「子育てと仕事のどちらも手を抜きたくない」という真面目な方ほど、働き方に迷っているのではないでしょうか。
私も、そんなワークライフバランスの森の中でさまよっている主婦の1人です。
40代の氷河期世代でもあり、たいした学歴も資格も持っていないため、今まで様々な雇用形態で働いてきました。
正社員・派遣社員・契約社員・パート・業務提携契約など非正規雇用ばかりです。
職歴が細かすぎて経歴欄に書ききれません。
「履歴書が汚ない」なんて採用側に言われてしまいそうな状態です。
20年以上も子育てをしながら主婦として働いてきた実体験を元に、派遣と契約社員のどちらが働きやすいのか本音をぶちまけていきたいと思います。
主婦なら派遣と契約社員のどちらがいいのかの結論
いきなり結論を言ってしまうと、子育てしながら働く主婦には派遣で働く方が満足度が高いという結果となりました。
あくまでも私個人の感想ですが。
私が契約社員で働いた経験は11年になります。
一方、派遣社員で働いたのは4年です。
なぜ、長く働き続けた契約社員よりも派遣の方がよかったのかを経験談を交えながら詳しく説明していきますね。
子育てしながら派遣で働いた時に感じたこと
派遣での就業を選んだ時には、何らかのマイナス要因を抱えていたタイミングと重なります。
鬱病を患っていたり、妊娠中だったり、病気しがちな乳幼児を子育て中だったり。
そんな、長く仕事を続けられるか不安な時に選んだのが派遣だったのです。
派遣の場合、女性や病気といった個人的な理由で仕事の紹介を制限されたことがありません。
それは法律違反に該当するそうです。
あくまでも、資格や経歴といった業務を遂行する能力のみで判断してもらえます。
だからこそ、闘病中でも妊娠中でも全く問題なく就業先を見つけることができました。
パソナテックで派遣の仕事をした時は、妊娠5か月の安定期に突入し、つわりも治まっていたので3か月だけの短期派遣をダメ元で探してみたのですが、理想的な派遣先を見つけることができ、大きなお腹になっても安心して期間満了日まで働くことができたのです。
大企業でのAccessVBAとマニュアル作成が担当だったのですが、得意分野で納期までのスケジュールも余裕があり、とても働きやすい職場でした。
エントリーした時点では、「妊婦の私なんてまず選ばれないだろう」と思い込んでいたんですよ。
全くそんなことはありませんでした。
現在も派遣2社で就業中なのですが、派遣会社から年齢すら聞かされていないようで、何か月も経ってから恐る恐る年代を聞かれました。
30代なのか40代なのか、聞かないと見た目では判断できなかったそうです。
セクハラやパワハラといったハラスメントに慎重な対応を取る就業先が多く、ランチ中の雑談だったとしても、パーソナルな質問はかなり遠慮がちにされます。
派遣社員が主役のドラマ『ハケンの品格』で表現されていたような差別を受けることなど皆無で、派遣社員の立場から見るとフィクションやファンタジーとしか思えません。
また、契約期間が2か月単位と短いため、「もうこれ以上、働き続けられない」となった時に辞めやすいことも魅力です。
正社員や契約社員だったとしたら、短期間で退職するハードルが高いですよね。
面接の時に確認した話と違っていたとしても、年単位で働き続けなきゃいけないなんて想像するだけでゾッとします。
派遣なら、フォロー担当からの更新確認時に「次回の契約更新はしません」と返事をすればいいだけ。
不満を抱えながら我慢して働き続ける必要がありません。
そもそも、就業前に明確に仕事内容と担当者を把握できるので、実際に働き始めてから「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを抱えにくいのです。
派遣先への会社訪問時に、上司となる人から直に仕事内容の具体的な説明を聞くことができるため、違和感を持ったら就業しなければいいのです。
次のエントリーを見つけましょう。
仕事を探し始めてから就業開始日までもスピーディー。
条件の良い仕事にエントリーしておくと、すぐに派遣会社から会社訪問の日程確認の連絡が入り、都合が合えばとんとん拍子で数日以内に勤務開始となるケースもありました。
スマホ一つで全て完了するので、子育て中でも仕事を見つけやすいのではないでしょうか。
子どもがお昼寝している時に、抱っこしながら片手で仕事検索してました。
就業してから半年経過すると、有給休暇も法定通りにきちんと付与されます。
いつも消化率100%で有給をしっかり使い切っていますよ。
当然の権利ですもの。
残業代も1分単位で支払ってもらえるので、ちょっとした残業も快く受けることができています。
この後の契約社員での経験談が、有給ゼロ・サービス残業当たり前だったのでグチ口調になってしまっていますが、派遣で働くと、法律やルールに守られ、ホワイトな環境で安心して働くことができるのです。
そのため、家庭のことにも忙しい主婦にこそ派遣がよいと、心からおすすめできます。
子育てしながら契約社員で働いた時に感じた辛さ
一方、契約社員で働いていた時には、モヤモヤと消化しきれない不満を抱えながら働いていました。
もちろん、契約社員で採用された職場が中小企業ばかりで、経営者に法律知識も乏しかったということも大きな要因だと思います。
福利厚生や就業規則の整った大企業の契約社員なら、私の経験したようなブラックな職場環境とは無縁なのかもしれません。
それは、経験できなかったので、残念ながらわかりません。
私が契約社員で働いたときに感じた不満を一つずつ語らせてください。
まず、3社とも、社会保険に加入させてもらえませんでした。
1社は、週4日で10時から14時までの4時間という短時間勤務の契約だったため、法定通りで全く問題ありません。
しかし、週5日で9時から17時までほぼフルタイム勤務だったシステム会社さえ、社会保険に加入させてもらえなかったのです。
その後、会計事務所に週3日7時間勤務で転職しましたが、厚生年金と健康保険未加入どころか雇用保険にすら加入させてもらえなかったのです。
週20時間を超えたら雇用保険は強制加入なため、明らかに法律違反です。
何度も社会保険加入手続きをお願いしましたが、のらりくらりと逃げられ続けたため、今年の3月に退職したところです。
9年以上働き続けた職場だったのですが、こちらの人生を全く考えてもらえなかったようで悲しい気持ちになりました。
表面的には、いい人ばかりでいい職場だったのですよ。
ただ、従業員としてのあたりまえの権利を守ってもらえないだけで。
社会保険未加入だった2つの勤務先は、有給も残業代も、全く支給されることはありませんでした。
法律の知識を持たない主婦だとバカにされていたのでしょうか。
真面目に働いていたらいつか報われると願いながら文句も言わずに必死で働いていたのですが、搾取され続けただけでした。
契約社員の時の私の時給は、常に最低時給すれすれな状態でもあったのです。
年1回の昇給も時給50円アップとか。
世の中の相場が上昇しても、ずっと私の時給は低いまま。
会計事務所では、確定申告時に2か月間の短期バイトを募集するのですが、そのチラシを自分で作っていて悲しくなっていました。
時給1050円の契約社員に時給1400円の求人募集を作成させる無神経さってなんなのでしょう。
この後、会計事務所の正社員が突然退職し、その人の仕事を私に丸投げされてノルマと業務量、責任まで倍増しても、時給も社会保険加入も先送りされてしまったため、退職を決意したのでした。
システム会社に退職の意向を伝えた時は、会議室で社長から1時間罵倒され続けました。
相場通りの時給を支払ってくれて、法律に則って社会保険に加入してくれれば、辞めたいとは思わなかったのですが、会話にならないのなら退職するしかないんじゃないでしょうか。
私自身も何度も引っかかってしまったのですが、主婦をターゲットにした悪質な職場があちらこちらに存在するのが日本の現実。
「なかなか仕事が見つからない主婦なら安い時給でも文句言わないだろう」「主婦なら最低時給で扶養の範囲でも生活できるだろう」と古い考えを持って、責任や能力に関係なく主婦というだけで最低時給に据え置き続け、社会保険にも加入させてもらえない職場があるのです。
本当に気をつけてください。
面接時に細かく勤務条件について確認したとしても、入社してみると職場内の誰一人として有給を消化していなかったり、サービス残業が慣例化していたり、ある程度の期間働いてみないと実態がわからないことも多かったりします。
いくら社内規則や求人募集でキラキラとした素敵な条件が並んでいたとしても、取り繕ったハリボテのだったとしたら何の意味もありません。
主婦の視点で語る派遣と契約社員のメリットとデメリットまとめ
派遣と契約社員、それぞれにメリットとデメリットがあります。
自分が仕事を選ぶ先に、絶対に譲れない条件を整理してから仕事を探してみると、理想の働き方を見つける近道になるかもしれません。
実体験を元に、派遣社員と契約社員のメリット・デメリットを表にまとめてみました。
派遣 | 契約社員 | |
---|---|---|
メリット |
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デメリット |
|
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派遣社員の大きなデメリットとしては、契約期間が短く先を読めないこと。
私自身も、3か月単位で更新している派遣社員ですから、世の中の景気が悪くなるのを肌に感じると、
「次の契約更新はないかもしれない」
「派遣切りに合ったら40代後半の主婦に次の仕事が見つかるのだろうか」
と、強い不安に襲われてしまいます。
このコロナ禍の中でも、女性の失業者だけが倍増えたのです。
景気が良く人手が足りない時には雇用され、必要なくなったら真っ先に解雇されているのが非正規雇用の私たち女性です。
派遣社員だろうが契約社員だろうが雇用形態を問わず、切られる時は切られてしまうのですから、少しでも条件がいい職場で稼いでおこうと腹を括ることにしました。
派遣の雇い止めをされて次の就業先を紹介してもらえないとしたら、会社都合での退職となるため、7日間の待機期間後に失業保険がすぐに受給できる可能性があります。
契約社員で勤務中は夏と冬にささやかな賞与がもらえるのが嬉しくて、ずるずると働き続けてしまったわけですが、冷静になって計算してみると、賞与を加算しても実質時給は1200円前後という結果でした。
今までに経験してきた派遣の時給は最低でも1700円だったので、全く勝負になってない訳です。
次に仕事を探す時に選ぶのは?
まことしやかにささやかれる派遣50歳限界説もあるので、いつまで派遣でお仕事を続けられるのかという不安もあります。
特に、新型コロナウィルスで派遣の仕事自体が激減していると教えてもらいました。
派遣会社自体もかなり厳しい経営状態にあり、雇用調整されている状況なのだそうです。
それでも、次のお仕事も派遣から探し始めるつもりでいます。
その理由は、働き始める前に、業務内容から職場環境まで細かく確認をしてから職場を選ぶことができるからです。
もう40代後半にもなって、仕事探しに多く時間を取られたくないですし、ブラック企業に搾取されているほど人生の時間も残ってないですから。
書いてて悲しいですけど。
もし、契約社員で働くことを選ぶとしたら、厳密な雇用契約書を交わすことを絶対条件にします。
中小企業ならば、こちら側で自分の譲れない条件を全て盛り込んだ雇用契約書を作成して、押印してもらわないと働きません。
うやむやにされがちな有給・残業代・社会保険・退職金・昇給基準・賞与支給額の算出方法など、最初に契約書ではっきりとさせておいた方が、後々楽になることをアラフィフになってやっと学びました。
契約書だけでも不安が残るため、数か月間のトライアル期間も契約条件に入れるかもしれません。
本当に、40代後半で人生の折り返し地点をとうに過ぎてしまっているので、就職ガチャでハズレを引いて捕まってるわけにはいかないのです。
派遣社員と契約社員の両方で働いてきた体験談を元に、どちらの働き方がいいのか、一つの結論を書かせていただきました。
派遣の場合、首都圏に条件の良い仕事が集中してしまっているため、お住まいの地域によっては全く参考にならないかもしれません。
それでも、社会人になって母になって何十年と仕事をしてきて、少しずつですが働く環境は改善されていることも感じています。
今もコロナウィルス対策として、派遣社員でも毎日在宅ワークができています。
景気に左右されがちな派遣ですが、諦めずに、スキマ時間に仕事検索をしていると、いいご縁が見つかるかもしれません。