「契約社員を辞めたい」
「契約社員って途中退職はできるのかな?」
など、契約社員で働いている人は疑問に感じた方も多いのではないでしょうか?
契約社員は有期雇用のため、将来に対しての不安や給与・待遇への不満から辞めたいと思う人も多いですよね。
結論から言うと、契約社員は契約期間中に退職することは原則できません。
ただし、場合によっては契約期間中に退職できることも。
本記事では契約社員が退職するベストなタイミングと注意点について解説していきます。
契約社員を辞めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
契約期間中の退職は原則不可
契約社員が退職する際、契約期間中の退職は原則不可です。
契約期間中に退職をしてしまうと規約違反になってしまいます。
円満退社を望むのであれば、契約満了時に退職するように心がけましょう。
また、契約期間中に退職をしてしまうと、転職活動が不利になってしまうケースも考えられます。
面接時に「なぜ途中退職してしまったのか?」と必ず聞かれるはずです。
その際に正当な理由が無かったら、あなたに対して面接官はマイナスイメージを持ってしまう可能性が高いため、契約満了まで働くことをおすすめします。
ただ、1年を超える契約期間で1年以上の勤務した場合は、契約途中でも退職して問題ありません。
例をあげると、3年契約で2年勤務している場合は、3年働いていなくても退職ができるということです。
契約社員が退職できるタイミングは「契約満了時」か「契約更新時」
契約途中に退職することは原則不可ということを理解していただけたのではないでしょうか。
では、契約社員が退職するタイミングはいつがいいのでしょうか。
それは、「契約満了時」か「契約更新時」で退職をすると良いでしょう。
タイミングを見極めることで会社にも迷惑をかけずに円満退社ができます。
ではそれぞれの退職方法を確認してみましょう。
契約満了時で辞める場合
契約満了時で退職をする場合は、基本的に退職届を提出する必要はありません。
雇用契約が満了したということになりますので、自動的に契約解除になりますよ。
契約社員が退職する際に、一番スムーズに辞められるタイミングといえるでしょう。
また、契約社員の雇用期間は最大でも5年と定められています。
そのため、企業側が5年以上契約社員を雇用していきたいと判断した場合は、「無期雇用」に切り替える必要があります、
場合によっては、契約満了のタイミングで「無期雇用として働いてほしい」と相談される場合があります。
話をもらった場合は、自分の働き方に合っているのかを考えてから返答するようにしましょう。
ただし、無期雇用の話をもらえることはごく稀です。
基本的には契約解除になることが多いので、あまり期待しないようにしてくださいね。
契約更新時に辞める場合
次に契約更新時に辞めるケースについてお伝えします。
先ほどもお伝えした通り、契約社員の契約期間の最大年数は5年とされています。
その間に、半年~1年ごと契約更新手続きをおこなう必要があるんです。
この契約更新手続きをおこなうタイミングで退職もできます。
契約更新時に辞める場合は、契約期間満了時と同様で退職届などは基本的に必要ありません。
ただし、注意点として、契約更新時に退職する場合は事前に退職する旨を伝えておきましょう。
最低でも1か月間までに伝えておくと、企業側にもめいわくをかけずにやめられますよ。
また、会社によっては退職の意思を伝えるタイミングが定められている可能性も考えられます。
退職を考えている方は事前に確認しておくと良いですね。
やむを得ない事情があれば契約期間中に退職できる
「契約満了時」や「契約更新時」に退職することがベストタイミングということをお伝えしました。
原則、契約期間中は退職をすることはできません。
ただし、「やむを得ない事情」がある場合は特例として、退職できる可能性もありますよ。
では、やむを得ない事情とはどのようなものがあげられるでしょうか。
次のようなものがあげられます。
- けがや病気などで働けなくなった
- 家族の介護が必要になった
- 職場でハラスメントを受けた
- 企業と話し合って承諾をもらった
上記に該当した場合は、やむを得ない事情と判断されて退職ができるでしょう。
それでは詳しく説明していきます。
①けがや病気などで働けなくなった
まず1つ目に、「けがや病気などで働けなくなった」場合です。
契約本人がけがや病気にかかってしまい、働けないと判断された場合は、やむを得ない事情に該当します。
また、企業側は基本的には、契約社員のけがや病気を理由に一方的に契約の解除はできません。
ただし、「けがや病気が完治したときには契約期間が満了している」「けがや病気により業務に大きな支障が出ている」などの場合は契約を解除できます。
このように理由によっては、企業側から契約解除をされる恐れもありますので、注意しておきましょう。
基本的にはけがや病気で契約解除になることはありませんので、安心してくださいね。
②家族の介護が必要になった
2つ目に、「家族の介護が必要になった」場合です。
契約社員の家族の介護が必要になった場合は、やむを得ない事情と判断されます。
退職を希望すれば辞められますが、「今すぐに退職したい」ということは厳しいでしょう。
企業側はなるべく柔軟に対応してもらえるはずですが、業務の引継ぎ等もあるため、早めに伝えると良いですよ。
しかし、すべての企業が受け入れてくれるわけではありません。
事情に応じて柔軟に対応する企業は増えていますが、必ず退職できるというわけではありませんので、覚えておきましょう。
③職場でハラスメントを受けた
3つ目に、「職場でハラスメントを受けた」場合です。
ハラスメントにはさまざまな種類があります・
例をあげると、「セクシャルハラスメント」「パワーハラスメント」「アルコールハラスメント」「モラルハラスメント」など、あげたらきりがありません。
そのため、何がハラスメントになるのかが分からない部分もありますよね。
社内規定に反しているかどうかが一つの基準になりますので、参考にしてみると良いでしょう。
もし、ハラスメントが起きていた場合は、契約社員の退職を企業側は止める権利は一切ありませんので、思い切って退職したいと伝えましょう。
④企業と話し合って承諾をもらった
最後に、「企業と話し合って承諾をもらった」場合です。
企業側と契約社員側で話し合って了承をもらうことで、企業側とのトラブルを防げます。
契約期間内の退職は契約違反になってしまいますが、企業側が承諾したのであれば問題ありません。
ただし、企業側を納得させなくては円満に退職できないと思ってください。
また、企業側は契約期間中であれば契約社員の退職願いを拒否できます。
必ず企業側がやむを得ないと判断できる、納得感のある退職理由を伝えるようにしましょう。
契約社員が退職する理由5選
契約社員が退職をするタイミングは理解できたはず。
では、契約社員が退職したいと思う理由はどのようなものがあげられるでしょうか?
次の5つがあげられます。
- 将来が不安
- ハードワークすぎる
- 給与が上がっていかない
- 人間関係がストレス
- 仕事にやりがいを感じない
それぞれ詳しく説明していきます。
①将来が不安
契約社員は退職したいと思う理由1つ目に「将来が不安」という点です。
契約社員は正社員とは違いは、「有限雇用」です。
どんなに長くても、ひとつの職場では5年までしか働くことはできません。
会社によっては「無期雇用」に転換も可能ですが、基本的には契約満了と共に退職をしなくてはならないケースがほとんどといえるでしょう。
また、契約の更新のタイミングで契約解除になることも考えられます。
そうなってしまっては、いつ契約を解除されるのか不安になってしまいますよね。
そんな不安を抱えながら働くことは、とてもストレスになるでしょう。
契約社員として、将来に不安を抱えながら働くよりも、正社員として安定した仕事に就きたいと考える人は多いようです。
②ハードワークすぎる
契約社員は退職したいと思う理由2つ目に「ハードワークすぎる」という点です。
契約社員は正社員に比べると、サポート業務が多く、責任が少ないと聞いたこともあるのではないでしょうか?
実際、契約社員は責任の少ない仕事を任されることが多いですが、会社によっては正社員以上に責任ある仕事を任せられることも。
そのため、想像以上にハードワークになってしまい、退職したいと考える契約社員も多いようです。
また、契約社員はどれだけ仕事で結果を残しても給与は変わりません。
目に見えた評価をしてもらえなければ、モチベーションの維持はできないですよね。
そういった点から退職を検討する契約社員は増えています。
③給与が上がっていかない
契約社員は退職したいと思う理由3つ目に「給与が上がっていかない」という点です。
契約社員は正社員に比べて、給与が安い傾向にあります。
また、先ほどお伝えしましたが、正社員は毎年正当な評価をうけて給与に反映されることが多いですが、契約社員は昇給されることはほとんどありません。
他にも正社員は賞与や退職金が出る企業がほとんどですよね。
一方、契約社員は賞与や退職金が出ることはほとんどありません。
出たとしても、ごくわずかな金額でしょう。
場合によっては、アルバイト・パートより給与が劣ってしまうケースもあるため、契約社員として働きたくないと考える人もいます。
④人間関係がストレス
契約社員は退職したいと思う理由4つ目に「人間関係がストレス」という点です。
契約社員に限られたことではありませんが、人間関係がストレスに感じて退職をする人も多いです。
人間関係がうまくいかなければ、どんなにやりたい仕事であっても、職場に行きたくないですよね。
また、契約社員は正社員に比べて立場が低く扱われてしまうこともあるようです。
契約社員という理由で、職場の人から冷たくされてしまうことや業務の共有をしてもらえないなど、仕事に支障を起こしてしまうケースもあります。
人間関係のストレスは身体的にも精神的にも大きな負担となってしまうでしょう。
⑤仕事にやりがいを感じない
契約社員は退職したいと思う理由5つ目に「仕事にやりがいを感じない」という点です。
契約社員はサポート業務をおこなうことが多いため、簡単な仕事が多いです。
誰でもできるような仕事を任されることもあります。
そのため、周囲の正社員が生き生きと働いている中、毎日同じ仕事を繰り返すことに不満を感じる人も少なくはないでしょう。
単調な仕事が多い契約社員では、モチベーションを保つことは難しいと感じる人も多いようです。
仕事にやりがいを求めるのであれば、契約社員は合わないのでおすすめしません。
契約社員が退職する際に知っておくべきことは?
正社員が退職する場合、多くの企業は退職金を支払います。
一方、契約社員が退職する場合は、基本的には退職金は支払われません。
しかし、有期雇用契約を結んでいる正社員であれば、「満了金」が支払われる可能性も。
ほかにも、「失業手当」が受け取り可能になるケースもあります。
ただし、条件を理解しておかなくて、「満了金」「失業手当」が支給されないこともあります。
契約社員が退職する際に損をしないためにも、これからお伝えする内容はしっかりと理解しておきましょう。
①退職する際に満了金をもらえる可能性がある
契約社員は、契約期間が満了して退職する場合は、満了金を受け取ることができます。
満了金には、「契約期間満了まで働いてくれてありがとう」という意味が含まれており、賞与のような役割とされています。
賞与のような役割のため、企業側は必ず満了金を支払わなければならないということはありません。
事前に満了金の支給があるかどうかの確認をしておくようにしましょう。
万が一、契約書に満了金の支払いの記載がある場合は、満了金を受け取る権利があります。
契約書に記載があるにもかかわらず、支給されない場合は企業側に必ず聞くようにしましょう!
②失業保険がもらえる
次に、契約社員であっても条件を満たしていれば失業保険がもらえます。
失業保険を受け取る最低条件として、社会保険や雇用保険への加入は必ずしておかなくてはなりません。
そして、12か月間雇用保険を支払っていれば、契約期間満了や途中退職どちらの契約社員であっても失業保険を受け取れます。
ただし、退職理由によって給付制限は異なりますので、注意しておきましょう。
自己都合による退職の場合
自分から退職をする旨を伝えた場合は、自己都合による退職となります。
自己都合で退職をする場合は退職するまでの2年間で、雇用保険に12か月以上加入している必要があるという条件が必要です。
そして、自己都合による退職で失業保険を受け取る場合は、申請してから7日間待機期間があります。
また、2か月の給付制限を待ってから失業保険が給付されますよ。
会社都合による退職の場合
会社都合の場合は、働いた期間は関係なく、給付制限なしで失業手当を受け取れますよ。
そのため、申請してから7日の待期期間後に支給されます。
ただし、離職票の記載がしっかりと会社都合になっていること確認しましょう。
もし、記載が間違っている場合は、修正してもらう必要がありますので、事前にチェックしておくと良いですね。
電話やメールで退職したい旨を伝えるのはやめよう
「退職したい」と直接言うのは伝えにくいですよね。
電話やメールで退職したい旨を伝えるのはいいのか、と考える人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、退職したい旨は必ず直接伝えるようにしましょう。
法律上は、電話やメールで伝えることは問題ありません。
ただし、社会人として電話やメールで伝えるのはマナー違反です。
給料を支払ってもらい、働かせてもらった職場に対して迷惑をかけないためにも直接伝えることをおすすめします。
直接伝えることで、企業側に納得感を持たせることができますよ。
そのため、円満に退社できる確率がぐんと上がります。
退職を伝える際は面倒くさがらず、必ず直接伝えるようにしましょう。
契約社員が途中退職した場合、損害賠償を請求される可能性もある
契約社員が途中で退職をした場合は、損害賠償を請求されるケースは無いとは言い切れません。
契約期間が決められているにも関わらず、途中で退職するのは契約違反です。
契約違反の場合はペナルティが課せられてしまうことがあるということは覚えておいてください。
ただし、損害賠償を請求する場合は、企業側は具体的な損害額を提示しなくてはなりません、
また、訴える手間と費用も企業側が負担する必要があります。
そのため、ほとんどの企業は損害賠償を請求することは無いでしょう。
損害賠償を請求される可能性が低いからといって、契約違反をしても許されるわけではありません。
もし、途中で退職したい場合は誠心誠意をもって退職手続きをするようにしてくださいね。
まとめ~契約社員が退職する際は注意が必要。正しい方法を知って円満退社をしよう~
契約社員が退職する際のタイミング・注意点について理解いただけたのではないでしょうか?
契約社員として働いていくなかで懸念点が人それぞれあるはずです。
今すぐ辞めたいと思っている人も多いはずですが、必ず退職するタイミングは守るようにしてくださいね。
退職すべきタイミングとして、次の2つがあげられます。
- 契約が満了したとき
- 契約を更新するとき
また、契約途中の退職は原則認められません。
認められるケースは次のような理由が無くてはなりません。
- けがや病気などで働けなくなった
- 家族の介護が必要になった
- 職場でハラスメントを受けた
- 企業と話し合って承諾をもらった
円満に退職をするためにも、退職をするタイミングは間違えないようにしましょう。
契約社員として働くうえで、退職を考えている人は本記事で紹介した内容を理解して退職に向けて行動していくと良いですよ!