「会社が合わないから転職したい」
「キャリアチェンジをしたい」
など、契約社員として働いている人のなかには転職を考えている人もいるのではないでしょうか?
しかし、契約社員はすぐに退職できず、退職するタイミングを知っておかないといけません。
辞めるタイミングを誤ってしまうと、会社とのトラブルに発展することもあり、ストレスを抱えてしまう可能性も考えられます。
本記事では、契約社員が退職するベストなタイミングと退職時の注意点について紹介しています。
転職を成功させるためにも、正しい退職のタイミングを理解しておくようにしましょう!
契約社員が退職できるタイミングとは?
契約社員は正社員とは違って雇用形態が異なります。
そのため、会社を辞める際はどのタイミングで伝えればいいのか少し難しいですよね。
実際に企業と雇用契約を結んでいるため、「辞めるタイミングが全く分からない」と悩んでいる人も多いようです。
契約社員が退職をするタイミングについて、こちらで詳しく説明します。
契約期間を満了したタイミングで退職するべき
契約社員は原則、契約期間満了になった場合に退職ができます。
そのため、会社を辞める際は必ず契約期間が満了になってから退職できるようにスジュールを立てましょう。
契約期間中に退職することはトラブルの原因になるので、避けた方がいいでしょう。
契約期間中に突然辞めるとなると、引継ぎができなかったり、会社の体制を整えたり迷惑をかけてしまいますよね。
その結果、働いていた人たちとの人間関係が悪化や場合によっては損害賠償を請求されてしまうケースも。
このようなトラブルを避けるためにも退職のタイミングはとても重要です。
一番理想的な退職のタイミングは、「契約期間満了を迎えて更新しない」ということです。
就業規則に従って退職することで、トラブルも避けられますよ。
退職時にトラブルを起こしてしまうと、その後の転職活動に支障が出ます。
なるべくスムーズな転職を成功させるためにも、契約満了を迎えてから退職するようにしましょう!
14日前に退職の意思を伝えていいのは正社員のみ
「14日前に退職の意思を伝えれば辞められる」と聞いたことはありませんか?
確かに、労働基準法では退職日の14日前に退職の意思を伝えると良いとされています。
しかし、これが適用されるのは正社員のみです。
契約社員と正社員は雇用契約が違うため適応されません。
契約期間が1年未満の契約社員は対象外のため、注意するようにしましょう。
このように契約社員と正社員では退職できるタイミングが異なります。
転職を決意したのであれば、スケジュールをしっかりと立てて、退職する時期を明確にしておくと良いですね!
契約期間中に辞められるケースもある
先ほど契約社員は、契約期間中には退職できないとお伝えしました。
しかし、契約期間中であっても辞められるケースも中にはあるんです。
ただ、契約社員の途中退社はトラブルのもとになるため、あまりおすすめできません。
途中退職するための条件はいくつかありますので、詳しく見ていきましょう。
やむを得ない理由がある場合
契約期間中であっても契約社員が退職できるケースとして、「やむを得ない理由」があった場合のみ退職できます。
会社を辞められる「やむを得ない理由」として、次のようなものが当てはまります。
- 事前に契約した労働条件と大きく異なる
- パワハラやセクハラ、いじめを受けた場合
- サービス残業が多い場合
- けがや病気など本人が働けなくなった場合
- 家族の育児や介護が必要になってしまった場合
このような事情があった場合のみ、契約期間中であっても退職できるケースがあります。
もし該当している項目があれば、一度相談してみると良いでしょう。
一方で、「やむを得ない理由」に当てはまらない理由は次のようなものがあります。
- 条件のいい会社に転職したい
- 仕事がつまらないからやめたい
- 人間関係に対する不満
など、自己都合による理由だった場合は会社が納得してくれる可能性は低く、辞めることはできません。
また、契約期間が1年未満の場合は理由がどうであれ基本的には退職できないとされています。
できるだけ契約期間が満了して退職するのが、一番トラブルなくスムーズに辞められるでしょう。
企業と労働者の双方が合意すれば退職が可能
やむを得ない理由がなくても、企業と労働者の双方が合意すれば退職が可能です。
もちろん先ほどお伝えした、「条件のいい会社に転職したい」「仕事がつまらないからやめたい」など自己都合な理由を伝えても企業側は納得してくれないでしょう。
ただ、契約が長期であれば、1年以上働いていれば正社員と同じように自分の意志で退職ができますよ!
例えば、契約期間は3年であっても、1年働いて退職したくなった場合は会社に退職の意思を伝えられます。
契約期間中は絶対に退職できないと思っている人も多いですが、しっかりとした退職理由があれば辞めることは可能なんです。
企業側が納得してくれるような退職理由を考えて退職するようにしましょう。
そうすることで企業とのトラブルを避けられますので、意識すると良いですよ。
契約期間中に退職したら違約金を払わなくてはいけない?
契約社員は契約期間中に退職したら違約金を払わなくてはならないのかと不安に思う人も多いはず。
結論から言うと、違約金請求は違法の可能性が高いため払う必要はありません。
契約に「違約金」というものを盛り込むことは労基法の「賠償予定の禁止」によりできないため、仮に契約書に記載されていても無効になります。
また、雇用契約を中途解約する場合、「労働者の過失がある場合に限って損害の賠償を課せられることが可能」といわれています。
この場合は損害の実損害に限定されるもので、実損害額の立証をおこなわなくてはなりません。
そもそも、中途解約により発生した実損害を立証することは極めて困難のため、損害の賠償を課せられる可能性はほぼないといって良いでしょう。
ただ、なるべく円満に退社するためにも、退社するタイミングは守った方がいいですね。
また、不安な方は弁護士などに相談してみるのも一つの手なので、覚えておくと良いでしょう。
契約社員で退職する際の注意点5つ
契約社員が会社を辞める際に注意するべきポイントがいくつかあります。
なるべくあなたの負担を少なくするためにも次の5つの注意点はおさえておきましょう。
- 契約更新の前に退職する旨を伝える
- 退職者が少ない時期を見極めて退職する
- 繁忙期を避けて退職する
- 退職金が出ない
- 失業手当がもらえない可能性がある
では、それぞれ詳しく説明していきます。
① 契約更新の前に退職する旨を伝える
まず1つ目の注意点として「契約更新の前に退職する旨を伝える」という点があげられます。
入社してから何度か契約を更新している場合は、企業側は「次も更新してもらえるだろう」と考えていることが多いです。
業務に不満がある様子が見えなかったら、あなたが在籍してくれているという認識で計画を進めている可能性もあります。
もしも、次の契約更新で更新しないと考えているのであれば、なるべく早めに更新しない意思を伝えておくと良いですよ。
早めに伝えておくことで、企業側は人員が減った分を補充できますし、引継ぎ業務もおこなえます。
また引き留められる可能性も下がりますので、円満に退社したいのであれば、なるべく早めに報告するようにしましょう。
②退職者が少ない時期を見極めて退職する
次に「退職者が少ない時期を見極めて退職する」という点です。
企業のことを思うのであれば、なるべく退職者が少ない時期を見極めて退職しましましょう。
契約社員が一斉に退職してしまっては、企業は一気に人手不足になり、迷惑をかけてしまいます。
辞めるタイミングがかぶってしまうのは仕方のないことですが、退職の時期を見極めるのはとても大切です。
これまでの感謝を忘れないためにも、会社の迷惑にならない時期を選択して退職するように心がけましょう。
③繁忙期を避けて退職する
3つ目の注意点として、「繁忙期を避けて退職する」という点です。
特に12月や3月は決算付きや年度末のため、忙しい企業が多いです。
この月に退職をして、転職をしてしまうと、転職先の社員も忙しいため満足に指導してもらえない可能性も考えられます。
丁寧な指導を受けないと、実際働いてからきつくなってしまいます。
また、在籍している会社も忙しい可能性が高いため、休みがとりにくい環境となるでしょう。
そうなってしまっては、転職活動も満足にできなくなってしまうはずです。
9月10月は退職して転職しやすい時期といわれているので、全体的に落ち着いている時期に転職活動をすると良いですよ!
④退職金が出ない
4つ目の注意点として「退職金が出ない」という点です。
契約社員は、一般的に最長でも5年の契約期間といわれています。
理由としては、5年以上勤めている社員に関しては無期雇用に切り替えなくてはならないという決まりがあるからです。
契約社員は正社員と雇用形態が異なるため、どれだけ長く働いていても退職金が出ません。
最長の5年間働いたとしても、退職金は0円です。
勤めている会社に退職金制度があったとしても、残念ながら契約社員には適応されません。
「退職金がもらえると思っていた…」
とがっかりしないためにも、事前に知っておくと良いでしょう。
ただ、会社によっては「満了金」といった形で支給される可能性も考えられます。
しかし、会社の義務ではないので満了金が支給される会社は少ないです。
あまり期待せずに、出ないものと考えておいたほうが良いでしょう。
⑤失業手当がもらえない可能性がある
5つ目の注意点として、「失業手当がもらえない可能性がある」という点です。
会社を辞める場合は、失業手当についてしっかりと理解しておく必要があります。
失業手当は、失業した人の生活保護のために、ハローワークが毎月失業手当を給付してくれます。
ただ、失業したからといって誰でももらえるわけでないんです。
次の内容に当てはまった人のみが給付を受けられます。
- 雇用保険に加入していた
- 通算で12か月以上雇用保険の被保険者だった
契約社員は働いた期間が1年未満の場合は、失業手当がもらえません。
また、給付制限については退職理由によって異なるので確認しておくようにしましょう。
退職理由が自己都合の場合は、契約期間が3年未満の場合は給付制限がありません。
しかし、3年以上働いた場合は3か月の給付制限が付くようになります。
会社都合の場合は、期間にかかわらず給付制限なしで失業手当を受けられますよ!
ただ、その場合は、離職票の記載がしっかりと会社都合になっているかを確認する必要があります。
もし、間違っている場合は修正してもらう必要があるため、必ずチェックしておくようにしましょう。
まとめ~契約社員は辞めるタイミングが重要!正しく退社して転職活動を成功させよう~
契約社員は正社員と雇用形態が違うため、退職して転職をするタイミングがかなり重要になります。
契約社員が退職するタイミングは「企業と結んだ雇用契約を満了する」か「契約更新のタイミングで退職をする」の2つです。
退職のタイミングを間違ってしまうと、会社とのトラブルの原因になってしまうことや転職活動がうまくいかなくなってしまうので注意が必要です。
転職活動を成功に導くためにも円満に退社できるようにしましょう。
そのためにも今回紹介した内容をもとに、最高の転職のタイミングを見つけてみてくださいね!