現在、契約社員で働いている人は次のような疑問を持ったことはありませんか?
「正社員に転職したいけどなれるのかな?」
「正社員として働くためにはどうすればいいの?」
など、考えたことがある人が多いのではないでしょうか?
結論から伝えると、契約社員から正社員に転職することは可能です!
ただ、転職するためのポイントを理解していないと、正社員として転職できない可能性も…
本記事では、契約社員と正社員の違いから転職活動を成功させるためのポイントまで詳しく紹介しています。
正社員への転職を考えている人は参考にしてみてくださいね。
そもそも契約社員と正社員は何が違うの?
雇用形態/項目 | 雇用期間 | 雇用主 | 勤務時間 | 勤務地 | 給与・賞与 | 昇給・昇進 | 休日、有給休暇 | 社会保険 | 福利厚生 | 退職金 | 解雇予告 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
契約社員 | 有限雇用 | 勤務先の企業 | 同じ | 原則転勤なし | △ | × | 同じ | 〇 | △ | △ | 〇 |
正社員 | 無期雇用 | 勤務先の企業 | 同じ | 異動・転勤の可能性あり | ○ | ○ | 同じ | 〇 | ○ | ○ | ○ |
まずはじめに、契約社員と正社員の大きな違いはご存じでしょうか?
一番の大きな違いとしては、契約期間が決まっているという点があげられます。
契約社員の場合は、契約期間が定められている「有限雇用」。
正社員の場合は、定年まで勤務で切る「無期雇用」という違いです。
では、それ以外に契約社員と正社員で大きな違いはあるのでしょうか?
勤務時間や給与、昇進、社会保険、待遇面など。
それぞれの項目ごとに解説していきます。
また、正社員との違いやメリット・デメリットについて詳しく解説している記事もありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
雇用期間
先ほどお伝えした通り、契約社員と正社員の一番の違いは雇用期間です。
契約社員の場合は、「1年契約」「2年契約」というように雇用期間が定められている「有限雇用」です。
1回の雇用契約は、最長3年で企業と契約社員の合意のもとで契約を更新できます。
一方、正社員は雇用期間の定めがない「無期雇用」の契約を企業と結び、定年まで働けることができるんです。
このような雇用期間の違いから、正社員は安定しているといわれていますね。
雇用主
雇用主に関しては、契約社員・正社員どちらも変わりありません。
雇用主は「勤務先の企業」です。
勤務先の企業に直接雇用されますよ。
勤務時間・勤務日
基本的には契約社員と正社員では、勤務時間や勤務日は変わらないことが多いです。
ただ、企業によっては、契約社員は時間指定や週4日勤務など変更がある場合がありますので覚えておきましょう。
勤務地
契約社員は、原則雇用契約時に指定された勤務地で働くことになるでしょう。
ただし、雇用契約内容によっては異動の可能性がありますので、注意が必要です。
また、正社員は人によっては異動や転勤の可能性があります。
特に大手企業では、全国に支店を構えている企業も多いので、異動や転勤が多くなると予想できますね。
給与・賞与
給与形態は契約社員も正社員も、月給制の企業がほとんどです。
稀に契約社員に限っては、年俸制や時給制を採用している企業もあるそうですね。
年俸制の場合は、年収額を12分割した金額が毎月支給されます。
時給制の場合は、月ごとに合算された額が毎月支給されます。
また、同じ職務に当たる場合は、契約社員・正社員など雇用形態によって基本給の差をつけないのが原則となっていますので、大きな差はないでしょう。
賞与の有無に関しては、企業によって異なります。
賞与の制度を設けている企業は契約社員にも正社員と同じく賞与を支給することがあります。
ただ、契約社員には賞与を支給しない、または正社員に比べて支給額が少ないといったケースも見られます。
昇給・昇進
正社員は定期的な給与審査の時に、仕事内容・役割・成果をもとに昇進や昇給の機会が設けられます。
一方、契約社員は契約の時、定められた条件で雇用されるため、契約満了まで昇進・昇格することはまずないでしょう。
ただし、契約更新時に給与査定が行われて、昇給する可能性があります。
契約社員だから昇給しないというわけではありませんので、安心してください。
休日、有給休暇
契約社員・正社員関係なく、休日・休暇はとれます。
有給休暇に関しても、所定労働日の一定数以上勤務していれば、正社員・契約社員どちらも同じ日数の有給がもらえますよ。
雇用形態によって、休日・有給休暇の条件が変わることは無いので安心してくださいね。
社会保険
契約社員・正社員どちらも条件を満たしていれば、社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)に加入する必要があります。
逆に、条件を満たしているのに社会保険に加入しなければ、違法となりますので注意してくださいね。
福利厚生
法律上は、契約社員であっても正社員と同じ福利厚生を利用できます。
ただし、契約社員の場合は契約内容によって「交通費」「住宅手当」などの手当てが支給されない場合もあります。
企業によっても異なりますので、確認しておくようにしましょう。
退職金
退職金の有無や内容は契約社員・正社員にかかわらず、企業によって変わってきます。
ただし、退職金がある企業のほとんどは一般的に、正社員のみに退職金を支給するケースがほとんどです。
契約社員には退職金を支給しない企業が多く見られます。
解雇予告
労働基準法で遅くても、企業は解雇する日の30日前に予告をしなくてはいけないと定められています。
この法律は契約社員・正社員どちらも変わりありません。
また、解雇予告が30日前までにされなかった場合に支払われる解雇予告手当に関しても、契約社員・正社員どちらも受け取れます。
契約社員から正社員に転職は可能!
契約社員で働いている人のなかには「契約社員は転職で不利になるのではないか?」と不安に感じている人もいると思います。
結論から言うと、契約社員から正社員に問題なく転職することは可能です。
採用担当者は前職の雇用形態よりも、前職でどのような仕事をしてきて、どのような成果を収めたのかという点を見ています。
契約社員であっても、裁量の大きい仕事をいくつも与えてもらったのではないでしょうか?
前職の雇用形態にとらわれるのではなく、前職での経験を「書類選考」「面接」でアピールするようにしましょう。
そうすることで、契約社員であっても正社員に転職することはできるので安心してくださいね。
ただ、採用担当者の一部に契約社員を良く思っていない人も中にはいます。
契約社員に対して「簡単な業務しかまかされていなかったのでは?」「補助の仕事しかやってないでしょ?」などネガティブなイメージを持つ人もいます。
ネガティブなイメージを持った人に対して、選考でどのようにアピールできるかも重要になりますので、事前に準備しておくようにしましょう。
契約社員から正社員に転職できる人の特徴3選
契約社員から正社員に転職できる人の特徴は共通しています。
転職を成功させている人の特徴として、次の3つがあげられます。
- 仕事で成果が出せる
- 仕事に対する熱意が誰よりも強い
- ビジネスマナーが身についている
この特徴をおさえれば、契約社員から正社員に転職することも夢ではありません。
転職活動を成功させるためにも3つの特徴を詳しく理解しておきましょう!
①仕事で成果が出せる
正社員になるためには、仕事で成果を出さなくてはなりません。
成果を出すことで、転職活動のアピール材料にもなります。
目に見える成果が無いと採用担当者へのアピールが難しいため、転職活動を失敗してしまうことも考えられます。
特に、契約社員に対してネガティブなイメージを持っている採用担当者の場合は、仕事で成果を出せることをアピールすることが必要です。
アピールすることで、企業側も正社員として働いている想像ができるので、採用されやすくなりますよ。
また、契約社員で成果を出していた場合は、今働いている勤務先から正社員としてオファーをされる可能性も考えられます。
契約社員で成果を出している人はそのまま正社員になるケースも多いので、契約社員であっても成果を意識して働いていきましょう。
②仕事に対する熱意が誰よりも強い
契約社員であっても、仕事に対する熱意が誰よりも強い人は一目置かれます。
そういった強い熱意を持った人は評価されやすいです。
仕事に対して熱意がある人の方が会社に貢献してくれると思いますよね。
「契約社員ではもったいない!正社員として働いてほしい!」と思わせることが大切です。
常に周りよりも高いレベルで仕事をこなすことで、自然と仕事に対する熱意も上がっていきますよ。
正社員として働きたいのであれば、熱意をもって誠実に仕事に打ち込んでみましょう!
③ビジネスマナーが身についている
ビジネスマナーが身についていなければ、正社員として雇用したくありませんよね。
正社員としての常識やビジネスマナーが無ければ、正社員に転職するどころか契約を切られてしまう可能性もあります。
それほどビジネスマナーは働くうえで重要視しなくてはなりません。
正社員として働きたいのであれば、ビジネスマネーを身につけておくようにしましょう。
会社は新卒社員のようにイチからビジネスマナーを教えてくれることはありません。
選考の際は細かいところまでチェックされているので、十分注意して選考に進むようにしてください。
契約社員から正社員への転職を成功させるためのポイント3選
契約社員から正社員への転職を成功させるためのポイントは、正社員でも契約社員でも大きくは変わりません。
採用担当者にどのようにアピールできるかが重要になってきますよ。
そのなかで、契約社員から正社員への転職を成功させるためのポイントとして次の3つがあります。
- 自分の強みをアピールする
- 入社したいという熱意を伝える
- 契約社員から正社員への途用を進める企業に入社する
それでは、順に説明していきます。
①自分の強みをアピールする
まず1つ目に、「自分の強みをアピールする」ということです。
自分の強みをアピールするためにはこれまでの経験を振り返る必要があります。
「これまでどのような仕事をしてきたか」
「仕事でどのような工夫をしたか」
「壁をどのように乗り越えたか」
など、具体的なエピソードを交えながら振り返ってみましょう。
契約社員から正社員へ転職を成功させるためには、決められたことをこなすのではなく、自分で考えて行動できるスタンスを伝えることが最も重要です。
ただ、「自慢できるような結果がない」という人も中にはいるはず。
しかし、採用担当者は自慢できる結果を知りたいのではなく、日々仕事を進めていくうえで何を考えて実行したかが知りたいのです。
今までの経験を洗い出して、具体的なエピソードを添えて語ることで説得力が増します。
ぜひ、実践してみてくださいね。
②入社したいという熱意を伝える
転職を成功させるための2つ目のポイントとして、「入社したいという熱意を伝える」ことが大切です。
選考では、スキルや強みをアピールすることは重要ですが、これまでの経験を活かして志望先の企業にどう貢献できるのかを具体的に説明すると良いでしょう。
なぜその企業には正社員として入社したいのかを明確にしておく必要があります。
「正社員になりたい」という思いが強いのは良いことですが、選考の際に正社員になりたいことだけを伝えてしまうのは良くありません。
採用担当者は「正社員になれればどの会社でもいいのかな?」と不安になってしまう可能性もあるからです。
そのため、「正社員になりたい」という気持ちは抑えて「この会社に入社したい」という熱意を伝えることがとても大切になります!
間違った熱意の伝え方はしないように注意しましょう。
③契約社員から正社員への登用を進める企業に入社する
転職を成功させるための3つ目のポイントとして、「契約社員から正社員への登用を進める企業に入社する」という点です。
現在は、契約社員から正社員への登用を進める企業も増えてきています。
もし、今働いている会社が正社員登用をしているのであれば、正社員登用を目指すのもありです。
また、転職活動をする際に契約社員から正社員への登用を積極的に行っている企業を狙ってみるのも一つの手ですね。
まずは、会社に正社員登用制度があるのかを確認してみて、制度があるようであれば、具体的に検討してみると良いでしょう。
契約社員から正社員になるためには、上司や同僚へのアピールが大切になります。
与えられた仕事をただこなすのではなく、どのように作業をすれば効率的に行えるのかなど、主体性を持って働くことが大切です。
契約社員として働いていても、頭一つ抜けているほど存在感をアピールしなくてはすぐに正社員にはなれないでしょう。
「契約社員のままではもったいない」と思わせるほどに仕事に取り組む姿勢が大切です。
契約社員から正社員を目指せる会社を探すコツは?
(出典元ページ:産業労働局)
契約社員から正社員を目指せる会社を探すコツとして、「中小企業」を狙うことをおすすめします。
東京都労働局のデータによると、過去3年間で契約社員から正社員に転換した社員が在籍している会社の95%が従業員100名未満の規模の企業といわれています。
また、中小企業では 「正社員転換制度」を導入することで助成金を得られるケースもあるそうですよ。
そのため、大手企業に比べて、積極的に契約社員を正社員登用する企業が多いです。
これから契約社員として入社して、ゆくゆくは正社員を目指していきたい人は中小企業に転職することをおすすめします。
正社員を目指す前に確認しておくべきこと
契約社員が正社員を目指す理由はどのようなものがあるでしょうか?
「正社員は安定しているから安心」
「正社員になればスキルアップできる」
など正社員に対してのイメージはそれぞれあるはずです。
しかし、そのような認識は間違っている可能性もあります。
「正社員として入社したけど、想像と違った」
と、ならないためにも事前に注意点を確認しておきましょう。
正社員だから安定は間違い
1つ目に確認しておかなければならない事として、「正社員だから安定は間違い」という点です。
正社員は挑戦できるフィールドも広く、昇給や昇進も契約社員に比べて見込めるでしょう。
「もっと会社で活躍したい!」「スキルを磨いていきたい!」という人にとってはおすすめの働き方です。
ただし、正社員だから安定しているというのは確実にいえることではありません。
「無期雇用」の正社員は安定していると思われがちですが、そんなこともないので注意しておきましょう。
例えば、勤務先の業績が急激に下がってしまえば解雇になる可能性も考えられます。
また、会社が倒産をして職を失ってしまった正社員も大勢いるのです。
また、会社の方針に合わせて転勤や部署異動をすることも考えられます。
正社員は安定して働けるという印象はありますが、100%確実に同じ会社・勤務先で働ける保証はどこにもないということは理解しておきましょう!
「正社員になれるかもしれない」という企業は注意が必要
2つ目に確認しておかなければならない事として、「正社員になれるかもしれない」という企業は注意が必要です。
企業によっては契約社員に対して「正社員になれるかもしれない」と淡い期待を持たせて働かせる企業も中にはあります。
ただ、契約社員から正社員になれる確率は僅かなため、ほとんどの契約社員が契約満了後は正社員になれないというケースも多いです。
「正社員として働けると思ったらから頑張ってきたのに…」
と後悔しないためにも、確実に正社員になるのかどうかを事前に確認しておく必要があります。
「正社員になれるかもしれない」などとあやふやな回答をする企業は入社したとしても正社員になれない可能性は高いです。
正社員として働いていきたいのであれば、入念に確認するようにしましょう!
目指しているビジョンに近づけるのか
最後に確認しておかなければならない事として、「目指しているビジョンに近づけるのか」という点です。
契約社員として働く人のなかには「正社員」を目標として転職活動をする人もいます。
仮に正社員として転職できたとしても、「思っていた仕事じゃなかった」などと不満を持ってすぐに辞めてしまうことも多いです。
正社員を目指すことは良いことですが、将来どうなりたいのか明確なビジョンを確認するようにしましょう。
ビジョンを明確にすることで、転職活動も有利に進められるようになりますよ。
自分のライフプランを立てて、仕事とプライベートどちらのビジョンも明確にしておくと転職を成功に導けます。
「正社員」として働くことを目標にするのではなく、将来どうなりたいかをしっかりと確認しておきましょう!
まとめ~契約社員から正社員に転職することは可能!転職後に後悔しないためにも自分に合った選択をしよう!~
契約社員から正社員に転職をすることは可能です。
転職活動で重要なことは、前職の雇用形態ではないということは理解していただけたでしょうか?
契約社員から正社員に転職を成功させるためのポイントとし下記の内容があげられます。
- 自分の強みをアピールする
- 入社したいという熱意を伝える
- 契約社員から正社員への途用を進める企業に入社する
転職を成功させるためのポイントをしっかりと理解してから転職活動に臨んでみましょう。
また、契約社員から正社員に転職できる人は下記のような特徴があります。
- 仕事で成果が出せる
- 仕事に対する熱意が誰よりも強い
- ビジネスマナーが身についている
もし、今の自分に足りないものがあると感じた人は意識して取り組んでみるのもいいですね!
また、安定しているからという理由で正社員を目指すのは注意が必要です。
このような考えを持っている人は転職活動を始める前に下記の内容を確認してみると良いでしょう。
- 正社員だから安定は間違い
- 正社員になれるかもしれない」という企業は注意が必要
- 目指しているビジョンに近づけるのか
転職後後悔しないためにも、本記事で説明した内容をしっかりと理解したうえ転職活動をしましょう!