「職場見学をします」って派遣会社の担当スタッフに言われたんだけど、職場見学ってなに…?
派遣先企業と派遣スタッフ双方が就業決定するのに必要な顔合わせみたいなものです!
派遣社員として働く前に、この職場見学は重要な役割を果たします。
就業前にご自身と会社とのミスマッチを防げるので、しっかり押さえるべき内容です。
派遣の職場見学って何をするの?
派遣社員としてこれから働く方には、「派遣の職場見学って何だろう」とお考えの方もいらっしゃいますよね。
登録会(職場見学の前に派遣会社とおこなう事前面談)とは違うのですが、未経験の方はよく勘違いされるところですので、気をつけましょう。
職場見学=顔あわせ
「派遣先の会社は、事前面接で派遣社員を選んではならない」という内容の法律が存在します。
とはいえ派遣先企業からすれば、期待しているスキル経験が不足している派遣スタッフを社員として迎えたくはありません。
また、派遣スタッフからしてもどんな職場に派遣されるのかわからないままだと不安ですよね。
こうした派遣先企業と派遣スタッフ双方が安心して就業決定できるよう、職場見学があります。
ただ、今後は事前面接が解禁されるのではないかということも囁かれています。
職場見学での1日の流れ
一般的に職場見学は以下の流れで進んでいきます。
職場見学の流れ
- 派遣会社の営業担当と事前に待ち合わせ
- 派遣会社の営業担当と打ち合わせ
- 自己紹介
- 職場見学
- 質疑応答
職場見学はこのような流れで進んでいきます。
だいたい30分程度で終わるものですので、長丁場ではありません。
ただし、派遣先企業によってはもう少し長くなることもありますので、事前に派遣会社の営業担当に確認をとるべきです。
確認を取った際に「職場見学自体は10分で、実際の面談の20分のうち、10分は会社説明です」などと言われたら、残りの10分は質疑応答になると判断できます。
こうすることで職場見学当日の全体像が把握できるため、スケジュールの詳細までチェックするべきです。
職場見学は、派遣スタッフと派遣先企業がお互いのことを理解し合うチャンスです。当日のスケジュールを事前に把握したら、限られた時間を有効に活用するため、派遣先企業への質問を準備しておきましょう。
職場見学は採用に関係する?
どんな人が採用につながりにくいのか
職場見学は多少ながら採用に関係します。
今回は職場見学で採用につながりにくい人の特徴を紹介しますので、同じことを起こさないように気を付けましょう。
職場見学で採用につながりいくい人の特徴は以下の3点です。
- 社会人として常識が欠如している
- 応募者本人のスキル不足
- 謙虚すぎる
以上3つのうち上2つは想定できますよね。
最後の「謙虚すぎる」というのは「自信がない」ように見えることがあります。
あまりにもあれもできますこれもできますと言いすぎると嘘だと疑われかねないので、謙虚にいこうとする人もいます。
その結果「この人は自信がない人だ」と思われ、採用につながりにくくなります。
「派遣社員として自社へ受け入れられない」と思われたら不採用になりかねませんので、気を付けましょう!
派遣の職場見学と面接のちがいは?
営業担当との打ち合わせの有無
職場見学の場合、派遣先企業との顔合わせの前に、派遣会社の営業担当との事前打ち合わせがあります。
顔合わせで、派遣先企業から聞かれることを事前に教えてくれます。
このタイミングで気になること・わからないことがあれば、どんどん聞いておきましょう。
尋ねられることが若干異なる
例えば、一般的な会社であれば面接で以下のことを中心に聞かれます。
- 企業への志望動機
- 経歴
- 長所や短所
- 企業、業界を選んだ理由
一方、上記のことは派遣の職場見学では聞かれなく、主に以下の項目を聞かれます。
- 職歴(スキルや経験の有無)
- 出勤可能日の確認
- 派遣先企業の業務ができそうかどうか
おおよそこれくらいのことは聞かれます。
これら以外に、残業ができるか否か、休日出勤はできるのかなど、本音では答えにくい質問をされることもあるため、ある程度想定した上で職場見学に臨みましょう。
履歴書・職務経歴書が必要かどうか
一般的な企業であれば面接時に履歴書・職務経歴書が必要です。
それに対して、派遣の職場見学において履歴書・職務経歴書は不要です。
その際、ご自身の職歴は口頭で伝えることになりますが、営業担当の方はあらかじめ派遣スタッフの情報を把握しているため、フォローしてくれます。
職場見学での派遣先企業のNG行為
派遣の職場見学で禁止されている行為は、以下の3つです。
- 適性検査またはテスト
- 履歴書・職務経歴書の提出
- 年齢を絞った募集
①適性検査
適性検査またはテストは、面接と同様に派遣先企業がやってはいけない行為とされています。
仮におこなっても派遣先企業は、その結果をもとに受け入れないという判断をしてはいけません。
②履歴書・職務経歴書の提出
派遣スタッフの個人情報がわかってしまうため、履歴書や職務経歴書の提出はNGとされています。
ですが、紹介予定派遣の場合はそれが認められているため注意です。
③年齢を絞った募集
派遣先企業は年齢を限定した募集もしてはなりません。
たとえば「30代の方のみ募集」のような言葉で募集をかけてはいけません。
ただし、「派遣先企業の平均年齢」や「若者の多い職場」といった表現をすることはあります。
職場見学の準備は忘れないように!
何事にも準備を徹底しなければ成功はしません。
派遣の職場見学ですべき準備は以下の6つです。
- 職場見学での身なり
- 職歴をどう説明するか確認
- キャリアシートには事前に目を通す
- 質疑応答の想定
- 「最後に質問などはありますか」の問いへの対応
- 派遣先企業のホームページを確認
準備① 職場見学での身なり
人と顔をあわせる以上、最低限の身なりは押さえておきましょう。
特に女性の場合は考慮すべき点が多いため、注意が必要です。
職場見学での適切な身なり
⑴服はスーツorオフィスカジュアルで
黒や紺のジャケット・スカートが無難です。
派遣先がオフィスカジュアルな服装を推奨していたとしても、はじめは落ち着いた色の服で臨みましょう。
⑵髪の毛はまとめておく
髪の毛の整え方も、相手からの第一印象に大きく影響します。
手入れされていないボサボサの髪では相手に好印象を与えることができません。髪を結んで清潔感を出しましょう。
⑶お化粧はほどほどに
職場見学の前に、うっかりお化粧しすぎる方もいらっしゃいますので、注意しましょう。
いわゆるナチュラルメイク程度に抑えて見学に臨みましょう。
⑷その他持ち物
派遣先の情報をメモするための筆記用具は持参すべきです。
準備② 職歴をどう説明するか確認
職場見学する前に、ご自身の職歴をまとめた書類(キャリアシートなどと呼ばれます)が派遣会社から派遣先企業に送られます。
なお、法律上、「派遣スタッフを特定することを目的とする行為」に触れてしまうため、このシートには名前やこれまで勤務してきた企業名は記載されていません。
書類の 中身は詳細に書かれているわけではなく、大まかに記載されていることが多いです。
在職経験のある職についても記載はされておらず、担当業務内容の記載も要約されていることがほとんどです。
ちなみに、キャリアシートはおおよそ以下のように記載されます。
そして職場見学の際には、このキャリアシートをもとに職歴の説明がなされます。
職歴説明は、次の3通りの方法で執り行われます。
- 派遣会社営業担当の方が職歴を説明し、ご自身でも補足の説明
- ご自身で職歴すべてを説明
- 派遣先企業の方が職歴に関する質問をし、それに答えて説明
とはいえ、いきなり職歴説明となると流暢に話せず、本当に伝えたいことが派遣先企業のほうへ伝わりません。
そのため、派遣会社の営業担当の方に、どのように職歴説明をしていくのか事前に確認をとりましょう。
準備③ キャリアシートには事前に目を通す
職場見学の当日になって派遣会社の営業担当から、「本日はこのキャリアシートをもとにご自身の職歴を説明してください」と言われても、肝心な説明の時にアタフタするのは目に見えています。
そのため、キャリアシートを前もってメール等で送信してもらい、チェックをしておくことを強くおすすめします。
職場見学での質疑応答の時間に聞かれそうなことも想定して万全な体制で望みましょう。
準備④ 質疑応答の想定
質疑応答の際に聞かれることは概ね決まっていますが、個人情報(学歴・経歴など)を聞くことは派遣法の違反になるため、基本的に聞かれることはありません。
職場見学の質疑応答での質問例
- 「お仕事への意気込みを教えてください」
- 「今までの業務経験を教えてください」
- 「これまでに取得されたスキル・資格を教えてください」
これら3点は職場見学の質疑応答の際に聞かれることが多いです。
業務経験についての質問は、職歴や経歴のことを聞いているのではなく、あくまで「能力の確認」です。
業務経験だけを聞いて採用・不採用の判断をすることはありませんので、安心してくださいね。
準備⑤ 「最後に質問などはありますか」の問いへの対応
面談が終わろうとするとき、「最後に質問などはありますか」と聞かれます。
ただ、ここで準備を怠ってしまうと、せっかくの派遣先企業に直接質問できるチャンスを逃すことになります。
生の情報ほど貴重なものはありませんので、聞けるタイミングでしっかり聞いておきましょう。
具体的には以下のような質問を投げかけるのが良いです。
最後の質問で聞くべき内容
- 「部署の男女比構成を教えてください」
- 「年間での繁忙期を教えてください」
- 「求人では△月から就業開始可能となっていますが、延びることはありますか」
とにかく適当に質問すればいいやというわけではなく、以上のような意味のある質問をすべきです。
また、求人で掲載されていた内容と事実を確認することで、就業時のギャップを解消できます。
準備⑥ 派遣先企業のホームページを確認
まれに「ホームページをチェックされましたか」や「当社のことは何で知りましたか」ということを聞かれることもあります。
ここでスッと答えられるとようにしておくと派遣先企業からの印象も良くなり、スムーズに就業しやすくなります。
実際の面談で「当社の業務内容はご存知でしょうか」と尋ねられることはありませんが、事前に求人情報のみならずホームページにも目を通して、情報収集しておくことは重要です。
聞かれたとしたら、「ホームページを拝見しました」とすぐに答えたいですよね。
職場見学の結果が出るのはいつ?
顔合わせが終わってすぐに結果が出るケースもありますが、時間がかかるケースもあります。
職場見学の結果が出るのに時間がかかるときは?
顔合わせの結果が出るのが遅い理由としては、「他の派遣会社に対しても募集をかけているため、そちらでの顔合わせを終えてから結果を出そうとしていること」が最も多く挙がります。
ただ一つ覚えておいて欲しいのが、「基本的に即日で決まることはない」ということです。
顔合わせの最後に「後日、結果をお伝えします」と言われると思って臨むのが良いでしょう。
職場見学を終えてから辞退はできる?
職場見学を終えてから辞退はできますが、デメリットが大きいため、基本的にすべきではありません。
派遣会社では多くのスタッフが動いていますが、派遣会社側からすれば「職場見学しても辞退するような人」と見られてしまうため、仕事紹介を受けられる可能性も下がります。
今後のことも踏まえ、基本的には職場見学後の辞退はおすすめできません。
職場見学を成功させるには…?
職場見学に苦手意識があり、うまくいかない…なんて方もいらっしゃいますよね。
人と話すのが得意じゃない方からすれば、見学したくてもためらってしまうでしょう。
経験談をもとに職場見学を成功させるポイントをまとめた記事がありますので、こちら↓もぜひチェックしてみてくださいね!
職場見学後の辞退は、多くの関係者に迷惑がかかるため、よほどの理由がない限り避けましょう。稀なケースですが、事前に聞いていた条件待遇や仕事内容が違っていたなどの場合は、派遣会社に確認しましょう。不安を解消した上で、働き始めることをお勧めします。
事前面接が解禁されるかもしれない!?
派遣スタッフの個人情報を特定するのは法律で禁止されています。
ですが、「法律で禁止するとかえって派遣の促進を妨げるのではないか」「ある程度の事前面接・質問は許されるべきだ」という声が挙がるため、派遣法の改正が求められています。
事前にお互いの情報を把握し合うほうが、マッチング率の上昇が期待できます。
まだ確定ではありませんが、前向きの方向で話が進んでいるため、「事前面接が解禁されるかもしれない」とおさえておきましょう。