非正規雇用が最近増えてるってよく耳にするけど、メリットとかってあるのかしら?
収入が安定しないイメージしかないけど…。
たしかに収入の不安定さは非正規雇用の最大のデメリットともいえるでしょう…。
ですが非正規雇用のメリットだって意外とあるんですよ!
近年、非正規雇用は増加傾向にあります。
それに伴い、法律の改正や非正規雇用で人材を受け入れる企業が増えるといった、非正規雇用の労働者に優しい環境も作られつつあります。
そこで今回この記事では、非正規雇用のメリットを正規雇用と比較しながらご紹介します。
非正規雇用で働くことを考えている人、必見です!
非正規雇用とは?
非正規雇用のメリットを見ていく前に、まずは正規雇用にはどのような働き方があるのか、軽くおさらいしておきましょう。
- 派遣社員
- 契約社員
- パートタイム
- アルバイト
①派遣社員とは
派遣社員とは、派遣会社と労働契約を結び、そこで紹介された派遣先で働く労働者のことです。
派遣先企業とは雇用関係がないのが特徴ですね。
雇用主は派遣会社なので、保険関係や給料などは派遣会社が担います。
また実際働くときの指示は、派遣先企業の方で担います。
多くの派遣会社で3か月の契約期間を設けており、その期間が終わればまた3か月の契約更新をおこなう、といった働き方です。
契約期間も派遣会社、派遣先によってさまざまですね。
②契約社員とは
契約社員とは、雇用期間を定めて企業と直接労働契約を結んで働く労働者を指します。
雇用期間が定められた労働契約を有期労働契約といって、雇用期間が定められない正社員との違いとなっています。
期間に関しては企業によってさまざま。
雇用期間が終了すると、企業と労働者の間で更新の合意が得られれば更新、得られなければ契約終了となります。
勤務時間や勤務日などは、多くの場合で正社員と同じです。
③パートタイムとは
パートタイム労働者とは、同じ会社に雇用された通常の労働者(正社員)の人の1週間の所定労働時間に比べて、短い時間を働く労働者のことを指します。
採用を希望するときは、働きたい会社に直接応募して採用選考を受け、パートタイム労働者として直接雇用契約を結びます。
そのため勤務先、雇用主はそのパート先です。
また給与や仕事の指示などもパート先から受けとります。
④アルバイトとは
アルバイトとは、簡単にいえばパートタイム労働者の学生版です。
特にパートとの雇用形態の区別はありません。
そのため雇用主、勤務先、給与の支給、仕事の指示などはアルバイト先が担っています。
非正規雇用の割合は?
最初に「非正規雇用が増加傾向にある」というお話を少ししましたが、全体の割合としてはどのような状態なのでしょうか。
以下の表でわかるように、さすがにまだ正社員の方が数は上回っているものの、非正規雇用が増加傾向にあることがわかります。
1番最近の令和1年の統計では、非正規雇用の割合は38.3%となっています。
平成29年までは増加量も正規雇用の方が多かったが、平成30年(正規雇用:+53、非正規雇用:+84)と令和1年(正規雇用:+18、非正規雇用:+45)には非正規雇用の方が増加量を上回る結果となっていることがわかります。
(引用元:厚生労働省 「非正規雇用の現状と課題」)
非正規雇用のメリットとデメリット
非正規雇用についての現状などを知ったところで、こちらでは非正規雇用のメリット・デメリットを正規雇用と比較しながらご紹介していきましょう。
非正規雇用のメリット6つ
- 採用されやすい
- 仕事を変えやすい
- 自分の時間を確保できる
- 異動や転勤が少ない
- 残業・休日出勤が少ない
- 責任の重い仕事は回されない
①採用されやすい
非正規雇用の場合、正規雇用と比べると採用されやすく、すぐ働けます。
正規雇用の場合、会社が担うコストが高いため会社側もしっかりと見定めていかなければなりません。
対して非正規雇用は正規雇用に比べてコストも抑えられ、「代わりもいる」という考えから採用されやすいのです。
未経験でも、ブランクがあっても採用されやすいのは変わらないので、大きなメリットとなります。
②仕事を変えやすい
非正規雇用の派遣社員、契約社員には契約期間が定められており、契約終了時に更新を望まなければそのままその仕事をやめられます。
パート、アルバイトの場合も会社側の承諾を得られれば仕事をやめることが可能です。
採用されやすいのも相まって、辞めやすいんですね。
対して正社員は、日ごろから責任の必要な仕事も任されたりしますし、長く勤務もするので人間関係への配慮もより必要になります。
そのため非正規雇用より仕事を変えにくい傾向にあるのです。
③自身のライフスタイルに合わせて働ける
正規雇用の場合は基本的に、1日8時間・週5日のフルタイムで働きます。
対して非正規雇用は契約によって条件も変わってくるので、ライフスタイルに合った働き方もできるんです。
特にお子さんを持つ女性や介護をする方、高齢の方などには大きなメリットになりそうね。
④異動や転勤が少ない
非正規雇用は正規雇用に比べて異動や転勤が少ないです。
「職場を変えたくない」「人事異動で悩みたくない」という人にはメリットといえます。
⑤残業・休日出勤が少ない
非正規雇用は正規雇用に比べて残業、休日出勤も少なくなりやすいです。
仕事上の責任が重かったり、仕事量が多かったりする正規雇用はどうしても残業、休日出勤が増えてしまうんですね。
⑥責任の重い仕事は回されない
非正規雇用は契約期間が決められて、それが短期だったり、アルバイトもある関係で学生の非正規雇用者が多かったりで、責任のある仕事を回されにくいことがあります。
その分仕事内容も簡単になってくるので、仕事のしやすさでいったらメリットと捉えられます。
非正規雇用のデメリット6つ
- 雇用が不安定
- 収入が不安定
- 立場が弱く見られがち
- 福利厚生が弱い
- 仕事にやりがいを感じづらい
- 有給休暇が取りずらい
①雇用が不安定
非正規雇用は雇用に期間が定められています。
契約期間が終了したときに会社側が更新を望まなければ、そのまま仕事がなくなってしまい、「収入0円」ともなりかねません。
正規雇用であれば契約期間もありませんし、採用されにくい代わりに入ってしまえば雇用自体は安定するので、この点では正規雇用の方にメリットがあるといえますね。
以下は非正規雇用の派遣社員について、「雇用の不安定さ」を記事にしたものです。
気になった方はぜひチェックしてみてください!
②収入が不安定
非正規雇用は、基本的にボーナスや昇給、退職金などがありません。
雇用が不安定なのも相まって、収入の不安定さは非正規雇用の最も大きなデメリットといえるでしょう。
対して正規雇用はボーナスや昇給、退職金のほか、年功序列の制度などもあり、収入の安定に関してはとても強いといえます。
③立場が弱く見られがち
正規雇用の人の中には、非正規雇用の人を見下す人が多々見られます。
収入、雇用の不安定さや仕事量などを比べて正規雇用の方が多いので、どうしても下に見られてしまうのです。
また非正規雇用側の問題として「態度が悪い人がいる」ことを見逃すことはできません。
もちろんすべての人ではありませんが、モチベーションの上がりにくい環境で働くゆえ、仕事にも力が入らない人も多いようなのです。
それも合わさり、「非正規雇用の人は身勝手」などの考えを勝手に抱き、差別する正規雇用の人もいるのです。
あまり触れたくないことですが、現状としてあることなので知っておくといいかもしれません。
非正規雇用側も直せるところは直す努力が必要です。
④福利厚生が弱い
近年の法改正によりだいぶ非正規雇用の福利厚生も整ってはきました。
ですがそれでも正規雇用の福利厚生より劣るのが現状です。
⑤仕事にやりがいを感じづらい
「責任の重い仕事は回されない」というメリットを上げましたが、これがデメリットとして働いてしまうこともあります。
基本的にやりがいのある、責任の必要な仕事は正規雇用の方に回されるのが一般的です。
そのため仕事に身が入らず、適当にこなしてしまう非正規雇用者もいます。
モチベーションの低下にも大きく影響しますよね。
⑥有給休暇が取りづらい
非正規雇用の人も、正規雇用と同様に有給休暇を取ることが可能です。
ですが有給休暇を取りずらい雰囲気になりがちなのが非正規雇用です。
正規雇用の人にとって非正規雇用の人の有給休暇は「ただでさえ仕事量も少ないし休みも多いのに、有給とるの?」という考えに到りやすいのですね。
まとめ~非正規雇用の働き方にもメリットはある!~
この記事では、主に非正規雇用のメリットを正規雇用と比較しながらご紹介してきました。
記事内容を簡単にまとめます。
非正規雇用には何がある?
- 派遣社員
- 契約社員
- パートタイム
- アルバイト
非正規雇用の割合は?
- 令和1年の統計は全体の38.3%
- 平成30年、令和1年は正規雇用の増加率より、非正規雇用の増加率の方が高い
非正規雇用のメリット
- 採用されやすい
- 仕事を変えやすい
- 自分の時間を確保できる
- 異動や転勤が少ない
- 残業・休日出勤が少ない
- 責任の重い仕事は回されない
非正規雇用のデメリット
- 雇用が不安定
- 収入が不安定
- 立場が弱く見られがち
- 福利厚生が弱い
- 仕事にやりがいを感じづらい
- 有給休暇が取りづらい
こちらの記事が皆さんのお役に立てたら幸いです!