派遣薬剤師の仕事は投薬ばかり?投薬以外の仕事をするには?

派遣-悩む薬剤師②

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薬剤師の派遣

派遣薬剤師として働くと「投薬の仕事ばかり…」だという声を、耳にしたことがある人もいるでしょう。

本記事では、派遣薬剤師は「実際に投薬の仕事しか任せてもらえないのか?」や「投薬以外の仕事も行うには、どうすれば良いのか?」という疑問に対して、答えていきたいと思います。

これから派遣薬剤師として活躍したい人や、派遣薬剤師として働いているけれど、投薬以外の仕事をしたいと考えている人は、ぜひ最後までチェックしてください。

派遣薬剤師の仕事は投薬が多いのは事実

最初にお答えしますが、派遣薬剤師の仕事について、投薬が多いことは事実です。

むしろ「投薬しか任せない」という派遣先も、実際にあります。

その一方で、調剤や薬のピッキングなどの「投薬以外の業務」を任せてもらえる派遣先も存在しますが、やはり投薬の業務がメインというケースが多数を占めます。

このことから派遣薬剤師として働く際には、投薬業務の多さについて覚悟をする必要がありますが、ポイントを押さえれば、調剤などの他の業務に携わることも可能です。

投薬以外の仕事に携わる方法については、「投薬以外の仕事もやりたい場合には?」の項目を参照してください。

投薬ばかりだと心配になること

派遣-悩む薬剤師

仕事が投薬ばかりだと、下記について心配だという人もいるでしょう。

  • 薬歴がたまるので、残業が増えるのではないか?
  • 飽きてしまうのではないか?
  • 投薬以外のスキルが衰えるのではないか?
  • 不足薬への対応が多いのではないか?

これについて、順番に解説します。

薬歴がたまるので、残業が増えるのではないか?

投薬をずっと行うと、それに比例して薬歴はたまります。

患者数が多く忙しい派遣先であれば、1日中投薬を行い、薬歴を書く暇もないことがあります。

そういったケースでは、確かに薬歴はたまる一方ですが、残業をさせてまで薬歴を書かせるかというと、そのようなケースは少ないです。

なぜかというと、派遣薬剤師の基本時給は高いので、なるべく残業をさせたくないと考える傾向にあるからです。

最後の1時間で薬歴を書く時間を用意してくれるところや、別日において、薬歴を書くための時間を設けてくれるといった「配慮がある」派遣先が多く、残業をしてまで薬歴を書かせる現場は少ないです。

飽きてしまうのではないか?

例えば総合病院の近くにある門前薬局では、さまざまな病状の患者の処方をするので、ひとくちに投薬といっても、目新しいと感じることも多いです。

こういった環境では、飽きる心配は少ないと言えますが、調剤などの他の業務にも関わりたいと思うことはあるでしょう。

一方で、特定の診療科目に対応する病院などの門前薬局では、処方のパターンが限られてくるので、人によっては飽きることもあるでしょう。

ただし派遣薬剤師には契約期間があるので、飽きたら契約更新のタイミングで、別の派遣先を選ぶことも可能です。

仕事が投薬ばかりだと「飽きるかもしれない」と不安な人は、最初から下記のような派遣先を選ぶことをおすすめします。

  • 2~3カ月程度の契約期間が短い派遣先
  • さまざまな診療科目の処方をする機会が多い派遣先

投薬以外のスキルが衰えるのではないか?

正社員薬剤師として働いていた頃には、調剤業務も行っていたので、投薬ばかりの派遣先で働くと「調剤のスキルが衰えるのではないか?」と心配になる人もいるでしょう。

確かに完全に業務内容が投薬のみで、1年以上もその状況が続けば、調剤をはじめとした他のスキルが衰える可能性はあります。

しかし同じ現場で1年以上も働くことができれば、他の業務を任される可能性が多いにありますし、スキルの衰えを心配するのであれば、最初から投薬以外も行える派遣先を選ぶこともアリでしょう。

不足薬への対応が多いのではないか?

在庫を豊富に持つ派遣先で働く場合は良いですが、小さな薬局などで勤務する場合には、投薬業務をずっと行っていると、不足薬への対応が必要な場面も出てくるでしょう。

その場合には、不足薬の入荷が確認できてから、郵送を行うことや、後日に取りにきてもらうなどの対応をします。

また場合によっては、近隣の系列店から借りるなどの対応を取りますが、これらの作業は基本的に正社員が行うので、派遣薬剤師はさほど心配をしなくて良いでしょう。

不足薬が出た際の派遣薬剤師の対応は、患者への不足表の配布や説明にとどまることが多いです。

派遣薬剤師が投薬ばかりになる理由

派遣薬剤師の仕事が投薬ばかりになることには、下記のような理由があります。

  1. 短期契約の人にも任せられる仕事が投薬だから
  2. 調剤室や器具の説明をすると、時間がかかるから
  3. 派遣社員がつかえない人だった場合に、リスクが少なく済むから
  4. 派遣社員に投薬を任せれば、正社員が他の業務を行えるから

順を追って説明します。

①短期契約の人にも任せられる仕事が投薬だから

派遣薬剤師は、基本的に1つの現場で数カ月ほど働き、契約が満了になったら、別の派遣先で働くという流れをとります。

契約満了時に双方の合意があり、契約更新が行われる場合もありますが、同じ現場では最長でも3年しか働けないので、派遣薬剤師は「短期間だけ働く人」という見方をされます。

そういった短期の間だけ働く人に、せっかく調剤室のことを教えたのに、すぐに別の派遣先に行かれてしまったとなると、時間のムダだと言えます。

一方で投薬の仕事は、職場環境についての詳しい説明がなくても、即日から対応してもらうことが可能なので、短期間だけ働く派遣薬剤師にメインで任せやすいのです。

②調剤室や器具の説明をすると、時間がかかるから

調剤業務を任せる場合には、調剤室内の配置や、使用器具の説明などをおこなう必要があります。

また慣れない調剤室では手間取ることもあるので、正社員はそのたびに説明を行い、時間を使わなくてはなりませんが、派遣先は極力このような時間をかけたくないと考えています。

その理由は、下記の通りです。

  • 教育に時間をかけても、いずれ別の現場に行ってしまうので、非効率的だと考える
  • 忙しすぎて、物理的に時間を割くことが難しい
  • 一時的な採用なので、すぐに出来る仕事で、サポートをしてもらえれば良いから

こういった背景から、派遣薬剤師には「説明に時間がかからない」投薬を、仕事として任せることが多いのです。

③派遣社員がつかえない人だった場合に、リスクが少なく済むから

派遣先は、万が一派遣社員がつかえない人だった場合に、リスクが少なく済むようにと考えるので、変な言い方にはなりますが「被害が最小限に済むような仕事」を任せる傾向にあります。

投薬の場合には、正社員が目を見張らせることが可能ですし、起きうるトラブルとしても「言葉づかいが悪いと、患者から指摘される」などにとどまることが多いです(※)。

※患者からのクレームが大量にあり、投薬もお願いできない派遣社員だと判断されれば、所属の派遣会社に指摘が入り、最悪の場合には途中で契約解除というケースも考えられます。

仮につかえない派遣社員に、最初から調剤を任せてしまった場合には、数量のミスなどが起こることがあるでしょう。

最終的に他の薬剤師もチェックをするので、誤った処方の薬が患者に提供されることはないですが、また調剤をやり直しますし、他の薬剤師も再度チェックをするので二度手間です。

またシロップなどの調剤で配合を間違った場合には、廃棄処分をする必要があるので、経営にも影響が出てくると言えます。

このことから、派遣社員がつかえない人だった場合を想定し、リスクを最小限におさえるために、最初は投薬を任せることになるのです。

④派遣社員に投薬を任せれば、正社員が他の業務を行えるから

正社員は現場の状況を全体的に把握しながら、さまざまな業務を行うことや、時には指示を出す必要があります。

投薬を行っている間は患者の対応をするので、他の業務を行うことや、各所への指示が難しくなります。

一方で投薬を派遣社員に任せれば、正社員は調剤をはじめとした他の業務を行えるので、投薬を派遣社員に依頼することになるのです

忙しい現場であるほど、この傾向は顕著になります。

投薬以外の仕事もやりたい場合には?

薬剤師

投薬以外の仕事もやりたい場合には、下記の5つの方法をおすすめします。

  1.  投薬業務以外にも、任せてもらえる可能性が高い派遣先を選ぶ
  2.  「紹介予定派遣」の案件を視野に入れる
  3.  派遣先で長期に渡って働けるように行動する
  4.  主体的に動けることをアピールする
  5.  希望を理解してくれる派遣会社を選ぶ

①投薬業務以外にも、任せてもらえる可能性が高い派遣先を選ぶ

派遣薬剤師の仕事は投薬がメインだと言いますが、派遣先によっては、投薬以外の業務も任せてもらえる現場も存在します。

投薬業務以外もやりたい人は、当然ですがこのような派遣先を選ぶべきです。

例えば下記のような派遣先では、投薬以外を任せてもらえる可能性が高いので、要チェックだと言えます。

少人数で行う店舗

少人数で行う店舗は、各自に与えられる裁量が多く、1人1人に任せられる仕事が多いと言えます。

そのため派遣社員であっても、投薬・調剤・監査などを任せることがあるので、こういった派遣先を狙うのも良いでしょう。

ただし、こういった現場は人手不足で多忙な傾向にあるので、その点には留意する必要があります。

1人薬剤師の派遣先

1人薬剤師の派遣先は、文字通り「薬剤師が1人」で対応をするので、自分だけで投薬や調剤業務を行う必要があります。

オールラウンドに仕事ができる反面、派遣社員とは言ってもふりかかってくる責任が大きく、忙しい現場が多いことも事実です。

常に動きながら、さまざまなことをこなしたい人や、薬剤師としての経験が豊富な人に向いている現場だと言えます。

在宅業務を行う店舗

在宅業務を行う店舗は、在宅訪問に関しては基本的に正社員が対応をするので、店舗での作業は派遣社員が行います。

外来対応も行っている店舗では、投薬の仕事も発生しますが、調剤業務はほぼ確実にあると言えます。

また外来対応をしていない店舗では、投薬の業務自体が発生しないので、派遣薬剤師の仕事は調剤などが主です。

さらに派遣先によっては、派遣薬剤師も在宅対応をする場合もあるので、「在宅」の経験も身に着けたい人は、こういった現場を選ぶのも良いでしょう。

新型コロナウイルスの影響や、高齢化社会などの背景から、今後において薬剤師の在宅に対する需要は高まるでしょう。

②「紹介予定派遣」の案件を視野に入れる

投薬以外の仕事もやりたい人は、紹介予定派遣の案件を視野に入れることもアリでしょう。

紹介予定派遣の案件は、一定期間(通常は3カ月~半年ほど)において派遣社員として働き、派遣社員と派遣先の双方が合意をすれば、契約社員や正社員として採用してもらえる制度です。

派遣先は「自社の社員としてふさわしいか?」や「自社でやっていけるか?」という点をチェックするので、投薬はもちろんですが、調剤などの業務も任せてくる可能性が高いと言えます。

ただし派遣社員とはいっても、契約社員や正社員の採用を視野にいれているのが「紹介予定派遣」なので、単純に多くの現場を経験することが目的な人にとっては、向かないと言えます。

さまざまな現場を経験しながら、その中で気に入った派遣先があれば、そこで社員として長く腰を据えて働きたいと考える人には、向いていると言えます。

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③派遣先で長期に渡って働けるように行動する

「派遣薬剤師に任される仕事が投薬ばかり」という背景には、派遣薬剤師は短期契約であり、契約終了後には居なくなるので、責任がある仕事を任せられないという理由があります。

さらに「派遣社員がつかえない人だったら困るから、投薬しか任せない」などの要因も、絡んできます。

このことから、契約更新を希望しつつ、周囲からの信頼も得るように行動をすれば、調剤などの仕事が任せられることもあるでしょう。

必然的に派遣先からの評価も高くなるので、この現場での契約が終了した後も、派遣会社から「投薬以外の仕事にも携われる」ことが可能な案件を、紹介してもらえる可能性が高まります。

④主体的に動けることをアピールする

派遣社員の仕事が投薬メインになるのは「調剤業務などを説明する時間が惜しい」という理由も、関係しています。

派遣社員を採用する現場は、慢性的な人手不足や、多忙なところが多いからです。

1から教えることだけでも時間がもったいないのに、分からないことがあれば何度も聞いてくるような人には、ずっと投薬の仕事だけをお願いしようと思うのは当然でしょう。

一方で最低限の説明を終えた後は、派遣社員自身で考えながら、主体的に動けるような人には「他の業務を任せてもよいかな」と思うこともあるでしょう。

つまり主体的に動けることを、日々の仕事を通じてアピールできれば、投薬以外にも関われる可能性が出てきます。

そのためには、必要に応じてメモをとることや、積極的に動くことを意識すると良いでしょう。

⑤希望を理解してくれる派遣会社を選ぶ

投薬以外の業務も希望する人は、あらかじめ派遣会社に「投薬以外もできる派遣先を紹介してほしい」と伝えることは必須です。

そのうえで、現状においてベストな方法を加味しながら、自分の希望に合った派遣先を紹介してくれるような派遣会社を選ぶことが大切です。

こういった派遣会社を選ぶためには、気になるところに複数登録をし、比較検討をすることをおすすめします。

自分に合った派遣会社を、効率よく見つけることが可能になります。

まとめ

派遣薬剤師の仕事は、投薬が多いことは事実ですが、調剤などの仕事に携わることも可能だと分かりました。

もちろん投薬自体も大事な仕事ですが、できれば他の業務もやりたいと思うのは、自然なことだと言えます。

投薬以外の仕事も希望する人にとって、ピッタリの派遣先が見つかり、さらなる高みを目指せることを願っています。

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