緊急事態宣言が4月に出たけど、私たち派遣社員はどうなるの?休業補償ってもちろん出るわよね?
休業補償は出ますが、やはり緊急事態宣言が出た以上は普通に働くのも難しいですし、雇用機会がなくなることも考えられますね…。
新型コロナウイルス対策の特別措置法にもとづいて、東京都を中心として4月上旬に「緊急事態宣言」が発令されました。
さらに2020年4月16日の夜には緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、5月6日まで続くとの正式な発表がありました。
そして緊急事態宣言が発令され、世間は大混乱を招いている現在、何よりも困るのはお金の事情ですよね。
最近では一律1人あたり10万円の給付をするとの方向も示しており、補償を進めていく動きも出ています。
ただ派遣社員は時給制での勤務なため、緊急事態宣言の長期間で休んでしまうと生活にはかなりのダメージになります。となれば休業補償は出るのか気になるところですよね。
今回は、緊急事態宣言の発令によって派遣社員はどうなるのか?休業補償は出るのか?派遣会社での対応はどうなのかを詳しく掘り下げていきます。
緊急事態宣言の発令で派遣社員はどうなる?
緊急事態宣言の発令を受けた今、派遣社員が受ける影響は以下が考えられます。
- 応募できる求人が少なくなり雇用機会が減少
- リモートワーク・在宅勤務にシフトする可能性も
- 面談はWeb上・電話での対応がメインに
- 派遣先の業績によっては「派遣切り」もある
①応募できる求人が少なくなり雇用機会が減少
業種によりますが基本的には求人が減少して、雇用機会がかなり得られにくい状況になっています。
派遣会社によっては通常の半分程度の求人しかないケースもあり、中小の派遣会社のみならず大手派遣会社でも甚大な影響が出ています。
具体的に大手派遣会社のリクルートスタッフィングの例で見ると、新型コロナウイルス蔓延や緊急事態宣言の発令前では求人数が約10,000件もありました。
ですが今回のを事態を受けて、2020年4月16日現在では求人数がなんと約3,100件にまで減少しているんです。
大手派遣会社でも7,000件、実に3分の2近くの求人がなくなる事態なんですよ…。
②リモートワーク・在宅勤務にシフトする可能性も
ロックダウンとまでは行かずとも外出自粛を要請しており、”出勤”して仕事をすることも徐々になくなってきます。
派遣社員も在宅勤務やリモートワークを始める企業も増え、外出を控えての勤務が浸透していきます。
ただ企業によっては派遣社員に在宅勤務・リモートワークをさせないところもあるようで、なかなか思うようにいかないのも現実。
派遣社員の在宅勤務・リモートワークがなかなか浸透しない理由は、次の4つです。
- パソコンがウイルスに感染したとき被害の責任を取れないから
- 出社が必要な業務を任されているから
- 在宅勤務やテレワークの環境が整っていない
- 雇用契約で決められた内容に変更がある場合は契約内容を変えないといけないから
本来なら正社員だろうと派遣社員であろうと、雇用形態に関係なく在宅勤務が認められるべきですが、以上の理由によりすぐには対処できないんですよね…。
③面談はWeb上・電話での対応がメインに
これから派遣登録したい方は、面談の際対面ではなく“Web上”あるいは”電話”での対応がメインとなります。
やはり感染を少しでも防止していくためにも、なるべく接触が最小限になるよう工夫が必要ですね。
派遣登録が全くできなくなったわけではありませんので、これから派遣社員として働きたい方はWeb上での登録を強くおすすめします。
派遣会社によってはWeb登録を積極的におこなっています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
④派遣先の業績によっては「派遣切り」もある
耳が痛くなる話かもしれませんが、今回の緊急事態宣言で企業の営業活動に甚大な悪影響が出れば、「派遣切り」も考えられます。
長崎県佐世保市にある有名テーマパークの「ハウステンボス」で生え件社員数10人を一斉に「派遣切り」として契約を打ち切った例は記憶に新しいと思います。
特に事前通告もなく突然クビになってしまい、以降の生活をどうするか不安を訴える人の声も…。
運営側も、人件費や売り上げの面から派遣切りをするのは前々からわかっていたかもしれませんが、このように突如派遣切りに遭うケースも出てくると考えられます。
緊急事態宣言を受けたら派遣社員に休業補償は出る?
場合によっては派遣社員でも休業補償を受けられますが、派遣先企業が「自主休業」なのか「都道府県知事からの指示や要請での休業」なのかによって、対応が変わります。
派遣先が自主休業した場合
一部の特殊な業種(ライブハウスや映画館など)以外において、多くの派遣先企業では「自主的な判断」で休業しています。
以上の場合、自主休業中であろうと派遣先企業は派遣会社に、派遣料金を派遣契約期間終了日まで支払う義務があるんです。
派遣スタッフが雇用契約を終えるまでの間、派遣会社は休業補償を紫原義務があると捉えるのが一般的ですね。
派遣会社は最初に、派遣先企業と派遣料金の支払いについて交渉しないといけないんです。
※派遣料金とは
派遣料金とは以下5つをまとめたものを指します。
- 派遣社員への賃金
- 派遣社員への社会保険料
- 派遣社員の有給休暇の費用
- 派遣会社の諸経費
- 営業の利益
都道府県知事からの指示や要請での休業
緊急事態宣言が発令された状況で、派遣先企業が都道府県知事からの要請や指示を受けて事業をストップした場合も見ていきましょう。
詳細は厚生労働省が「新型コロナウイルスに関するQ&A」で企業向けに公表しています。
カンタンにまとめると「派遣先企業が都道府県知事から要請や支持を受けて休業措置をとる場合、原則的に派遣先企業は派遣会社に対して休業手当の分の費用を負担する義務を負っている」というものです。
このとき派遣会社は派遣社員に対して、休業手当分を支払うなどの労働基準法にもとづいた責任・対応をとることが必要とされているとの記載があります。
緊急事態宣言を受けた派遣会社の具体的な対応は?
緊急事態宣言が発令されてからの、各派遣会社の対応を見ていきましょう。
スタッフサービスの対応
緊急事態宣言を受けた、スタッフサービスの対応は以下の通りです。
スタッフサービスグループは、4月7日の国の緊急事態宣言、および東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県の各首長からの自粛要請を受け、これまで実施してきた、感染予防の取り組みに加えて以下を実施いたします。
■これまでの取り組み
・海外出張の禁止
・参加人数の多い社内外のイベントや会議の延期・中止
・従業員のマスク着用や手指のアルコール消毒など感染予防の徹底等■追加施策
・原則全員在宅勤務(自宅で勤務出来ない場合は自宅待機)
・対象地域から他地域への国内出張全面禁止
・対象地域への国内出張全面禁止※対象:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県の拠点に就業、または居住する従業員
※期間:2020年4月8日(水)~5月6日(水)今後もスタッフサービスグループは、社内外への感染拡大抑止と従業員の安全確保を最優先に、政府の方針や行動計画に基づき、迅速に対応方針を決定し実施してまいります。予防策の内容や、実施期間については、状況の変化に応じて対応してまいります。
なお、このような状況下、生活を支えるために不可欠なサービス等における人材ニーズもある中、従業員の安全と感染抑止に最大限の配慮をしつつ、事業を継続してまいります。関係者の皆様におかれましては、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
(引用元ページ:スタッフサービス)
マイナビキャリレーションの対応
緊急事態宣言を受けた、マイナビキャリレーションの対応は以下の通りです。
平素より、弊社サービス『マイナビキャリレーション』をご利用いただき、誠にありがとうございます。
弊社では、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う、緊急事態宣言および外出自粛要請を受け、一部社員を除き在宅勤務(テレワーク)を実施する運びとなりました。つきましては、いただいたお問い合わせやご応募に対する返答にお時間をいただいてしまう場合がございます。
また、最小限の人数での対応となるため、お電話が繋がりにくくなる可能性がございます。円滑なサポートのためにも、お問い合わせはなるべくお電話ではなく、お問い合わせフォームやメール等をご活用いただけますと幸いです。
『マイナビキャリレーション』をご利用の皆さまには、ご不便・ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解ご協力いただけますようお願い申し上げます。
(引用元ページ:マイナビキャリレーション)
リクルートスタッフィングの対応
緊急事態宣言を受けた、リクルートスタッフィングの対応は以下の通りです。
リクルートスタッフィングは、4月7日の国の緊急事態宣言、および東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県の各首長からの自粛要請を受け、これまで実施してきた感染予防の取り組みに加えて以下を実施いたします。
これまでの施策
在宅勤務・時差出勤の推奨
海外出張の禁止、および国内出張の制限
参加人数の多い社内外のイベントや会議の延期・中止
手洗い、手指のアルコール消毒など感染予防の徹底等
追加施策
原則全員在宅勤務(自宅で勤務出来ない場合は自宅待機)
対象地域から他地域への国内出張全面禁止
対象地域への国内出張全面禁止
対象地域
東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・兵庫県・福岡県の拠点に居住、または就業する従業員期間
2020年4月8日(水)より1か月程度 ※状況により変更する場合があります。
※その他、対象の自治体に変更があった場合は、期間を含め、その措置に準じます。<派遣スタッフの皆さまへ>
MyPageにてお知らせを掲載させていただいております。ご確認ください。今後も当社では、社内外への感染拡大抑止と従業員の安全確保を最優先に、政府の方針や行動計画に基づき、迅速に対応方針を決定し実施してまいります。予防策の内容や、実施期間については、状況の変化に応じて対応してまいります。
関係者の皆さまにおかれましては、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
(引用元ページ:リクルートスタッフィング)
派遣社員の生活はこれからどうなるの?
さてここでは派遣社員としての生活について考えていきます。
派遣社員は時給制でのお仕事ですので、緊急事態制限が出されて勤務ができないとなれば、食いつなぐのは大変な話。
メディアで報じられる内容はどれも不安をかられるものばかりですが、現状維持で何も行動に起こさないのは一番アウトです。
「これから生きていく上で何をしていくべきか」を常に考えていかないといけません。
アクションを起こさなければ何も始まらないんです。
副業を始めるのもアリ!
会社に勤務して働くのではなく、家で稼ぐことも考えてみてください。
最近では副業のサービスも充実しており、生活が苦しくなってしまった派遣社員でもカンタンに取り組めるものだってあります。
具体的にあげられるものは以下の通りです。
- 「クラウドワークス」のサービスで仕事を探す
- 「ココナラ」のサービスでスキルを売る
- 「メルカリ」で不要なものを売る
- 「FX」や「株」を少額から初めてみる
- 「Youtuber」としてコンテンツを提供する
- 「アフィリエイト」でコツコツと稼いでみる
他にも副業は色々ありますが、代表的なものを挙げてみました。
FXや株は多少専門的な知識を要するため、すぐに始めるのはにも図香椎かもしれません。
ですが他のサービスは今すぐ始められるものですし、始めるにあたってのコストも低く抑えられます。
企業の営業停止が進む今、雇われた状態で稼ぐのではなく、自分の力だけで稼いでみるのも一つの手ですよ。
生活に困ったときは一人で悩まず、誰かに相談してみよう
新型コロナウイルスやら緊急事態宣言の影響で、収入が大幅に減った人は後を絶ちません。
とはいえだからといって何もしないのであれば、生活が酷くなる一方ですので、どうすればいいかわからない時はまず相談してみましょう。
具体的な相談先は「家族」「NPO法人」「派遣会社」です。
あなたのことを一番知っているのはご家族です。追加で仕送りをしてくれるなど、何か応じてくれるかもしれないですよ。
自宅待機によって収入減ったことについて、NPO法人への相談件数も最近特に急増しています。
ここ1ヶ月の相談件数は100件近くまで上り、例年の3倍ほどに達しているんです。
派遣会社は派遣スタッフと雇用契約を結んでいますし、困った時に対応してくれるキャリアアドバイザーがいます。
スタッフの質にもよりますが、少しでも生活が良い方向に進むように考えをまとめてくれますので頼ってみましょう。
まとめ~緊急事態宣言が出されてもできることをしよう~
今回は緊急事態宣言が出された時に派遣社員はどうなるのか、休業補償は出るのか、派遣会社はどんな対応をとっていくのかを中心に解説しました。
新型コロナウイルスが収束するのに「2020年の6月に終わる」「来年までかかる」などの声が挙がっていて、まだ正確な見通しがわからない状態です。
派遣社員は時給で働いている以上、勤務できなければ収入は0のままで、生活が苦しくなると見込まれます。
本来であれば派遣先に助けてらうべきなのですが、在宅勤務ができなかったり、突如派遣切りに遭ったり、出るはずの休業補償を出してもらえなかったりと、まだまだ派遣社員への扱いには改善すべき部分が多いのが現状。
とはいえ派遣社員だって何もアクションを起こさないのは怠慢な話です。
今おかれている現状を熟考し、「今は何ができるのか」「何をすべきなのか」「どうすれば今の状況を打破できるか」を今一度真剣に考えてみましょう!