派遣社員として働く時に行われる「職場見学」。
派遣社員として働くことが初めての方は、一体何のことだかわかりませんよね?
- 何を見学するの?
- 絶対にやらないといけないの?
と不安になりますよね。
そこで、派遣経験豊富な著者が、職場見学を成功に導くためのポイントを伝授したいと思います。
「職場見学」とは?
派遣社員として働き始めるまでには、いくつかのステップがありますが、その中でも一番最後に行うのが「職場見学」です。
「職場見学」とは、実際に派遣先企業へ訪問し、採用面接を行います。「顔合わせ」とも言われます。
派遣社員として働くためには、この「職場見学」を行い、採用されなければなりません。
つまり、大変重要な場であるのです。
- 「面接」は苦手
- 緊張してうまくできたことがない
といった悩みをお持ちかもしれませんが、「職場見学」が他の採用面接と違う点が1つだけあります。
それは、派遣会社の担当者が同行してくれることです。
不安なことなどは、事前に担当者に相談するなどして「職場見学」には万全の大勢で挑みましょう!
職場見学が決まったらするべきこと
では、実際に「職場見学」が決まったら何をすればよいのでしょうか。
大切な面接の場ですので、下記に注意点を3つ挙げました。
- 所在地・所要時間・待ち合わせ場所の確認
- 当日の服装を決める
- 企業HPの確認
①所在地・所要時間・待ち合わせ場所の確認
「職場見学」が行われるまでに、派遣先企業の詳細は開示されていますが、念のため、所在地や自宅からの所要時間を再度確認しておきましょう。
「職場見学」は、派遣先企業側の都合やこちら側の都合に合わせて、派遣会社がセッティングをしてくれます。
そのため、”実際の出勤時間”とは違う時間帯に行われるので、朝夕の通勤ラッシュも踏まえて確認しておく事をおすすめします。
また、職場見学当日の待ち合わせ場所も、しっかりと確認しておきましょう。
「あれ?誰もいない!」という事態はよくあります。
単に私が方向音痴だからなのかもしれませんが・・・この間も、別のオフィスビルにいました。
ビル名の最初だけが全く同じだったので、よく確認せずに「ここだ」と勝手に思い込んでしまいました。
同行の担当者から電話連絡をもらい、どうにか落ち合うことができたのですが、「職場見学」前にこのようなドタバタ劇を繰り広げないようにしましょう。
②当日の服装を決める
私が運用しているブログでも、「派遣 面接 服装」での検索が多くあります。
それだけ皆さん服装には悩まれているようですね。
派遣会社からは「スーツ、またはジャケットを着用」と指示がある事がほとんどだと思います。
就職活動のスーツと言えば、”リクルートスーツ”を思い浮かべるかもしれませんが、私は”リクルートスーツ”は絶対に着て行きません。
なぜかと言うと、派遣社員は「即戦力」が求められるからです。
新卒者が着用するような”リクルートスーツ”はフレッシュさをアピール出来ますが、既に社会経験がある場合、フレッシュさをアピールする必要はありません。
むしろ、キャリアのある「できる人」をアピールをした方が印象が良いです。
もし”リクルートスーツ”を着用するなら、インナーを少しだけ華やかにしたり、控えめなアクセサリーを身につけたりしてみてください。イメージは”キャリアのある人”です。
③企業HPの確認
「職場見学」前には、ぜひ、企業HPをチェックしておきましょう。
どれだけ有名な大企業でも、HPを必ず見てください。
意外と知らないことがたくさんあります。
特に事業内容はもちろんですが、どのような社会貢献を行っているか(CSR活動)などは要チェックです。
最近の企業は、CSR活動に力を入れているところも多いため、面接中の質問のネタにすることもできます。
職場見学でチェックすべきポイント
「職場見学」は、企業側から面接されるだけではありません。
私たちにとっても、これからここで働きたいか・働きたくないかのジャッジをするための大切なイベントです。
そこで、以下に特にチェックするべきポイントを挙げておきます。
社内環境や社員の雰囲気
最近のオフィスはセキュリティーがしっかりしているので、実際の執務室を見学することはできません。
ですので、オフィスのエントランス、受付の対応、働いている人の雰囲気をよく見ておきましょう。
まさに「職場見学」です!
また、顔合わせに同席する方は(ほとんどの場合)一緒に働く方々ですので要チェックです。
お互い初対面ですので、実際のお人柄とは違う印象を受ける場合もあります。
「ふ〜ん、こんな人たちが働いている職場なんだ」と感じ取ってみましょう。
また、私が必ず確認するのが”トイレ”です。特に”怪しいテナントビル”の場合は要チェックです!建物や内装の雰囲気でだいたい想像はつきますが、もし寄れたら寄らせてもらいます。
業務内容
業務内容についても、既に派遣会社から聞いているかと思いますが、企業側からの説明はより詳細となります。
時々、派遣会社も聞いていなかった業務が入っていたりもしますので、しっかり聞くようにしてください。(聞き方については次項で書いています)
緊急事態時の対応(休暇の取りやすさ)
新型コロナウィルスにより、緊急事態宣言がされた昨今。派遣社員はテレワークを認めてもらえないというケースが多数発生しました。
今後またこのような状態になる可能性を考え、できる限り事前に情報を得ておきたいですよね。
また、有給休暇の取得のしやすさなどが気になる場合も、同様に確認しておいた方が良いかと思います。
”派遣”という雇用形態を選ぶ理由は人それぞれですが、私は休暇を取りやすいというメリットがあるので”派遣”での仕事を選んでいます。
”派遣”で働くメリットを活かしたいので、必ず確認しておきます。
これらは、職場見学前に派遣会社を通して確認してもらうこともできます。
顔合わせ(面接)を成功させるためには?
いよいよ顔合わせとなりますが・・・緊張しますよね。
ここでは、面接などで使える”コミュニケーション術”を簡単にまとめてみました。
面接に限らず、いつでも使えるテクニックですので、ぜひ参考にしてみて下さい。
話の聞き方・話し方
顔合わせの時は、派遣会社の担当者が進行役をしてくれます。
先方から事業や業務内容の説明などがある時は、次の聞き方を参考にしてください。
- 話をしている人へ顔を向ける
- 適度な相槌をする
- 話を遮らない
まず大切なのは、話をしている人へ目を向ける事です。
真正面に着席されているとは限りませんので、体ごと向くくらい少し大げさな態度の方がより「聞いている」感じが出ます。
話をしている人が顔を上げていない場合でも、必ず向くようにします。
そして、軽く首を縦に振るように、適度な相槌をしながら最後まで聞いて下さい。
さていよいよ自分が話す番です。
派遣会社が事前に準備してくれた”スキルシート”に基づいて、職務経歴を説明します。
話す時は以下のポイントを参考にしてみて下さい。
- 緊張している時は「少し緊張しています」と最初に言う
- 相手の話すスピードと同等のスピードで(できるだけ)話す
- 適度な間を置きながら話す
まず、誰でも緊張はします。
最初に「少し緊張していてます」と伝えておくことで、上手く説明できなくても、それが緊張から来る一時的なものだと思ってもらえます。
派遣会社の担当者も、適度にフォローしてくれますので安心して進めましょう。
そして相手の話すスピードと同等のスピードで話すのは、円滑なコミュニケーションを取る上でよく使われる技です。
しかし、人は緊張すると普段より早口になるか、ゆっくりになるかだと思います。
少し早口だなと思ったらゆっくりめに、ゆっくりだなと思ったら早めに話すように調整してみて下さい。
また、人の話を集中して聞いていられる時間は、わずか20秒ほどだと言われています。
20秒を超えると、話の内容はほとんど頭に入らないそうです(小学校の朝礼の校長先生のお話を思い出してみて下さい・・・)
少し長くなりそうな時は、適度に間を置いてみて下さい。
この時、アイコンタクトを送るイメージで同席されてる方々を見るようにしましょう。
みなさん、うつむいているかもしれませんが、相手の状態を確認しながら話を進めると言うことは、相手に対して気遣いができると見られます。
ぜひ、この”間”と”アイコンタクト”はセットで行って下さい。
職務経歴の説明の仕方については、次の「上手な自己アピールの仕方」に書いています。
※先方からの説明から始まるか、こちらからの職務経歴の説明から始まるかは、その時々で変わります。進行役の方の指示に従って下さい。
上手な自己アピールの仕方
顔合わせで重要なのは、いかに上手に自己アピールするか・・・です。
- 職務経験が少ない時はどうしたらいいの?
- 職務経験が多い時はどうしらたいいの?
- 経験したことがない業務が含まれている場合は?
と不安になるかもしれませんが、大丈夫です!
職務経験が少なくても多くても、応募している業務に一番近い職務経験を特にアピールしましょう。
また経験したことがない業務が含まれていた場合は、はっきりと経験がないことは言っておいた方が良いです。
しかしただ「経験がありません」と言うのではなく「経験はありませんが、ぜひチャレンジしてみたいです」と前向きに取り組めることをアピールしましょう。
最後に、ここが一番重要なポイントです。
今までの職務経験はとても大切ですが、それらは既に過去のことです。
「面接」は、これから一緒に働く人を決める”未来”のための場です。
もし「私」を採用してくれたら、こんな”未来”がありますよ!と企業側にイメージを与えることが重要です。
これがなによりも最強のアピールになります。
難しい!と思うかもしれませんが、とても簡単です。
自分が行ってきた業務が、どのような貢献につながったかを説明して下さい。
例えば、「情報が点在していたデータを一元化させて工数を減らしました」といった具合で
す。
ファイリングのような業務でも、「分類化してインデックスをつけナンバリングし、欲しい資料がすぐに見つかるようにしました」などと言えます。
ただ「ファイリングをやりました」と言うよりも、やった結果どうなったかを説明に加えることにより、詳細なイメージを与えることができます。
質問された時の返し方
最後は質疑応答になります。この時、職務経験について質問されることが多いかと思います。
より詳細を知りたいことが多く、しつこく質問されることもありますが、慌てずにしっかり答えるようにして下さい。
また職務経験以外でも質問されることがあります。
- 契約の延長は可能か(※期間限定の場合)残業は可能か
などがあります。はい・いいえで答えられることが多いのですが、「今後のキャリア計画を教えて下さい」などのはい・いいえでは答えられない質問を受けたことがあります。
正社員登用があるわけでもないのに、なんだかすごいことを聞いてくるなぁ・・・と思いましたが、どうにか答えました。
はい・いいえで答えられないような質問を受けた時は、笑顔で軽く受け流すくらいの気持ちで答えておけば良いかと思います。
職場見学でのNG行為とは
「職場見学」を行う上で注意することがあるとしたら、これは「社会人」としてもNGな行為と全く同じです。
ここでは、2つ注意点をを挙げました。
時間に遅れる・行かない
「職場見学」は、先方の業務時間内で行われることがほとんどですが、こちらの都合に合わせて業務終了後にセッティングしてくれることもあります。
必ず日時を守って下さい。
ただし、電車が停止してしまったなどの止むを得ない場合もあります。
その時は、派遣会社の担当者へすぐに連絡しましょう。
また、当たり前ですが、ドタキャンもNGとされています。
もし他の仕事が先に決まってしまった場合は、速やかに派遣会社の担当者へ連絡をし、辞退を申し入れて下さい。
質問をしない
「質問の返し方」でも書きましたが、顔合わせの最後は質疑応答になります。
質問をしないからといって不採用にされるわけではありませんが、質問があると「関心がある」という印象を与える事があります。
例えば、
- 休暇を取りたい時はどうしたらいいですか?
- オフィスはどんなレイアウトなんですか?
- お昼はどうされてるんですか?お弁当を持って来たいのですが、食べる場所はありますか?
など、業務とは関係ないことでもよいです。
また業務内容についてであれば、しっかりと質問をしておくことが大切です。
いずれにしても、ひとつかふたつくらいは何かしら質問をしてみて下さい。
質問の答え方には人柄も出たりしますので、フィーリングを探るのにも効果的だと思います。
そして最後に必ず「お忙しい時間の中、ありがとうございました」とお礼を述べて退席しましょう。
まとめ
採用面接と聞くと、苦手意識を持つ人が多いかと思いますが、私はいつも楽しくて仕方がありません。
世の中にはいろんな会社があり、いろんな仕事があり、そしていろんな人が働いています。
今まで知らなかった世界と出会える場だと思うんですよね。
自分の見解を広げ、経験を積み、またあらたな世界へ踏み出せる働き方。
それが”派遣”だと思っています。
次はどんな世界が見れるかな?とワクワクした気持ちで、いつも「職場見学」を楽しんでいます。
おそらく、世界で一番”派遣”を楽しんでいるのではないかと思っています。
「職場見学」は企業と自分とのお見合いの場ですので、しっかりと見極めて下さい。
「職場見学」後にこちらから辞退することも可能です!ぜひ、「職場見学」を楽しんで下さい。
派遣経験者が語る!職場見学を成功に導くためのポイントが皆様のお役に立てたら幸いです。