コロナのせいで派遣切りにあっちゃったんだけど…。まじで最悪…。違法じゃないの…?
最悪ですよね…。コロナで派遣社員の方たちが、突如派遣切りや雇い止めにあって、いきなり仕事がなくなるケースって今すごく多いんですよ…。
新型コロナウイルスのせいで、自動車業界や飲食業などを中心に、経済活動やら社会活動やらがとてつもないスピードで衰退、停滞しています。
もちろん私たちの仕事でも大打撃を受けており、特に派遣社員へのダメージが半端でありません。
派遣切りは2008年のリーマンショックでも多発しましたが、今回の新型コロナウイルス蔓延による派遣切りにより、これから失業者が急激に増えます。
最近では「5月危機」もささやかれており、さらに派遣社員の雇用が脅かされると予想されます。
今回はコロナの影響による派遣切りは違法なのか、どこに相談すればいいのか、補償は出るのかなどを中心に徹底的に解説します。
すでに派遣切りになってしまった方、これから遭うかもしれない方はぜひ最後までご覧ください。
そもそも派遣切りとは何なのか、カンタンにおさらいしたい方は、以下の記事も併せてチェックしてみてくださいね。
“コロナで派遣切り”ってそもそも違法なのでは…?
今回のコロナ騒動で横行している派遣切りは、契約満了してからではなく”契約途中”で切られるパターンがほとんど。
いきなりクビを切られるなんて困りますし、すぐに承諾なんてしたくないですよね。
ただ結論から言うと、解雇する合理的な解雇(雇い止め)理由と、解雇させられるまでの期間が用意されていれば違法ではありません。
特に合理的な理由なしに、コロナの時期を利用して派遣社員を解雇する企業もありますが、それは「不当解雇」と見なされます。
後半でも解説しますが、派遣会社が派遣スタッフに解雇通告を出す際は、解雇予定日から30日前までに通達する義務があるんです。
言い換えると、仕事中の月末ごろに「今のお仕事は翌月末で終了です」との通達があった時は、違法ではないため注意しましょう。
コロナで派遣切りにあったらどうする?相談先は?補償は?
コロナで派遣切りにあって、何もしないままでは苦しい生活が続くだけです。派遣会社や各種機関に相談して、受け取れる補償や手当は受け取っておきましょう。
まずは行動が大事です。派遣切りにあったら以下の4つを実践してみてください。
- 派遣会社や各種機関などに相談・請求する
- 各種機関に相談する
- 利用できる制度を使ってみる
- 次の仕事を探す
- 副業を始めてみる
一つずつ見ていきましょう。
①派遣会社に相談して手当を請求する
派遣切りにあった時、派遣会社に相談して請求することで手に入るもの手当があります。
具体的には以下の2つです。
- 休業手当
- 解雇予告手当
休業手当
派遣社員は初めに結んだ契約期間を満了するまで、派遣会社との雇用関係は続いています。たとえ派遣切りにあってもです。
その契約期間を満了するまで、自宅待機など派遣会社の指示で休業を指示された場合、派遣社員は休業手当を受けられます。
具体的な支給額は平均賃金の6割以上で、雇用主である”派遣会社”から支給されるものです。派遣先から支給されないため注意してください。
※休業手当に関しては、労働基準法第26条によると以下の記載があります。
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
(出来高払制の保障給)
休業手当の計算方法は以下の通りです。だいたいどれくらいの額をもらえるのか、計算してみてください。
【1日の休業手当額】=(3ヶ月分の賃金総額)÷(その期間の労働日数)×0.6
解雇予告手当
企業が労働者を解雇するのは、正当な理由があろうと事前に予告をしてからの話。解雇予告は解雇予定日の30日前までに通達しないといけません。
もし解雇予定日の30日前までに通達しなかった場合は、派遣会社が労働者に対して解雇予告である支給しないといけないんです。
解雇を通達する日 | 解雇予告手当の支給額 |
---|---|
解雇日当日に解雇を通達された場合 | 平均賃金の30日分を支払う |
解雇予定日の1~29日前に解雇を通達された場合 | 解雇予告期間が30日に満たなかった日数分の平均賃金を支払う |
解雇予定日の30日以上前に解雇を通達された場合 | 支払わなくていい |
解雇予告手当の計算方法は以下の通りです。ぜひ算出してみてください。
【解雇予告手当】=(平均賃金)×(予告期間が30日に足りなかった日数)
②各種機関に相談する
コロナで派遣切りにあった時のために、国や各自治体で相談機関を用意していますので利用しましょう。
人によっては「とりあえず弁護士に相談しよう」とお考えの方もいますが、費用や時間の面から真っ先に弁護士に相談するのはおすすめしません。
具体的に相談できる機関は以下の通りです。まずはこの中からお近くの機関に相談してみてください。
- 各都道府県の労働局
- 総合サポートユニオン
- ハローワーク(公共職業安定所)
- 労働基準監督署
- 派遣労働ネットワーク
- 法テラス
各都道府県の労働局
各都道府県には「労働局」という機関があります。派遣切りにあった際はしっかりと助言や指導をしてくれます。
派遣切り以外でも労働問題があれば対応してくれますので、仕事で困った時には利用してみましょう。
なお平日の8時30分から17時ごろまで開いています。
各都道府県の労働局の一覧はこちらから確認できます。
総合サポートユニオン
総合サポートユニオンはいわゆる労働組合のことで、新型コロナ関連の相談も数多く対応しています。
相談料は一切なく、電話やメールでの相談も随時対応しているため、少しでも相談してみたいことがあれば気軽に利用してみてください。
組合に加入していなくても、ご両親やパートナーからでも対応してもらえますよ。
<総合サポートユニオン>
電話番号:03-6804-7650
(平日17:00~21:00時/土日祝13:00~17:00時 水曜定休日)
受付時間以外での相談は以下のメールから対応可能です。
ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワークも全国47都道府県に点在していますので、相談しやすいです。
ただハローワークに人が集まってしまえば、コロナのが感染拡大が考えられますので、なるべく面談での対応は避けるようにしたほうが得策です。
労働基準監督署
コロナを理由に突然退職届を書かされるなど、派遣切りには何かと不当な利用もつきものです。そんな時は労働基準監督署も利用してみてください。
労働基準法を中心とする法律に基づいて、労働条件の確保や改善指導に対応してくれる機関です。
相談は窓口か電話での対応となります。
派遣労働ネットワーク
派遣労働ネットワークは派遣に関する雇用問題に関して、10年以上取り組んできたNPO法人です。
労働に関する相談は、「派遣トラブルホットライン」として火曜日と木曜日にやっています。
<派遣トラブルホットライン>
03-5354-6250
法テラス
法テラスは法的トラブルを解決するために設置された、”国が設置した総合案内所”です。
コロナによる派遣切りについても、電話やメールで相談に乗ってくれます。
ただ法テラスは新型コロナウイルスの蔓延の影響もあり、2020年4月現在は業務を縮小・停止しているところもありますので、注意してください。
<サポートダイヤル>
0570-078-374
平日9:00~17:00(土曜日は業務停止)
メールでの受付はこちらから。
③利用できる制度を使ってみる
さて派遣社員が失業したからといって、ほったらかしにはしないので安心してください。いくつか利用すべき制度がありますので、対象の人は使ってみましょう。
失業保険を受ける
失業保険は、働けなくなった労働者の生活を守るために用意されています。再就職するためにも大切に使いましょう。
失業保険は主に厚生労働省が管理していますが、申請手続きや給付手続きはお近くのハローワークで対応してもらえます。
また給付を受けるには次の条件を満たす必要があります。
- 失業保険(雇用保険)に加入している
- 離職の前の2年間に雇用保険被保険者期間が通算1年以上あること
ちなみに失業保険(雇用保険)に加入するには、①31日以上の雇用見込みがあって、②1週間の所定労働時間が20時間以上あることが条件です。
ちょっとややこしいですよね。
失業保険をいくらもらえるかについては、こちらのツールで計算できますので、算出してみてください。
失業保険を受けるまでの流れ
派遣先を退社してから失業保険を受け取るまでの流れは以下の通りです。
- 契約満了で派遣先企業を退社
- 派遣会社から離職票を受け取る
- 住民票が置かれている地域を管轄するハローワークで求職の申し込み
(このときに退職理由、受給資格の確定がある) - 待機期間(7日間)
- 雇用保険受給説明会に出席
- 失業認定
- 各々の受給条件に則って、受給開始
失業保険を受ける際の持ち物
失業保険を受け取るのに必要な持ち物もいくつかありますので、うっかり忘れてしまわないよう気をつけてくださいね。
必要なもの | 備考 |
---|---|
雇用保険被保険者離職票 | 退職後に派遣会社から受け取ることができます。 |
写真付きの身分証明書 | 運転免許証、パスポートなど。 |
写真2枚 | 縦3㎝×横2.5㎝の正面上半身のもの、かつ3か月以内のもの。 |
印鑑 | - |
本人名義の普通預金通帳(またはキャッシュカード) | - |
個人番号確認書類 | マイナンバーカード、住民票など。 |
生活保護を受ける
生活保護制度は厚生労働省が設けたもので、スキルや能力をすべて使っても生活が困窮する人が受けられます。
生活保護の相談・申請は、お住まいの地域が所管する”福祉事務所の生活保護担当”です。
なお各市町村が1つだけ福祉事務所を設置する場合、「福祉部」「福祉課」として設置されるケースが多いです。
生活保護の申請にあたっては、特に必要な書類が無いのですが、仕組みを理解するためにも1度窓口で事前相談を受けるとスムーズですよ。
給付金10万円を使ってみる
令和2年4月20日に、感染拡大を防ぎつつも家計を支援すべく、政府は全国民に一律10万円の「特別定額給付金」の事業を始めました。
郵送かオンラインで申請できますが、申請の受付開始日は各市区町村ごとで決まります。受付開始日から3ヶ月以内が申請期限なため注意しましょう。
10万円もあると先ほど紹介した副業のためにも使えますし、スキルアップするために何かしらの工夫ができますよね。
④次の仕事を探す
仕事がなければ、ろくに生活できるはずもありません。次の仕事を探しましょう。
現在の派遣の仕事を失ったら、担当の派遣社員がすぐに次の仕事を探してくれますが、実際のところコロナのせいで仕事がすぐに見つかることは極めて難しいです。
業種によっては新しい人材を雇う余裕がなかったり、サイトに掲載している求人を大幅に減らしたりとこれから仕事に就くのにはかなり厳しい状況なんです。
今までよりも一層即戦力となる人材が求められますので、未経験や無資格から始められる求人はこれからどんどん縮小すると予想されます。
なお多くの派遣会社では求人数をかなり減らしていますが、大手ではまだ100,000件以上掲載していたりと、新しい職に就くチャンスはあります。
以下のページで、求人が豊富な大手の優良派遣会社を7社厳選して紹介しましたので、気になったところでエントリーしてみてくださいね。
※ただしリクルートなど、求人数を大きく減らしている派遣会社もありますので、その点は注意しましょう。
ちなみにコロナショック・コロナ不況に強い派遣の仕事もまとめてあります。次のお仕事を探すときに参考にしてみてください。
⑤副業を始めてみる
コロナをきっかけに、収入源を増やしてリスクを回避すべく副業を始める方もいます。
現在では副業の種類がかなり充実しており、スキルがなくても始められるもの、子育てで忙しい主婦さんでも始められるものだってあります。
特にUberEats(ウーバーイーツ)だと、店舗から家まで自転車やバイクなどで運ぶため運動にもなります。
緊急事態宣言やら外出自粛やらによる運動不足を解消しつつ、しっかりと稼げる点でかなりおすすめします(交通事故には注意)
副業 | 備考 |
---|---|
クラウドワークス | ライティングやアンケートなど初心者から始められる仕事が満載 |
アフィリエイト | 長期戦にはなるがじっくり稼ぎたい人におすすめ |
UberEats(ウーバーイーツ) | 需要が急増中のフードデリバリーサービス 月40万円も稼ぐ人もいる |
まとめ~コロナで派遣切りにあっても終わりじゃない~
コロナのせいで仕事したくても仕事がない…これが派遣社員の厳しい現状です。
失業してお金がなくなってまともに生活できなくなる人が、これから続出すると予想されます。
5月には緊急事態宣言が延長され、新たな失業者が77万人に増えるとの予測も出ているんです。「生きていても仕方ない」と思って危険な行動に出る方もいます。
こんな時にボーッと何もしないのは怠惰な話。
生活保護や給付金、電話・メールでの相談機関の用意などサポートは豊富ですので、困ったらそれらのサポートに頼って、ご家族、ご友人にも相談してみてください。
小さなアクション1つをきっかけに、この最悪の現状を打破できるかもしれませんよ。