等をはかるための二事業も行っています。
(引用元ページ:厚生労働省-雇用保険制度)
簡単にいうと、失業した時に条件を満たせば失業手当がもらえる制度のことです。
辞めた際の形式の違いによって適応されるものが変わり、給付額なども変わります。
そのため派遣の契約満了が「会社都合」にあたるか「自己都合」にあたるかが重要なんです。
被保険者の種類を詳しく解説!
「一般被保険者」
フルタイムで働いている一般社員や、勤務日数・時間が一定基準を超えている派遣社員、パートタイマーなどの非正規労働者をさします。
「高年齢継続被保険者」
一般被保険者のうち、65歳以上の高齢者の者を指します。
「日雇労働被保険者」
日雇い労働者。
具体的にはここでは、雇用期間の定めがなく日ごとに単発の仕事をしている人や、または雇用期間が30日以内の人を指します。
具体的には建設現場や港湾運輸、農林水産などの土工、荷扱夫、雑役、人夫などの仕事に多いです。
「短期雇用特例被保険者」
季節的労働者。
雇用契約期間が1年未満で、かつ、仕事の内容が四季の影響を強く受けるもので、かつ特定の季節のみ雇用される人を指します。
具体的にはスキー場で冬場のみ雇用される人や、海の家で夏のみ雇用される人などが良い例です。
基本的には派遣社員は一般被保険者にあたる場合が多いです。
「会社都合」と「自己都合」での失業保険の違いは?
では会社都合と自己都合の、失業保険の違いはどれくらいのものになるんでしょうか?具体的に見ていきましょう。
項目 | 会社都合での退職 | 自己都合での退職 |
---|---|---|
支給開始日 | 申請の7日後から支給を受けられる | 3ヶ月+7日後から支給を受けられる |
給付日付 | 90~330日 | 90日~150日 |
最大支給額 | 約260万円 | 約118万円 |
失業給付金給付制限 | 有 | 無 |
国民健康保険税 | 通常通り納付 | 最長で2年間は軽減 |
履歴書上の記載方法 | 会社都合により退職 | 一身上の都合により退職 |
以上の表を見ると、会社都合で退職した方の早く支給を受けられ、給付される期間も長く、最大支給額も大きいことが分かります。
自己都合で退職すると3ヶ月以上は給付を受けられませんので、その間の生活費はちゃんと工面しないといけないんです…。
失業保険を受け取れる条件
失業保険を受け取るには条件があります。
まず、以下2点が必要です。
- 離職日前の1年間に、雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上有ること
- 過去2年間に、雇用保険に加入していた期間が12ヶ月以上有ること
では雇用保険に入る条件はどのようになっているのでしょうか?
雇用保険に入る条件
雇用保険に入る条件。それは1週間の所定労働時間が20時間以上あること。
反復継続して1年以上、派遣で働く者であることです。
いよいよ本題!派遣の契約満了は”会社都合”か”自己都合”か?
インターネットではこの問題に関して様々な情報が行きかっています。
結論から言うと、派遣社員が契約満了で辞めた場合、会社都合扱いの退職となります。
会社から更新を希望されたけど断った場合も、実は会社都合での退職になるんです。
もちろん会社から「更新なし」と言われた場合も会社都合です。
会社に申請すると貰える、ハローワークで失業保険などを申請するときに使う離職届けというものに、
契約期間満了(労働者の意識より更新せず)、期間満了。本人が希望せず、本人の意思による契約満了などと書いてあってもどれも会社都合による退職にあたります。
ただ、注意したいのがこの法律は2009年に改正になった、という点です。
会社でも古い法律の知識で動いている所は、このことを理解できていなかったりします。
まとめ~派遣社員の契約満了について考える~
派遣社員の契約満了問題、単純なように見えて複雑な問題でしたね。
行ったハローワークで詳しく説明してくれる場合やそうでない場合、会社側がそれを理解して正しく処理している場合、会社が理解できておらず正しく処理されない場合、会社が理解しているけど正しく処理しない場合など、さまざまなケースがあるのが現状です。
自分の不利益にならない様に、しっかりと対応しましょう!