派遣社員として働いている方の悩みは「スキル不足」が原因というケースも多いです。
「スキル不足」故に周りの人から嫌味を言われたり、肩身の狭い思いをすることにも繋がりやすいです。
中には、雇用契約期間の途中でも「辞めたい」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか?
もしくは、働く意欲はあっても「スキル不足」を実感していれば、「突然クビと言われるんじゃないかと不安になる」という悩みを持つ人もいるでしょう。
そこで、今回は「辞めたいと思っている人」や「突然の解雇宣言が不安な人」向けに、辞めたい時の対処方や本当に解雇される可能性、スキル不足の解決方法を解説していきます。
スキル不足を理由に派遣先の仕事を辞められる?
まずは、スキル不足が原因で派遣先の仕事を「辞めたい」と思っている人はどんな対処方法があるのでしょうか?
具体的には、「たくさん質問しても、疎ましいといった態度を取られて会社へ行くのが辛い」といった悩みを抱えている場合の対処法です。
どうすれば良いのでしょうか?
まずは派遣会社に相談をしよう
まずは、一人で抱え込まず派遣会社に相談することが大切です。
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいる立場なので、間違っても、派遣先に相談することはやめましょう。
場合にもよりますが、派遣会社の方で退職の手続きを進めてくれる可能性があります。
とにかく、派遣会社からの理解を得るという意味でも相談しましょう。
スキル不足でも契約期間中は辞められない
結論から言うと、基本はスキル不足を理由に契約期間中は辞められないです。
派遣会社に相談しても、現実的には「雇用期限まで、もう少し頑張ろう」と言われて、終わりということもあります。
正社員では、1か月、2か月前に会社に退職届を出せば辞められます。
しかし、派遣社員のように契約期間が決まっている場合は、途中で仕事を辞めることはハードルが高いのです。
契約期間の途中で一方的に破棄することはできないという原則が法律上あるからです。
相談しても、辞めることが難しいケースは多いです。
派遣先が交代を求めている場合はやめられる?
しかし、契約期間中でもスムーズに辞められる場合があります。
派遣先が人材の交代を求めている場合はやめられるでしょう。
派遣会社側から派遣先に確認して、派遣先から「実は辞めさせたいと思っていた」とのことであればスムーズにやり取りが進みます。
つまり、辞めることができるかどうかは、派遣先が交代を求めているかどうかで決まるということですね。
派遣先の「バックレ」はやめたほうが良い!
いくら「辞めたい」と思っていても、「バックレ」はやめておいた方が良いです。
しかしながら、残念なことに「バックレ」をする派遣社員はたまに存在します。
法律上は契約の途中で「バックレ」をすると契約違反となり、派遣会社は損害賠償を請求できます。
現実的には、バックレ損害賠償を請求する派遣会社はほぼないですが、リスクは高いです。
スキルアップもしないので、自分のためにもならないでしょう。
「バックレ」を考える前に、とにかく派遣会社に相談するようにしましょう。
「バックレ」をするデメリット
「バックレ」によるデメリットは多いです。
「バックレ」をするデメリットは主に以下の3つが挙げられます。
- 損害賠償を請求される可能性がある
- 次から仕事を紹介されなくなる
- 給料が振り込まれないこともある
それぞれ、詳しく解説していきます。
損害賠償を請求される可能性はある
法律上は損害賠償を請求される可能性はあります。
しかし、現実的には、「バックレ」をしても、損害賠償を請求する派遣会社はほぼないです。
それは、損害賠償を請求するには裁判が必要だったりするわけで、多くの費用と労力がかかるからです。
それでも、バックレは損害賠償を請求されても仕方ない行為だということだけは覚えておきましょう。
セキュリティパスやカードキーなどを持っている場合は注意
損害賠償を請求される可能性が高くなる場合があります。
派遣先のセキュリティパスやカードキーなどを持っている状態での「バックレ」は損害賠償を請求される可能性が高いです。
派遣先は何が何でもセキュリティパスやカードキーを回収するよう派遣会社へと要請するでしょう。
回収できなければ、セキュリティシステムの入れ替えなどを検討せざるをえないこともあります。
そして、システムの入れ替えには数十万円、数百万円のコストがかかるものです。
派遣会社側が負担するとなるとかなりの損失なので、損害賠償を請求される可能性は高いです。
次から仕事を紹介されなくなる
「バックレ」をすると、間違いなく次から仕事を紹介されなくなるでしょう。
契約会社としては、また仕事を紹介してバックレられる恐れがあると考えるからです。
また、「バックレ」をした人が信頼をなくすだけじゃなく、派遣会社も信頼を失う可能性があります。
最悪の場合、信頼を失った派遣会社が派遣先から契約終了を言い渡され、同じ派遣会社から派遣されていた他の人まで仕事を失ってしまうことも。
「バックレ」は他の人にも迷惑をかける行為であることを肝に銘じましょう。
給料が振り込まれないこともある
自分が派遣先で働いていた分の給料が振り込まれないこともあります。
この場合、連絡して催促をすれば受けとることは可能です。
仕事を「バックレ」たとしても、法律上、働いた分の給料は派遣会社から貰うことが出来ます。
ただし、派遣会社の人から怒号をくらうのは覚悟しておく必要があるでしょう。
「バックレ」も仕方ない時もある
「バックレ」は良くない行為ですが、状況によっては仕方ない時もあります。
派遣先で派遣社員は雑に扱われやすいという現実があります。
優秀な人でもそうでない人でも、簡単に辞められるという意識があるせいで、雑に扱われやすいという傾向があるのです。
「なんでこの仕事ができないの?」と嫌味を言う人も多く、人間関係で深い悩みも抱えることもあるでしょう。
派遣会社によっては、相談してもしっかり対処してくれない所も存在します。
「バックレ」自体は多くの人に迷惑をかけてよくないですが、派遣会社の担当者があまりにも頼にならない場合は仕方ないともいえるでしょう。
精神的ストレスが酷くうつ病になるくらいなら、「バックレ」をした方が良いです。
スキル不足を理由に派遣先は解雇できる?
「スキル不足」を実感していて、突然クビと言われるんじゃないかと不安に思う方もいます。
突然収入源がなくなる訳ですから、不安ですよね。
働く意欲があっても、「スキル不足」で解雇させられる可能性はあるのでしょうか?
改善の努力をしている人に対しては解雇できない
派遣だと「急な解雇宣言をされるかも」というイメージを持たれる方も多いです。
結論から言うと、働く意欲があって改善の努力をしている人を突然解雇することは実は違法です。
契約期間内は、仕事が遅い、ミスが多い、などの理由で急に解雇されることは、本来ならば不当に当たるということですね。
「あらゆる手を尽くしてもやっぱり解雇しか考えられない」という状況で、初めて解雇が認められます。
スキル不足による解雇のハードルは高い
スキル不足による解雇のハードルはかなり高いです。
法律上、よっぽど勤務態度や勤務効率が悪くなければ、辞めさせられることはありません。
逆に言えば、かなり勤務態度や勤務効率が悪ければ辞めさせられることもあります。
力関係的的には、派遣会社より派遣先の方が強く、派遣会社は派遣先の要求に従うことになります。
厚生労働省がモデル就業規則として解雇の規定を以下のように書いています。
- 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ない場合
- 勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等、就業に適さないとき
それぞれ、詳しく解説していきます。
「勤務状況が著しく不良で、労働者としての職責を果たし得ない」とは?
具体的に「勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき」とは、どのようなときでしょうか?
具体例をいうと、遅刻無断欠勤の常習犯で、会議に出席せず周りの人に迷惑をかけ、業務の運営に重大な影響を及ぼし、取引先との支障にもつながるような人材です。
ここで注目すべきポイントは、会社側が改善催促をして、なるべく希望を聞くように努めたかどうかです。
会社側が改善催促をして、なるべく希望を聞くように努めても、改善しなかった場合は解雇されても文句は言えません。
「勤務業務能率が著しく不良で、他の職務にも転換できない」とは?
「勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき」とはどのようなときでしょうか?
特定の能力を有することが労働契約の条件とされて高給で採用された社員にもかかわらず、見合った能力がない人材の時は当てはまります。
ここでもボーダーラインは、会社がこれらに対する改善指導を行ったがどうかです。
それでも改善の意欲がなく、専門的な仕事故に他の職務が無いのであれば、解雇が正当化されます。
派遣先でのスキル不足を解消するには?
多くの人が悩みやすい、「派遣先でのスキル不足」を解消するにはどうすればいいでしょうか?
実は、「派遣先でのスキル不足」は仕事に対する姿勢で改善できる場合が多いです。
仕事に対して甘えていたり、スキルアップしようとしない人はこの先もずっと「仕事ができない人」というレッテルを張られ、肩身の狭い思いをするでしょう。
「派遣なんだから、正社員より仕事量が少なくて当たり前」という思いは捨て、仕事に対する姿勢を改善させていきましょう。
具体的にどうすれば良いのでしょうか?
派遣会社のスキルアップ制度を活用する
派遣会社のスキルアップ制度を活用することも大事
大手の派遣会社では特にスキルアップ制度が充実しています。
事務で使うOAスキルやIT講座、英語力を身に付けられる講座や資格対策、各種セミナーや研修が無料で利用できるように用意されていることが多いです。
せっかく無料なので、派遣先に必要なスキルをどんどん身に着けましょう。
常に考え、工夫しながら仕事をする
「スキル不足」改善の為に、仕事に対して真摯に向き合って、考えながら仕事に取り組むことが必要です。
何も考えず、受け身の姿勢ではスキルアップはしません。
まずは自分に与えられた仕事をしっかりとこなして、いかに効率よくこなせるかを考えて、自分なりに工夫して業務に取り組みましょう。
しっかりメモをとったり、報連相を意識するなど、常に改善の余地は潜んでいるものです。
慣れない仕事でもすぐに諦めない
慣れない仕事でも「自分にはできない」と諦めないようにしましょう。
頑張っていればいつか自分の得意分野に変わる時が来ます。
「与えられている仕事は自分が向上するためのものだ」と前向きに捉える姿勢は、どんな仕事でも必要です。
逃げてばかりでは何も変わらないので、忍耐も必要です。
派遣先でのスキル不足の悩みを解決!辞めたい時の対処方やスキル不足の解決方法を紹介!まとめ
ということで、辞めたい時の対処方や本当に解雇される可能性、スキル不足の解決方法を解説していきました。
派遣社員の苦悩や深い悩みは多くの人が共感できる内容ですから、派遣先の仕事の悩みは一人で抱え込まず、派遣会社に相談しましょう。
そして、スキル不足を感じたら自分の仕事に対する姿勢が欠如していないか、改めて振り返ることも大切です。
一番のおすすめは派遣会社のスキルアップ制度を利用することです。
派遣会社のスキルアップ制度を上手に利用して、仕事で悩む自分とおさらばしましょう!